現在、ファイナンシャルアカデミーで「株式投資スクール」の講師を務める藤川里絵さん。
シングルマザーの藤川さんは、15万円の月収で家族を支えなくてはならなくなったとき、数字オンチながら「とにかく効率よくお金を稼ぎたい」と株デビュー。5年で資産を10倍にまで増やしました。
女性は「上がる株」を見つけやすい!?
「何かを買えば、それを売った会社が儲(もう)かるということ。商品を買うだけだと、お金が出ていくだけ。そこで株も買えば、利益となって自分に返ってくる可能性があります。また、株主になれば配当や優待があり、自分が買っている商品をもらえることも」
とはいえ、実際に株を買うとなると難しいのでは……。
「株式投資は、誰にでもできるものです。特に女性は、男性よりも流行に敏感なので、情報をキャッチするのも早く、上がる株を発見できることも多いんです」
女性は一般的に好奇心が強く、フットワークが軽いといわれますが、それが株を選ぶときの強みになるのだそう。
「株だからと難しく考えず、まずは興味が湧いたことから始めるのでいいと思います。
例えば、スーパーで売れていて、品切れしている惣菜やスイーツ。いつも行列のパンケーキ屋さんや高級食パンなどなど。
まずは、そうした身近なところに目を向けてみてください。これが売れている、あそこが流行(はや)っているなど、株のヒントがたくさん見つかりますよ」
実際に藤川さんも、身近な興味から大きく成長する会社を見つけているそうです。
いまだコロナ禍にあり、先行きの見えない今。
「景気が悪いからといって株価が下がるわけではありません。実は、株価というのは成功の半年ぐらい前から動くといわれていて、今はまさに、株価が上がっている状況です。
その理由は、世界中で給付金をはじめ、いろいろな支援がされているから。つまりお金があるということですが、今、けっこうなお金が株式市場に回ってきており、追い風となっています。株式投資家にとって、やりやすい相場といわれていますね」
株の初心者にとっても、今だからこそのメリットが。
「今は、調子がいい会社と悪い会社がわかりやすいので、株を始めやすいと思います。
生活様式が変わるなか、例えば今、ホームセンターなどで園芸用品を買う人がすごく増えていたりします。この先伸びそうな業種、逆に厳しそうという業種も想像しやすいですよね。また、売り上げが落ちて利益も落ち……というところが多いなかで変わらず伸びている会社もあり、その会社はやっぱり強いということもわかります」
景気のよしあしを気にしているとなかなか踏み出せず、大縄飛びの輪にいつまでも入れない状態に。株を始めて利益を出したいと思うなら、今こそ、チャンスです!!
お悩み別・投資のコツをアドバイス!
《お悩み:資金がない》
→資金ゼロでも始められる「スマホ証券」から始めてみて!
お金はないけど株をやってみたいという株初心者には「今、スマホ証券がイチオシです」という藤川さん。
スマホ証券とは、スマートフォンでの取引に特化した新しい証券会社のこと。SBIネオモバイル証券やLINE証券などさまざまなところがあり、それぞれが特徴のあるサービスを展開。
「1株から購入できるほか、毎月1000円分だけ買うという注文も可能です。さらに、LINEポイントなどのポイントで取引することもできるので、ポイントがあるなら、資金ゼロでも始められます」
藤川さん自身も、現在、LINE証券をお試し中。
「LINE証券ではいろいろなキャンペーンがあり、タイムセールのほか、クイズに正解すると3株分もらえたりも」
自己負担なしでできるから、もし損をしてもダメージゼロ!
