山下智久の「ジャニーズ脱退」に世間が揺れるなか、それを吹きとばすようなとんでもないニュースが飛び込んできた。
《近藤真彦(56) 25歳下「美人社長」を略奪5年不倫》
ジャニーズ最年長、“事務所の長男” マッチがまさかの不倫! 1994年に一般女性と結婚、不妊治療を経て2007年にようやく男児をもうけた過去があっただけに、驚きも増すばかり。
記事によれば、お相手は2015年の3月に知り合ったオーダースーツの会社を経営する女性・A子さん(当時は会社員)。一部上場企業の社長を通じて知り合った26歳の“ジャニーズ好き”で、KAT-TUN・中丸雄一のファンだったのだそう。彼女はマッチに初めて会ったときのことをツイッターにこう投稿していたという。
《大好きな某事務所の大御所の方とご飯会だったけど、最後の最後でその人の正体がわかったとゆー、、泣 うちはかなりのミーハーなのに気づかないとゆう…泣 でもほんとかっこよかった(ハート) さすが大好きなJ事務所》
本人も自覚している通り、文面から漂うは堂々たるミーハー感。“某事務所”とオブラートに包んでいたのが、たった2行先で特定必至のイニシャルをオープン。簡単にSNSでつぶやいてしまうノリの軽さも見受けられる。
いかんなく示す“マッチの威厳”
しかしながら、当時26歳という彼女の年齢を考えるに、カーレースにのめりこんでほぼ芸能活動が止まっている近藤真彦に一目で気づけなかったのはある意味、当然のことなのかもしれない。
出会って3ヶ月。マッチはA子さんに「出会ったころから好きだった」と告白。交際中はLINEアカウントを消して新規登録させ「他の誰のものにもならないでほしい」と束縛していたのだという。さりげなさゼロのギンギラギンぶりである。
5年間におよぶ赤裸々な交際をつぶさに書かれてしまったわけだが、25歳年下の、“自分の存在に気づきもしなかった”女性をどのようにオトしたのかについて具体的には書かれてはいない。だが、記事中の証言から匂ってくるのは、彼が周囲に対して“マッチさんの威厳”をいかんなく発揮していたのでは? といった痕跡だ。
出会って半年ほど経った2015年10月、A子さんが84歳になるジャニー喜多川さん(享年87)の誕生日会に招待された当日の様子ついて、知人女性がこう証言している。
《誕生日会はマッチさんが主催。タレントが百名ほど集まった。マッチさんに呼ばれていたA子は、亀梨(和也)さんに『マッチさんに馴れ馴れしい』と怒られたそうです》
現場には東山紀之や嵐のメンバーもそろっていたらしいが、女性同伴、しかも赤の他人を連れてこれるなんて“マッチさん”を差し置いてほかにいるだろうか。亀梨がA子さんを咎めたことからも、「よくわからない女がいる」その場が異質な空間だったことが察せられるが、もし“マッチの意中の相手”だと知っていたら、亀梨もそんな発言はできなかっただろう(逆にどれだけ慕われているかを示すために裏で亀梨に指示したマッチポンプだとしたら、そっちの方が面白いが)。
中居正広の“すべらない話”で描かれたマッチ
誕生日会の翌月、滝沢秀明はラジオで「あの日のマッチ」について以下のような裏話を披露している。
幹事・中山優馬のサポート役を務めていたタッキーが、誕生日会のひと月前に直々にマッチをお誘いしたところ「あぁ、行く行く〜!」と快諾を得たのだそう。ただ、その軽いトーンが逆に心配だったようで、
《このパターン絶対来ないよ~、と思っていて。でも、あんまり催促するのも失礼だし、その言葉信じるしかねぇな~と。そしたら当日、もう一番に来てくれて。“早っ!”と思って》((『タッキーの滝沢電波城』2015年11月7日放送))
