不安&ストレスが吹き飛ぶ15の方法(イラスト/大塚さやか)

 コロナ第3波が押し寄せ、外出自粛が再び求められる日も近いかもしれない。孤独な自粛生活を猫のようにストレスフリーに過ごせる、精神科医たちが実践する方法をご紹介!

不安な夜をやり過ごす方法

★布団の上で大の字になってみる★

 もう何も考えず、布団の上で大の字になるだけ。手足は軽く開き、手のひらは上。そして目をつぶる。あおむけの姿勢は身体を圧迫しないので、熱もこもりにくく、血行にいい。これだけで血液は全身に巡り、内臓・筋肉・神経は休まる。コツは“脱力”のみ。疲れたと思ったら大の字でゴロン。

★ふわふわに癒されてみる★

 不安で心配な気持ちが押し寄せてきたら……。身体に「オキシトシン」という「幸せホルモン」を呼び寄せよう。方法は簡単。

 クッションや毛布、ぬいぐるみといった身近にある「ふわふわ」なものをムギューと抱きしめるだけ。

 これだけで心は安心感を得て、身体からはオキシトシンが出る。不安に押しつぶされそうなときはぜひ。

ふわふわに癒されてみる(イラスト/大塚さやか)

★月見て、星見て、ああ、キレイ★

 頭の中がグチャグチャしてきたら、夜空を眺める! 

 月や星を見つけたら、その揺らめく光をボーッと見てみること。そして、ひと言「キレイ……」ってつぶやいてみよう。脳はときどき主語を把握できなくなるので、その「キレイ」は月に言っているのか、自分に言っているのか認識できないのだ。これが意外と潜在意識に効いてくる。

 ぼっちの昼間をそれなりに楽しく♪

月見て、星見て、ああ、キレイ(イラスト/大塚さやか)

★起きたら窓開けビタミンDを★

 何時でもいいけど、起きたらカーテンを開けよう!

 できれば窓も開けられたら完璧! なんとこれだけで身体はビタミンDの生成作業を開始する。ビタミンDは骨を強くし、免疫力を高める、別名、太陽のビタミン! さらに、太陽光には体内時計の調節だけではなく、セロトニンという幸せホルモンの分泌を促す効果も!

★エア縄跳びをしてみる★

 運動不足は身体に悪いとわかっちゃいるけど、外に出るのがおっくうだったら、これがある。「おうちDEエア縄跳び」!

 軽くひじを曲げ、両手に縄を持つふりをしながら、そのまま、低くジャンプ、1分間。これだけで新陳代謝が活発になり、心肺機能が鍛えられる有酸素運動になる。侮れない運動なのだ!

エア縄跳びをしてみる(イラスト/大塚さやか)

★すやっと昼寝★

「猫はいいなぁ……」と思ったときは、疲れたとき。遠慮なく、ゴロゴロする猫になろう!

 おすすめはランチ後の昼寝20分。昼食後に眠くなるのは生理現象なので、昼寝時間をとったほうが午後の効率はよくなる。寝転がるのが無理ならば、机の上で突っ伏すのでもOK。朝からフル回転している脳を休めてあげよう。

自分にとことん甘く!

★とりあえず肉!★

 凹んだときは肉を食べよう! 肉はタンパク質の王様。

 身体のあらゆるものをつくる材料であるばかりか、免疫力向上にもなくてはならない物質。セロトニンという幸せホルモンの材料になるトリプトファン(必須アミノ酸)も含まれる。

 さらに、肉は脳内で「アナンダマイド」という至福物質に変化。つまり、肉は「元気回復の切り札」なのだ。

凹んだときは肉を食べよう!(イラスト/大塚さやか)

★肴は炙ったイカがいい★

 最近、誰ともおしゃべりしてないなぁ……と思ったら、コンビニで「噛むおやつ」を調達するのがおすすめ。

 例えば、スルメや鮭とば。声帯も筋肉も使わないと退化する。噛むことで唾液の分泌を促し、消化を助ける。歯周病や口臭予防の効果も。脳も活性化され、同時に咀嚼のリズム運動で幸せホルモン・セロトニンが分泌される。

★止まらぬひとり酒をSTOP★

「このご時世、飲まなきゃ、やってらんない」ってときは、この作戦で! 名づけて「至福の1杯作戦」。酒は百薬の長とも呼ばれるから、無理に禁酒する必要はなし。ただし、やはり飲みすぎは身体に悪い。

ならば、普段よりちょっと贅沢なお酒を用意し、ゆっくり、もったいつけて飲むのがおすすめ。健康と楽しい気分の一挙両得を手にしよう。

止まらぬひとり酒をSTOP(イラスト/大塚さやか)

ネガティブな自分にサヨナラ!

