コロナ第3波が押し寄せ、外出自粛が再び求められる日も近いかもしれない。孤独な自粛生活を猫のようにストレスフリーに過ごせる、精神科医たちが実践する方法をご紹介!
不安な夜をやり過ごす方法
★布団の上で大の字になってみる★
もう何も考えず、布団の上で大の字になるだけ。手足は軽く開き、手のひらは上。そして目をつぶる。あおむけの姿勢は身体を圧迫しないので、熱もこもりにくく、血行にいい。これだけで血液は全身に巡り、内臓・筋肉・神経は休まる。コツは“脱力”のみ。疲れたと思ったら大の字でゴロン。
★ふわふわに癒されてみる★
不安で心配な気持ちが押し寄せてきたら……。身体に「オキシトシン」という「幸せホルモン」を呼び寄せよう。方法は簡単。
クッションや毛布、ぬいぐるみといった身近にある「ふわふわ」なものをムギューと抱きしめるだけ。
これだけで心は安心感を得て、身体からはオキシトシンが出る。不安に押しつぶされそうなときはぜひ。
★月見て、星見て、ああ、キレイ★
頭の中がグチャグチャしてきたら、夜空を眺める!
月や星を見つけたら、その揺らめく光をボーッと見てみること。そして、ひと言「キレイ……」ってつぶやいてみよう。脳はときどき主語を把握できなくなるので、その「キレイ」は月に言っているのか、自分に言っているのか認識できないのだ。これが意外と潜在意識に効いてくる。
ぼっちの昼間をそれなりに楽しく♪
★起きたら窓開けビタミンDを★
何時でもいいけど、起きたらカーテンを開けよう!
できれば窓も開けられたら完璧! なんとこれだけで身体はビタミンDの生成作業を開始する。ビタミンDは骨を強くし、免疫力を高める、別名、太陽のビタミン! さらに、太陽光には体内時計の調節だけではなく、セロトニンという幸せホルモンの分泌を促す効果も!
★エア縄跳びをしてみる★
運動不足は身体に悪いとわかっちゃいるけど、外に出るのがおっくうだったら、これがある。「おうちDEエア縄跳び」!
軽くひじを曲げ、両手に縄を持つふりをしながら、そのまま、低くジャンプ、1分間。これだけで新陳代謝が活発になり、心肺機能が鍛えられる有酸素運動になる。侮れない運動なのだ!
★すやっと昼寝★
「猫はいいなぁ……」と思ったときは、疲れたとき。遠慮なく、ゴロゴロする猫になろう!
おすすめはランチ後の昼寝20分。昼食後に眠くなるのは生理現象なので、昼寝時間をとったほうが午後の効率はよくなる。寝転がるのが無理ならば、机の上で突っ伏すのでもOK。朝からフル回転している脳を休めてあげよう。
自分にとことん甘く!
★とりあえず肉!★
凹んだときは肉を食べよう! 肉はタンパク質の王様。
身体のあらゆるものをつくる材料であるばかりか、免疫力向上にもなくてはならない物質。セロトニンという幸せホルモンの材料になるトリプトファン(必須アミノ酸)も含まれる。
さらに、肉は脳内で「アナンダマイド」という至福物質に変化。つまり、肉は「元気回復の切り札」なのだ。
★肴は炙ったイカがいい★
最近、誰ともおしゃべりしてないなぁ……と思ったら、コンビニで「噛むおやつ」を調達するのがおすすめ。
例えば、スルメや鮭とば。声帯も筋肉も使わないと退化する。噛むことで唾液の分泌を促し、消化を助ける。歯周病や口臭予防の効果も。脳も活性化され、同時に咀嚼のリズム運動で幸せホルモン・セロトニンが分泌される。
★止まらぬひとり酒をSTOP★
「このご時世、飲まなきゃ、やってらんない」ってときは、この作戦で! 名づけて「至福の1杯作戦」。酒は百薬の長とも呼ばれるから、無理に禁酒する必要はなし。ただし、やはり飲みすぎは身体に悪い。
ならば、普段よりちょっと贅沢なお酒を用意し、ゆっくり、もったいつけて飲むのがおすすめ。健康と楽しい気分の一挙両得を手にしよう。
ネガティブな自分にサヨナラ!
