「ママはどうしていなくなったの? 僕が悪い子だったから?」
「そんなことを考えてたのか? 違う、そうじゃない。ママはおまえをとても愛してる。ママが出ていった理由は、おまえとは関係ない」
'79年に公開されたアメリカ映画『クレイマー、クレイマー』では、母親がまだ幼い息子を残して家を出ていったあと、残された父と子はこんな会話をする。
才賀紀左衛門とその娘もあびる優が去ったあと、同じような会話をしていたのかもしれない─。
「あびるさんと才賀さんは'19年12月に離婚。親権と監護権の両方を持ったのは才賀さんでした。才賀さんは現在、娘さんと自分の母親の3人で暮らしています」(スポーツ紙記者)
今年4月に週刊女性が才賀にインタビューした際、《今の環境が、自分にとっても娘にとっても最高の環境だと思う》と、生活が順調なことを話していたが、11月1日に『文春オンライン』が衝撃的な内容を伝えた。
「才賀は面談を拒んでいない」の証言
「あびるさんと才賀さんが、娘さんの親権をめぐって調停中であることが報じられました。さらに、記事では娘さんが通っていたインターナショナルスクールが保護者あてに送った一斉メールや、その学校に通わせている保護者の証言をもとに才賀さんを批判しています」(前出・スポーツ紙記者)
才賀がいかに子どものことを考えない“ダメ親”かを告発する内容で、子どものみならず、娘の母親であるあびるも心を痛めているようだ。
「あびるさんは、才賀さんが自分と娘を会わせないようにしている、娘さんとの面会を許可してもらえないと、ここ最近は、ひどく落ち込んでいるといいます」(芸能プロ関係者)
しかし、才賀は決して面会させることに否定的ではない。4月のインタビューでは、
「娘が母親に会いたいと言うなら僕は会わせてあげたいと思っています。(中略)“ママに会いたいか?”と聞いたこともあります」
と話していたのだ。あびると才賀が娘を連れて通っていた天ぷら店の店主も、才賀は面会を拒んでいないと語る。
「3月の初めかな。才賀さんが食事に来たときに、“あびるさんには(娘さんを)会わせてあげてるの?”って聞いたんです。そうしたら、“ボク(才賀)と3人でだったらいいよ、っていつも言ってるんですけど、優が断るんです”と話していました」
才賀が、あびると娘を2人きりで会わせたくないのは、明確な理由があった。
「ママのおうち行こっか」
「あびるさんはママになってからも、週に何日も飲み歩いていたようです。お酒にだらしない彼女が娘さんに悪影響を及ぼすことを恐れているのでしょう」(前出・芸能プロ関係者)
過去の『AERA dot.』のインタビューで、才賀ははっきりと自分の意思を示している。
《断酒を決意したとしても、しばらくは優と娘を二人きりにはさせたくありません》
才賀抜きで会えないことを“会わせてくれない”と解釈したあびる。何を思ったのか、今春ごろから強硬手段に出ていた。
「あびるさんが仲よくしているママ友の協力で、才賀さんに黙ってスクールへ行き、娘さんと会っていたんです」(スクールに子どもを通わせている保護者)
しかもそれは、1度や2度のことではなかった。
「何か月も続けて来てましたよ。週に3回以上、スクールに会いに来ていることもありました。親権がパパにあるのは知っていたので、問題は解決したのかな、って思っていたくらいです」(同・保護者)
調停中ということは、今の段階ではあびるは親権も監護権も持っていないはず。娘に会う場合は、両方の権利を持っている才賀に許可を取らなければならないはずだ。
「あびるさんが“ママのおうち行こっか”と、スクールから連れ出したこともあったんです。そのときはさほど気にしませんでしたが、才賀さんに無断でやっていたら、誘拐とか連れ去りとか、そんなことになるんじゃないかって怖くなりました」(同・保護者)
連れ去りとは穏やかではないが、法的に問題となるのだろうか。弁護士法人『天音総合法律事務所』の正木絢生代表弁護士に話を聞いた。
「一般論として言えば、親であっても親権者でない者が親権者の同意を得ることなく自宅に連れていくことは未成年者略取誘拐等に該当しうるのは事実です。子どもの同意があったとしても、そこは変わりません」
直撃に才賀が答えたことは
ということは、あびるの行為は犯罪になる?
「法律的には、略取とは“無理やり連れ去ること”、誘拐とは“あざむいたり、だましたりして相手を惑わす”ことをいいます。学校に会いにいったり、普通に自宅に連れていったりする程度のことならば、 犯罪に該当するとまでは言えません。ただし、それが親権争いにあたって不利に働く可能性はあります」(正木弁護士)
法的に責任を問われることはなくても、大事な親権調停に大きな影響を与えてしまう可能性がある。あびるの行動は、結果的に墓穴を掘ることになったようだ。
11月上旬、都内のトレーニングジムから出てきた才賀に、あびるが娘と勝手に会っていたことを知っているか聞いてみたが、
「係争中なので詳しく話すことはできないんですが、自宅への連れ去りは事実です」
とポツリ。それだけ言うと足早に去っていった。
あびるの所属事務所にも問い合わせたが、「本人のプライバシーについてはお答えできません」とのこと。
『クレイマー、クレイマー』では、母親は離婚時の取り決めを反故にすべく母性を盾に養育権の奪還を裁判所に申し立てた。
「才賀さんは子育てにあまり協力していないように言われていましたが、あびるさんと結婚していたころは、ほかの子の誕生日会に参加したり、保護者の懇談会にも積極的に出席したりしていましたよ。どちらかといえば、ほかのパパよりもイベントごとにはよく出ていたと思います。クリスマス会には格闘家の後輩さんたちを連れてきてくれて、子どもたちも喜んでいました」(前出・保護者)
親同士が争っても、その影響は子どもが受けることになる。あびると才賀の場合も、娘にとっていちばんいい形になる落としどころが見つかればいいのだけど─。