★「いいぞ~」がハッピーのおまじない!★

 嫌なことがあったときは、あえて、物事のいい面に目を向けてみよう

 楽しみにしていた行事が延期となったならば「お楽しみが続く」、欲しい商品が売り切れだったなら「散財しなくてよかった」などと発想の転換を。その魔法の言葉が「いいぞ~!」。最初は変な感じがしても、言っているうちに前向きに。悪循環はリセットだ。

★「めんどくせー」は前向きワード★

「めんどくせー」という言葉。単純に文句を言っている場合もあるが実は「現状打破」を願っているポジティブワードでもある。心の底では「すべてをめんどうがる自分」に飽きがきているのだ。

 もし、そうならば、生き方を見つめ直す好機到来! そろそろ「動きだしたい」ってサインでもあるので、近い未来の自分に期待大。

「めんどくせー」は前向きワード(イラスト/大塚さやか)

★花丸手帳で自分を褒める★

 もし、今、全く褒めてもらえない日々が続いているのなら、「花丸手帳」がおすすめ。誰も褒めてくれないなら、自分で自分を褒めてあげれば問題解決。

「化粧を落として布団に入れた」「お弁当箱を洗った」ってなことでも全然OK! 自分が「頑張った!」ってことはすべて花丸。手帳に花丸を書きまくり、自分を肯定すべし!

花丸手帳で自分を褒める(イラスト/大塚さやか)

猫みたいに生きる!

★友達100人いりませ~ん★

 人は「友達は多ければ多いほどいい」って錯覚しがち。でも、人の悩みの大部分は人間関係。もし、人付き合いが苦手なら、そこは得意な人に任せればいい。

 無理してまで、誰かと一緒にいる必要もないことに気がついて。

自分にとっての「心地よさ」を優先することで、本当に大切な人や物は見えてくる。

★「すみません」より「ありがとう」の言葉を★

 自分が発する「すみません」と「ありがとう」の比率で「すみません」が勝っていたら、「ありがとう」にシフトすると徐々にいいことが。

なぜなら「ありがとう」は脳にも好影響を与えるパワーワードだから。人に向かって言ってもいいし「ご飯が美味しい、ありがたい!」的なことでも効果大。謝罪よりも、まず感謝。これが大事!

「すみません」より「ありがとう」の言葉を(イラスト/大塚さやか)

★生きるも死ぬも気のせい★

 いっそ全部、手放してスッキリしたいってときは写経って手も。気が向いたときに「般若心経」を数文字だけ。般若心経は「すべては無。恐れる必要なし」という教え。その写経の効果はお墨つき。脳内でβエンドルフィンという快楽物質が分泌され、深いリラックス状態を呼び、自律神経を整える。ひとときの没頭が暮らしを変えるきっかけに。

気楽に生きられる超簡単テク

 家庭・職場・学校・近所付き合いなど、ストレスを抱えやすい現代社会。加えて長期化するコロナ禍で、心身の不調を訴える人は増えているという。そんななか、『1日誰とも話さなくても大丈夫 精神科医がやっている 猫みたいに楽に生きる5つのステップ』(双葉社)を上梓した精神科医の鹿目将至先生は、

「不安や孤独を感じるのは当たり前。でも、ちょっとした心身のケアだけで劇的に“自分だけの心地よさ”を感じられるようになります。まずは、日だまりの猫をお手本にリラックスしましょう」

 と語る。鹿目先生とその仲間である現役精神科医たちが実践している、お金もかからず、誰でも、その場で簡単にできる“心身ともに健康になれる”超絶メソッドを教えてもらった。

 これらのコツはただひとつ「気が向いたときに、気楽にやってみる」ってことだけ。

“やらなきゃ!”と思うと、それはそれでストレスだから、“気が向いたときに”くらいにゆる〜くやってみよう。

 これで、あなたも「猫のようにラク~」に生きられるはず♪

教えてくれたのは……鹿目将至先生●1989年生まれ。日本医科大学卒業。現在、愛知県豊橋市の松崎病院に勤務する新進気鋭の精神科医。
『1日誰とも話さなくても大丈夫精神科医がやっている猫みたいに楽に生きる5つのステップ』(双葉社)著=鹿目将至、鳥居りんこ
『1日誰とも話さなくても大丈夫精神科医がやっている猫みたいに楽に生きる5つのステップ』著=鹿目将至、鳥居りんこ おひとりさま必読! 今回、紹介しきれなかったテクがたくさん載ったコチラの本。1冊、読み終わるころにはもうストレス&不安がなくなってるかも!? 双葉社刊・1210円(税込み)

(取材・文/鳥居りんこ) イラスト/大塚さやか