絶対来ないと思っていた一番の先輩が会場に一番乗り。続々とやってきた後輩たちも自分より先にマッチさんがきているものだから、急いで挨拶に向かったはずだ。きっと隣には連れの女性、Aさん。彼女にしてみればいつもテレビで見るジャニタレたちが「うっす!」「おざっす!」「遅くなりました!」なんて恐縮一礼してゆくさまは圧巻だったに違いない。その瞬間のマッチはきっと、音楽番組で後輩ジャニーズと共演したとき特有の、あのドヤ顔をみせていたのではないだろうか。
文春の記事、タッキーのラジオで発言のほかにも“あの日のマッチ”についての語り部がいる。SMAPの中居正広だ。
2016年1月、初出演の『人志松本のすべらない話』で披露され、その日のMVS(最優秀賞)に輝いたエピソードは《ジャニーさんの誕生日会》。キレキレの話術から繰り出されるすべらない話を文字に起こすのは気がひけるが、概要はこうだ。
当日、中居はジャニーさんやマッチ、ヒガシら幹部クラスが座る上座に、小学生くらいのジャニーズJr,と思しき少年が平然と座って食事をしているのを見つけた。少年の不遜(そん)な態度と、先輩の自分に対して挨拶がないことに腹を立て、その少年を睨みつけていたところ、マッチがやってきた。
「お前どうしたんだよ中居、イライラしてんなよこんな所で。無礼講なんだからさ、ガチャガチャすんじゃねーよ。ジャニーの誕生日なんだからよぉ〜」
中居が「一番端のガキ、なんであっち座るのかなって」と少年への不満をぶつけたところ、返ってきた一言は、「俺の息子」。逆に中居が挨拶に伺うことになった、というオチだ。
当時は面白く聞けていたこの話も、『文春』のスクープと照らし合わせれば、“愛人と息子を同席”させていたということになり、まるで笑えない。
木村拓哉と飯行ってくれない? の真意
このように、マッチはジャニーズ好きなA子さんの前で、事務所内における「圧倒的な立場」と「後輩との関係性」を見せつけたくてジャニーさんの誕生日会に彼女を呼んだのではないだろうか。彼女の知るジャニタレと“自分のポジション”を対比させ、マッチさんの威厳を感じてもらうのが一番手っ取り早いアプローチだ、と考えたのかもしれない。中丸が飲みの席で吊し上げられなかったか心配だ。
また、一連の情報を並べると、ひとつ矛盾が生まれることがわかる。タッキーは幹事の中山優馬をサポートするかたちで「自分がマッチを誘った」と言う。中居はすべらない話で「滝沢が仕切り」との趣旨の発言をしている。だが、『文春』の記事でA子さんの知人はこの誕生日会を「マッチさん主催」と証言しているのだ。どうも話が食い違っている。
この矛盾が示すのはマッチがA子さんに対し「俺が主催したんだ」と話を盛ったのではないか、という疑いだ。タッキーも中居も、嘘をつく意味がまるでない。ただ、マッチにはカッコつける必要がある。A子さんが好きだから──。
『文春』には、マッチが解散前のSMAPについてA子さんに相談をしていたとの記述もある。発言を引用したい。
《SMAPは仲良くなくて、木村(拓哉)が意地悪されているみたい。ジャニーの誕生日会も、中居とかが木村に教えてなかった。今後、木村と一緒に飯に行ってくれない?》
唐突な飯。なぜ。そんなことされても、キムタクからすれば「ちょ、待てよ、誰?」であろう。マッチさんの女ともなれば、ただただ気を遣うに決まっとろう。彼女は彼女でSMAPの不仲について意見などしようがない。
ただそこにあるのは「俺は先輩として木村を心配しているし、頼りにされている。俺が呼べばあのキムタクが飯にくる」そんなマッチの安いアピールだけだ。いつだってジャニーズ力学を匂わせてくる彼は、後輩のふんどしで相撲を取るカッコ悪い先輩になってやしないか。
何はともあれ、文春記者に突撃取材を受けてA子さんをご存知ですか? と問われ、「いや無理無理無理無理」と言い残して逃げ出したことだけは、どう考えてもカッコ悪い。
〈皿乃まる美・コラムニスト〉