今年10月、桶川市の自宅近くで車道センターライン付近をふらふら走行する“ひょっこり”寸前の成島容疑者(目撃者提供)

 少年はニヤニヤしながらヨソの母子のあとをつけていった。自分より2~3歳下の男児が母親と外食に出かけるところ。母親は少年の尾行に気づいたが、おかまいなしにずっとあとをついていった。

 20数年後、大人になった尾行少年は全国のメディアで取り上げられる迷惑男に。

 埼玉県桶川市で自転車に乗って対向車の前に飛び出すなど走行妨害をしたとして、10月26日に道路交通法違反(あおり運転)で同県警に逮捕された成島明彦容疑者(33)である。

変人だけど、基本的にはおとなしい子だった

 詳しい容疑は、

「10月5日午後2時過ぎ、市道を蛇行運転し、対向車線を走っていた40代女性が運転する車の前にひょっこり飛び出すなど通行を妨害した疑い。後続車のドライブレコーダーの映像などが逮捕の決め手になったようだ」

 と全国紙記者は言う。

 本誌既報(11月3日号)のとおり、成島容疑者はこの犯行直後、走行妨害を注意した72歳男性の胸ぐらをつかんだとして暴行容疑ですでに逮捕されている。

「昨夏には同県上尾市で車の前に飛び出し、道路交通法違反(安全運転義務違反)などで起訴され、今年2月に懲役2年(執行猶予4年)の有罪判決を受けている。

 社会問題化した『あおり運転罪』を新たに盛り込んだ改正道路交通法が今年6月に施行されており、自転車によるあおり運転への適用は全国初の事例となった。被害通報はほかに約50件あるともいわれ、埼玉県警は余罪を調べている」(前出・記者)

 金髪、サングラス、マスクで全身黒ずくめの成島容疑者とみられる走行妨害は周辺住民に何度も目撃されており、突然飛び出す犯行スタイルから「ひょっこり男」などと異名がついていた。

トレードマークは金髪、サングラス、マスクで黒ずくめの成島明彦容疑者

「犬の散歩中、ひょっこり行為を受けた車が歩道に迫ってきて怖かった」(女性住民)

「バスの前に飛び出し、急ブレーキをかけさせたことがあった。いつか大きな事故を招くのではないかと心配していた」(男性住民)

 しかし、成島容疑者は意に介さず、妨害を受けた運転手が注意すると、中指を突き立てて挑発することもあったという。

 どのようにして、手に負えない迷惑男は育ったのか。

 千葉県柏市で生まれ両親と姉の4人家族。実家アパートの周辺住民は「変人だけど、基本的にはおとなしい子だった」と振り返る。

「父親は朝早くからまじめに働くおとなしい職人さん。母親はパチンコ店に入り浸って、夫婦ゲンカがすさまじかった。まるで漫画のように皿や鍋が外まで飛んでくるほどド派手で、両親とも子どもには関心のない様子だった。いまで言う“放置子”だったんですよ」(同住民)

 小学生のころから、夏休みに親子で旅行することはおろか、日帰りのレジャーや外食に出かけるのも見たことがないという。

 成島容疑者はどんな少年時代を送っていたのか──。冒頭の尾行エピソードの続きをはじめ、実家の父親を直撃した『《埼玉・桶川》自転車危険運転“ひょっこり男”、異様で悲しい少年時代「かまってほしくてたまらない」〈懲りない息子に実家の父親が語ったこと〉』を、11月4日、11時配信のYahoo!ニュース有料記事にて【全文公開】する。