元国会議員の宮崎謙介が不倫を報じられた。4年ぶり2度目ということで、オリンピックかとツッコミたくもなるが、改めて感じるのは、この夫婦の間の悪さだ。
『許すチカラ』再び……
前回は妻・金子恵美(当時、国会議員)が出産した直後に発覚。金子自身は出産した日の深夜に夫から、「実は週刊誌に載ります」と明かされたという。しかも、宮崎は育児休暇を取ると宣言したイクメン政治家として注目を浴びていた。これにより、宮崎は議員を辞職し、金子もその後の選挙で落選することになる。
そして今回は、金子が著書『許すチカラ』を出版した翌月の発覚。著書には夫の不倫を妻が許したことにより、夫婦がピンチを乗り越え、新たな世界でそれぞれ活躍できるようになった姿がけっこうカッコよく描かれている。前書きでは「『許すチカラ』で、私は幸せになれた」と自信たっぷりに宣言しているほどだ。
それだけに、金子は出演したテレビ番組で「いろいろあってギャグみたいな感じになっちゃいましたけど」と苦笑するハメに。とりあえず、今回も夫を許してはいるようだ。しかし、この展開はある意味、彼女が逆に持ってるともいえるかもしれない。
というのも、これで第2弾『再び許すチカラ』も書けるし、このまま夫が五輪ペースで不倫をやらかすようなら「またまた許すチカラ」「何がなんでも許すチカラ」などとシリーズ化も可能だからだ。
とまあ、こちらもギャグにしてしまったが、そもそも、金子がタレントのようにして生き残れたのは、宮崎の不倫と彼女の対応が笑えたからである。
宮崎が当時の不倫相手にLINEで送った口説き文句「私のど真ん中は“ソナタ”」は意味不明の迷言だったし、夫婦が終活イベントで行った生前葬にも脱力させられた。宮崎が故人、金子が喪主の役で、友人代表は狩野英孝だ。
つまり、ふたりは夫婦漫才みたいにして不倫を乗り切ったわけで──。プロの芸人・渡部建でもできなかった不倫のギャグ化に成功したともいえる。
では、まじめな話、彼女はなぜ不倫を許せるのか。それは彼女にとって、宮崎が夫というより、息子のような存在だからだろう。『許すチカラ』では宮崎について「純粋すぎる」「人を信用しすぎる」と語っており、また「(自分を)母親にさせてくれたことへの感謝があった」とも書かれている。
彼女はそんな子どもみたいに危なっかしい夫が可愛くてしかたないし、結婚して、親にしてくれてありがとうという気持ちでいっぱいなのだ。
そのぶん、彼女の怒りは宮崎以外へと向かう。今回の不倫について、相手女性への法的措置を検討するという話も飛び出したが、要は「私の可愛い」夫を誘惑した女が許せないのかもしれない。
それにしても、逆にこれから彼女が不倫をしてしまう可能性はないのか。
そのとき、宮崎バージョンの『許すチカラ』が出版されたり、あるいは、彼女が『許されるチカラ』を書いたりするのだろうか。
とまあ、再び茶化す感じになったが、所詮、不倫は他人事で、当事者だけの問題だ。にもかかわらず、渡部は不倫タレント救済番組『ガキ使』の大みそかスペシャル(日本テレビ系)ですら復帰を許してもらえない。そんなシビアすぎる状況のなか、どこ吹く風と異彩を放っているのがこの夫婦なのである。
今後もぜひ、不倫を笑いに変え続けてほしい。