「株式投資をこれから始めようというとき、『お金を大きく稼ぐ前にまずは株式投資に慣れる』という意味でも、ここからスタートするといいと思います。口座開設がスムーズにできる、銘柄が決まっていて選びやすい、という点もおすすめです。
株は、合う・合わないもあると思いますので、気軽にできるスマホ証券で、まずは試してみてください。やってみて楽しいと思ったら、次は本格的な株式投資にチャレンジしましょう」
《お悩み:知識がない》
→「流行り」「話題」に目を向けて
株をやるなら、もちろん、「儲かる株」を選びたいもの。
「例えば近所に上場している2つのスーパーがあって、ひとつはすごく流行(はや)っていて自分もそっちに行っている。選ぶ基準は、そんなことで全然OKです。人気があるほうは売り上げがいいので利益も出ているはず。実は直結しているので、わかりやすいですよ」
藤川さんは、上がる株のヒントは流行っているものにあり、女性が群がるところにチャンスがあるとも。
「自分が実際に使ったり、試せるものがいいと思います。機械メーカーなど企業を相手にするB to B(ビートゥービー)企業は選ぶのが難しいのですが、身近なものを扱う会社もたくさん上場しているので、そのなかから選ぶことをおすすめします」
すき間時間に情報収集をするのもグッドアクション。
「ツイッターなどのSNSをチェックするのもいいですよ。話題になっていることがあったら自分で調べたり、お店に行けたら行ってみるといいですね。また、今はほとんどの会社にホームページがあるので、それもぜひチェックしてみてください。伸びていく会社は、たいていホームページもわかりやすい作りです」
【個人投資家のマストアイテム『会社四季報』】
「実際に株を買うときは、『流行ってるから』だけでなく、きちんと数字を見ることも大切です」という藤川さんがおすすめするのは、個人投資家のバイブルと呼ばれる、東洋経済新聞社から出版されている『会社四季報』。
「現在約3700ある、全銘柄の情報が得られるツール。見方もさほど難しくなく、記事欄、業績欄など、それぞれのフォーマットに沿ってわかりやすくまとめられています。株のカタログみたいなもので、読むというより見る感じでOK。私もずっと愛読しています」
投資のコツをアドバイス!〜後編〜
《お悩み:数字がわからない》
→計算も専門的な分析もいらない「シンプル投資」がおすすめ
株式投資にはいろいろな手法がありますが、「根っからの数字オンチ」という藤川さんがすすめるのは、数字が苦手な人でもできる以下の3点をおさえた「シンプル投資」。
「ひとつめは『わかりやすい』ということ。何をやっているかわからない会社の株は買ってはいけません。なぜなら、株が上がっても下がっても、その理由がわからないから。自分にとってなじみのある分野を選ぶことが鉄板です」
次が「儲かっている」こと。
「基本的に会社の利益が伸びて続けているうちは株価も上がっていきます。毎年順調に売り上げと利益が伸びている会社を選ぶことが大事。ちなみに四季報には業績の過去と今、未来の予想をまとめた表が掲載されていて、わかりやすく便利」
最後は「小さい」こと。
「これは無名の会社ということではなく時価総額が500億円以下くらいの会社を選ぶということ。大企業と違い時価総額が100億円の会社が翌年には200億円と倍に、数年で1000億円と10倍になることもよくあり、大きな利益が期待できます」
【まとめ】「シンプル投資」3つのポイント
1.わかりやすい……飲食、美容、アパレルなど、事業内容が自分でわかることが大事!
2.儲かっている……売り上げと利益をチェックして、業績がよいと確実にわかるものを選ぶこと
3.小さい……狙い目は時価総額500億円以下。プロが見逃している小規模の会社&成長に伸びしろアリ
《お悩み:大損したくない》
→「損してもいい」ラインを決めて、あとは自動売買におまかせ!
「株は、下がってしまうときもあります。そこで、ぜひやってもらいたいのが、株を買う時点で“ここまで下がったら売る”と決めておくこと。そして、そこまで下がったらすぐ売って、損切りすることが大切です」(写真ページの図1参照)
損切りとは、損をしている状態の株を売って損を確定させること。
「損失は限定することが大事。自分でリスクを決められるという意味では、そんなに怖くはないと思います」
とはいえ、損した状態で株を手放すのは勇気がいりそう。
「株は、メンタルもかなり大きく影響します。人は損することが大嫌い。損を確定したくなくて『明日になればまた上がるかもしれない』と、売るのを先延ばしにしてしまいます。でも、いちど下がったらそのまま下がっていくことがほとんど。損を大きくしないために、自動売買を活用するといいですね」
自動売買とは、証券会社が株の購入から売却までを自動的に行ってくれる注文方法。
「逆指値(ぎゃくさしね)といって、今の株価よりも下がったら売るという指示を出しておけば、自分が損切りしたラインに到達した瞬間、自動で売り注文を出してくれます。これなら自分の気持ちに負けずにすみます」
株初心者なら、株が上がっているときも、この損切り&自動売買の利用がおすすめ。
「株が上がったら、損切りラインも上げます。買った金額まで上げられたら損失ゼロ、さらに上げられたら大成功。その後下がっても、確実に利益が出ます」
収益UPを目指し頑張ろう。
(構成/長谷川英子)
《PROFILE》
藤川里絵さん ◎株式投資で自己資金を5年で10倍に。日本最大のファイナンシャル教育機関「ファイナンシャルアカデミー」にて、「株式投資スクール」など多数の講座を担当。YouTubeは、藤川里絵の女子株CH「はじめの一歩」https://www.youtube.com/channel/UCrsiRmd8Bq7CmaXljd8PDKw