「キャァー、マッチもそんなことするの! 信じられない」
『週刊文春』によって報じられた近藤真彦の不倫報道。ジャニーズの“長男”もここまで騒動が大きくなるとかばいきれないのか、活動自粛と相成った。
お相手オーダースーツの会社を経営する25歳年下の女社長(31歳)、5年に渡って不倫関係を続けていたという。近藤には'94年に結婚した2歳年下の妻と中学生の息子がいる。
芸能記者になって34年になる私だが、“近藤真彦と現妻”と聞いて思い出されるのが、近藤が結婚を発表した3年前、'91年の出来事である──。
マッチと現妻、スクープの瞬間
その日私は、同じ『たのきんトリオ』の田原俊彦とある女優の熱愛を取材していた。いわゆる“張り込み”だ。車の中で田原の帰宅を待っていたのだが、休憩しようと近くの自販機で缶コーヒーを買い、飲んでいたところ、目の前の信号で真っ赤なフェラーリが停止した。
やがて信号は青に変わったのだが、フェラーリはすぐに発進しなかった。停止線より少し前に出て止まってしまったのと、車のフロントガラスの傾斜の関係で、ドライバーは信号を確認しにくかったようなのだ。だから顔をダッシュボードの前に出して上を見上げるようにして信号を確かめるしぐさをとったのだが、ガラス越しに見えたその顔は紛れもなく“マッチ”だったのだ。
こんな深夜に、自宅方向とは違う場所でいったい何をしているのだろう? ピンときた私は一緒に張り込みをしていたカメラマンと彼の追跡を開始。
車が首都高速道路に入り、料金所に差し掛かったとき。当時はまだETCもなく、料金所の窓口は日本車用に右側だけだった。フェラーリのハンドルは左で届きようがない。そのとき助手席の窓から出てきたのは、イタリアンレッドのマニキュアが施された、白磁のように美しい手だった。間違いない。女性が乗っている。必死に追いかけようとしたが、なにせ向こうはフェラーリ。国産の大衆車が敵う相手ではない。料金所を抜けたとたんに引き離され、見失ってしまったのだ。
それから執念の取材が始まった。降りたと思われる高速出口を張り込んで数か月、ついに赤いフェラーリを発見し、マッチが足しげく通っていた“現妻”の実家を探し当てることができたのだった。
それから3年たって結婚を発表したとき、正直、まだ交際が続いていたのかと驚きもしたが、彼が結婚も視野に入れて真剣交際をしていたということに感心したものだった。
証拠はないのだけれど……
それから26年、折に触れて見せる子煩悩な父親像もあってか、世間が抱く彼のイメージは家族思いの元トップアイドル。しかも年齢を重ねても“自動車レース”という過激な趣味を続けているカッコいいオジサンだ。
そんなマッチが若い女の子と不倫していたと聞いて、ショックを受けたファンは多いだろう。
『文春』の取材は長期間にわたって行われており、完ぺきと思えた。さまざまなツーショット写真もあり、よくぞここまで調べ上げたと感服するが、ただ1点だけ足りないところがある。それはふたりが不倫関係にあることを確信させる証拠だ。
記事には《二人きりでタクシーに乗り込む日もあった》《二人は(ホテルの)最上階の部屋へと消えていった》とあるが、不確定要素も多い。タクシーでどこに消えていったのかは書かれていないし、最上階にも部屋は複数あるだろう。近藤は女性と行動する際は、いつも複数人の取り巻きを同行させ、カモフラージュをしていたというのだから、その周到さはなかなかのものだ。
ベッキーと川谷絵音のときは生々しいLINEのやり取りが、東出昌大と唐田えりかのときはふたりとも関係を認めた。瀬戸大也はそれこそラブホテルで写真を取られている。
文春記者は女社長にも直撃してはいるが、“ゴルフ旅行中に一緒の部屋に泊まっていない”と否定され、それを覆す証拠を突きつけることができていないだろう。これでは、仲のいい女社長を誘って仲間とゴルフに出かけただけだと言われても、それ以上の追及はできない。また富士スピードウェイや鈴鹿サーキットで行われたレースに彼女を招待していたというが、それもこれも業界ではよくある話。いや業界でなくても聞かれる話だろう。
──そんな“決定的証拠”もないなかで、本人が交際を認めたため今回のような、“無期限活動自粛”という処分が下されたのだろう。日に日に大きくなるネット世論を前に「このままでは後輩たちにも示しがつかない」との事務所の判断もあったのではないだろうか。
あのマッチが、仲間と一緒に自分よりはるかに若い女の子たちを連れて泊りのゴルフ旅行とは。いかにも“会社役員”風情がただようのである。
今回の報道を受け、近藤は「ケジメ」をつけて妻に謝罪したという。
《奥さんは必死の弁明にも聞く耳を持たず、一時は『離婚する』と言って突き放したといいます》(『週刊文春』12月26日号)
25年前にあんなにも“さわやかな交際”をしていたマッチがこんな状況に追い込まれようとは……。しかし、それにも少しづつ前向きな進展があるようで、
「家族間のことですから他人がとやかく言うことではないんでしょうが、少なくとも今は“家族3人で手を取り合っていこう”と前進しているようですよ」(芸能プロ関係者)
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之>◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。