★「いいぞ~」がハッピーのおまじない!★
嫌なことがあったときは、あえて、物事のいい面に目を向けてみよう。
楽しみにしていた行事が延期となったならば「お楽しみが続く」、欲しい商品が売り切れだったなら「散財しなくてよかった」などと発想の転換を。その魔法の言葉が「いいぞ~!」。最初は変な感じがしても、言っているうちに前向きに。悪循環はリセットだ。
★「めんどくせー」は前向きワード★
「めんどくせー」という言葉。単純に文句を言っている場合もあるが実は「現状打破」を願っているポジティブワードでもある。心の底では「すべてをめんどうがる自分」に飽きがきているのだ。
もし、そうならば、生き方を見つめ直す好機到来! そろそろ「動きだしたい」ってサインでもあるので、近い未来の自分に期待大。
★花丸手帳で自分を褒める★
もし、今、全く褒めてもらえない日々が続いているのなら、「花丸手帳」がおすすめ。誰も褒めてくれないなら、自分で自分を褒めてあげれば問題解決。
「化粧を落として布団に入れた」「お弁当箱を洗った」ってなことでも全然OK! 自分が「頑張った!」ってことはすべて花丸。手帳に花丸を書きまくり、自分を肯定すべし!
猫みたいに生きる!
★友達100人いりませ~ん★
人は「友達は多ければ多いほどいい」って錯覚しがち。でも、人の悩みの大部分は人間関係。もし、人付き合いが苦手なら、そこは得意な人に任せればいい。
無理してまで、誰かと一緒にいる必要もないことに気がついて。
自分にとっての「心地よさ」を優先することで、本当に大切な人や物は見えてくる。
★「すみません」より「ありがとう」の言葉を★
自分が発する「すみません」と「ありがとう」の比率で「すみません」が勝っていたら、「ありがとう」にシフトすると徐々にいいことが。
なぜなら「ありがとう」は脳にも好影響を与えるパワーワードだから。人に向かって言ってもいいし「ご飯が美味しい、ありがたい!」的なことでも効果大。謝罪よりも、まず感謝。これが大事!
★生きるも死ぬも気のせい★
いっそ全部、手放してスッキリしたいってときは写経って手も。気が向いたときに「般若心経」を数文字だけ。般若心経は「すべては無。恐れる必要なし」という教え。その写経の効果はお墨つき。脳内でβエンドルフィンという快楽物質が分泌され、深いリラックス状態を呼び、自律神経を整える。ひとときの没頭が暮らしを変えるきっかけに。
気楽に生きられる超簡単テク
家庭・職場・学校・近所付き合いなど、ストレスを抱えやすい現代社会。加えて長期化するコロナ禍で、心身の不調を訴える人は増えているという。そんななか、『1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている 猫みたいに楽に生きる5つのステップ』(双葉社)を上梓した精神科医の鹿目将至先生は、
「不安や孤独を感じるのは当たり前。でも、ちょっとした心身のケアだけで劇的に“自分だけの心地よさ”を感じられるようになります。まずは、日だまりの猫をお手本にリラックスしましょう」
と語る。鹿目先生とその仲間である現役精神科医たちが実践している、お金もかからず、誰でも、その場で簡単にできる“心身ともに健康になれる”超絶メソッドを教えてもらった。
これらのコツはただひとつ「気が向いたときに、気楽にやってみる」ってことだけ。
“やらなきゃ!”と思うと、それはそれでストレスだから、“気が向いたときに”くらいにゆる〜くやってみよう。
これで、あなたも「猫のようにラク~」に生きられるはず♪
(取材・文/鳥居りんこ) イラスト/大塚さやか