山下智久

《皆さんから頂いた温かい言葉、たくさんの愛がどれほど僕に勇気と希望を与えてくれたことか、言葉では言い表せないほど感謝しています》

 11月12日、山下智久がインスタグラムでファンへの思いを綴った。この投稿がされた2日前、彼は多くのファンにショックを与えていた─。

「10月31日でジャニーズ事務所を退所していたことが発表されたんです。彼は契約が更新される今年12月での退所を希望しましたが、事務所は来年3月までの契約延期を提案。1度は3月で合意したのですが、前倒しになりました」(スポーツ紙記者)

 世界へ飛躍する山下を、ファンも応援すると思われたのだが、どうやら祝福ばかりというわけでもないようだ。

「10月末に辞めたのに、ファンクラブに報告はありませんでした。それどころか、11月1日にはファンクラブの更新で年会費を払うよう促すメールが届いたんです。やりたい仕事があるとはいえ、まずはファンに報告するべきだったのでは。ショックを受けているファンも多いですよ」(山下ファンの女性)

 そもそも山下は、“スキャンダル”で謹慎中だった。

「8月に『文春オンライン』で、KAT-TUNの亀梨和也さんと一緒に、未成年の女子高生と飲み会をしたことが報じられました。山下さんは、その中の1人を宿泊していたホテルに“お持ち帰り”したことも発覚し、芸能活動を自粛することになったんです」(前出・スポーツ紙記者)

海外映画出演のために退社

 自粛期間中は表舞台での活動はなかったが、水面下では新たな動きがあったという。

10月27日に海外映画のオファーを受けたそうです。芸能活動を休止したままでは撮影に参加できないと考え、事務所に退所の意思を伝え、契約満了前に双方合意のうえで契約終了。11月1日に出国し、現在は撮影地のカナダにいるといいます」(同・スポーツ紙記者)

 これまで数多くのドラマや映画に出演し、仕事は順調そうに見えたが、内心では独立を考えていた。

「5年ほど前から、海外志向が強くなっていました。昨年9月には、親交の深いハリウッドスターのウィル・スミスさんの家族が経営する事務所『Westbrооk Entertainment』(ウエストブルック・エンターテインメント)と契約したんです」(同・スポーツ紙記者)

 9月には、週刊女性も山下が来年3月に退所する方向で話が進んでいることを報じたが、ここまで急転直下で事態が動くことも珍しい。

『亀と山P』の亀梨和也と山下智久(『カウコン2019-2010』)

「4月29日に亀梨さんとのユニットである亀と山Pのアルバム『SI』をリリースし、5月と6月にはツアーも予定していましたが、新型コロナウイルスの影響でどちらも中止に。いまだCD発売のメドは立っていないそうなので、辞めるとしても、発売を待ってからだと思っていたのですが……」(レコード会社関係者)

“2人で1つ”だったユニットの相方が抜けたことで、CD発売には暗雲が漂っている。

レコーディングをすませ、ジャケット写真も撮り終えているので、発売はするでしょう。ただ、大規模なプロモーションはできません。現役のジャニーズと辞めたジャニーズが一緒に写った写真は使いにくいですし、亀梨さんひとりに歌わせるわけにはいかないので、音楽番組に出演するのも難しいですからね」(同・レコード会社関係者)

日本のテレビには出られない

 山下は、冒頭のインスタグラムの中で、《子供の頃からの夢に向かい新たな一歩を踏み出していきたいと思います》とコメントしていたが、今後の活動はどうなるのか。

「日本での仕事は激減するでしょう。地上波のドラマは現役のジャニーズが多数出演しているので、テレビ局側は使いにくいです。また、不祥事でイメージが悪化したので、テレビCMも厳しいと思いますよ」(芸能プロ関係者)

 独立後は日本での仕事が難しくなることを見越していたのか、山下は着々と準備を進めていた。

「9月から10月は、会社の経営者や海外の実業家と会食していたそうです。そうしたつながりを生かして、海外の企業とコラボする可能性はありますよ」(山下の知人)

 一方、ジャニーズ時代には考えられなかった分野に挑戦する可能性も。

アメリカやヨーロッパのミュージカルに興味を示しているんです。これまでに、舞台はほとんど出ていませんでしたが、2年前にアメリカのロサンゼルスの演劇学校に通っていた際に、ほかの生徒から刺激を受けたようです」(同・山下の知人)

目指す「世界のケン・ワタナベ」

 山下が秘めていた“ブロードウェイ計画”は、すでに水面下で進行している。

『王様と私』の渡辺謙のように、世界で通用する逸材になれるか

「9月に『女性自身』で、渡辺謙さんが出演する海外ドラマ『トウキョウ・バイス』に山下さんが出る可能性があると報じられました。共演者の渡辺さんは、ミュージカル『王様と私』に出演したことで、海外で高く評価されているので、“謙さんと同じフィールドに立ちたい”と考えていても不思議ではありません」(前出・芸能プロ関係者)

 芸能ジャーナリストの佐々木博之氏は山下の海外進出の先行きは明るいと指摘する。

「今年6月にHuluで配信されたドラマ『THE HEAD』は現地で高く評価されています。山下さんは、これまで海外進出を試みた日本の俳優たちとはタイプが異なります。語学力も長けているのですが、現地に住む日本人の映画ライターは彼のセリフを聴いて“少しクセはあるけど、それがかえってネイティブな感じでいい”といった評価をしていました。また、ジャニーズ時代に歌とダンスの技術も培ってきたので、映画やドラマだけでなく、ミュージカルもできると思いますよ」

 ただ、今回の突然の退所によって、不信感を抱いたファンも多い。失ってしまった信頼をどう取り戻すかを、考えたほうがいいのかも。