11月中旬の午後9時すぎ。都内のJR『四ツ谷』駅近くの交差点で、多くの人が足を止め、注目を集める女性がいた。
日曜劇場で“中身が男”の女性を演じる
「歩道を通行止めにして何かの撮影をやっているようだったから、誰か有名な人がいるのかなって見ていたんです。そしたら、近くに停まっていたロケ車両から、綾瀬はるかさんが出てきたんですよ。色が白くて、お肌もツヤツヤで本当にキレイでした」(居合わせた女性)
スーツ姿で地図を持ち、キョロキョロと周囲を見渡していた綾瀬。スタッフと打ち合わせをしながら、遠方を指さす仕草も──。
来年1月からスタートするTBS日曜劇場『天国と地獄~サイコな2人~』の撮影だろうか。同ドラマは、主演の綾瀬が警視庁捜査一課の刑事に扮し、高橋一生がサイコパスな殺人鬼役を演じるのだが、その2人の“魂”が入れ替わるという設定だ。
女性なのに“中身が男”を演じる綾瀬は、どんな演技を見せるのか。
「脚本家は、綾瀬さんが'18年にTBS系で主演した『義母と娘のブルース』も担当。最終回の視聴率は19・2%を獲得し、今年初めにはスペシャルドラマも放送されました」(テレビ誌ライター)
'04年に放送したドラマ『世界の中心で、愛を叫ぶ』(TBS系)のヒロイン役を演じてブレイクした綾瀬。'13年には『八重の桜』でNHK大河ドラマの主演を務めた。'15年は是枝裕和監督の映画『海街diary』に出演し、日本アカデミー優秀女優賞を受賞。'19年もNHK大河『いだてん』で主人公の妻役を演じている。
「昨年は3回目となる紅白歌合戦の司会に起用されました。リハーサルで囲み取材に応じた際、過去の言い間違えについて指摘されましたが“2回目の司会では間違いはないです、皆無でした!!”と必死に反論していて可愛らしかったですね。ただ、3回目もやっぱり言い間違えがありましたが(笑)」
五輪延期で仕事にポッカリと穴が
今年でデビュー20周年を迎えた綾瀬。特別な年になるのかと思われたが、コロナの余波が……。'17年放送のドラマ『奥様は、取扱い注意』(日本テレビ系)の劇場版が6月に公開を予定されていたが延期に。今年の紅白にも綾瀬の姿はなさそうで、CM以外でその姿を見ることはめっきりと減っていた。
「東京五輪オフィシャルスポンサーのイメージキャラクターを務めていましたが、五輪自体が延期になって、仕事にポッカリと穴が空いてしまったようなんです。ドラマは決まれば数か月は拘束されますので、来年1月クールが決まっていれば、10月ぐらいからほかの仕事を詰め込むのは難しい。それでも飲料メーカーや化粧品のCMには出ていますから、忙しくされているとは思いますよ」(芸能プロ関係者)
ようやく仕事が動き始めたみたいだけど、昨年は身内に不幸もあった。
「綾瀬さんのお父さんは、'19年6月に肺がんで亡くなりました。当時は『いだてん』の撮影中でしたが、持ち前の責任感から最後までやりきった。デビューからずっと陰ながら応援し、支えてくれたお父さんが亡くなり、精神的にもキツイ時期だったはず。なのに、周囲のごくわずかな人にしか伝えず、明るく振舞っていたみたいで……」(前出・芸能プロ関係者)
明るさの源にある“母からの言葉”
過去の『週刊女性』インタビューでは、年末年始の過ごし方について《必ず実家に帰るようにしています。絶対、年越しの瞬間に○○をする! など、自分の中に決まったルールはなく、ただ家族に会って時間を一緒に過ごしたいという気持ちが強いんです》と語っていたことから、綾瀬が家族をなによりも大切に思っていることがうかがえる。
「今でこそ国民的女優の綾瀬さんですが、デビュー当初はグラビアの仕事が主で、なかなか芽がでなかった。ドラマに出演できるようになっても撮影が終わるたびに“もう辞めよう”と思っていたそう。それでも続けてきたのは、お母さんの“みんなに元気をあげてね”という言葉だったとか。普段から元気に明るく振る舞うのも、お母さんのそうした言葉があったから。それが今、映画やドラマで見る人に元気をあげるということが、彼女のモチベーションになっているそうです」(前出・芸能プロ関係者)
忙しく働き続けた綾瀬も、五輪延期で、少しだけ亡き父との思い出をゆっくりと振り返る時間ができたのかも……。それでも、来年からは冒頭のドラマだけでなく、3月にも東日本大震災10周年のNHKドラマに出演することが決まっている。再び、忙しく活躍する綾瀬の姿が見られそうだ。