岩田剛典 撮影/矢島泰輔

声をかけていただけたことは、ものすごく光栄だと思います。1度、福田監督とお仕事がしてみたいという思いが前々からありましたので。それが叶って本当にうれしいです

 コメディーの奇才・福田雄一監督のオリジナル脚本による映画『新解釈・三國志』で“鼻につく自称イケメン将軍”趙雲を演じている岩田剛典。オファーを受けたのは、2年ほど前。監督と食事に行ったときだった。

「正直、僕で大丈夫かなと思いました(笑)。ほかにどんな方々が出演されるかも聞いていましたから、すごくプレッシャーを感じましたね。ただ、肩書だけでもう笑えるので、キャラクターに助けてもらえるかなと(笑)。

 福田監督からお願いされたのは、誇張して演じてほしいということ。ミュージカル調で話したり、独特の間を取ったり、あまりにもぶっ飛んだキャラだったので振り切って演じました

プライベートでも
やっぱりイケメン?

 三國志の中でも、もっとも有名な『赤壁の戦い』を描いた今作。劇中、中華統一を目指す英雄・劉備や、彼と義兄弟の杯を交わした関羽、張飛を前に得意げに「劉備軍イチのイケメンです」「モテます」というセリフが。

岩田剛典 撮影/矢島泰輔

「本当に、もう、なんでしょうね(笑)。なかなかこうストレートに表現することってないですから。撮影現場では、スタッフの方しかいないのでほぼ笑いがないんです。だから、手応えを感じることができなくて(笑)。劇場で見てくださる方には笑っていただけたらいいなと思いながら演じていました。

 これまで、プライベートでも自分のことを“イケメン”なんて、1度も言ったことがないです。世の中、カッコいい方がたくさんいますから、僕がそんなこと言ったら怒られちゃいますよ(笑)

 劉備を演じた大泉洋や関羽役の橋本さとしとは初共演。張飛の高橋努とは、デビュー作品以来の共演だった。

「高橋さんとは、僕の映画デビュー作になる『クローズEXPLODE』(04)以来でしたが、“久しぶり”ってすぐに打ち解けられました。橋本さんはEXILEに共演しているメンバーが何人かいたので“元気にしている?”と声をかけてくださって。

 大泉さんは、座長として真ん中でどしっといてくださって。でも、距離を感じさせないお人柄。思わず、打ち上げのときに“一緒に写真を撮ってください”とお願いしてしまいました(笑)。僕、緊張して、なかなかこういうことって自分から言えないんです。すごくいい思い出になりました。次に大泉さんと作品でご一緒できたら、今回以上にガッツリ絡めたらいいなと思います」

デビュー10周年
飽きることがない仕事

 11月に所属する三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBEがデビュー10周年を迎えた。

「アーティスト活動以外のところで僕のことを知って、音楽番組で踊っている姿を見て“俳優じゃないの?”と驚かれる方も実際にいらっしゃって。自分が個人活動をしていることでの相乗効果を実感することがあります。

 この10年のキャリアは、俳優とアーティスト業、両方ないと形作られなかった。模索しながら、セルフプロデュースじゃないですけど、そういう意識で取り組んできた時間でした。こうして、デビューして10年たった今でも、いろいろな出会いや刺激を受けることができるということがこの仕事の魅力だなと思うし、飽きることがないですね」

岩田剛典 撮影/矢島泰輔

【コラム1】
コメディーだけじゃない!
アクションもすごいんです

 出演者の中でいちばんアクションが多かったと思います。槍を持った殺陣や、甲冑を着てのワイヤーアクションは初めてでした。それに、乗馬の練習もありましたし、意外とクランクインするまでにやっておかないといけないことが多かったです。乗馬は、小さいころにやったことがあるかもしれませんが、大人になってからは初めて。初日の稽古で、お尻が痛くて驚きました。すぐに、お尻に敷くパッドを買って。あと、馬の背中がちょうど痛いところに当たるんですよ。それには、苦戦しました(笑)。

【コラム2】
仕事への熱量

 この2年くらいで一気に出演作品が増えた感じがしています。かけていただける声に応えるだけの熱量を持っているつもりではいます。その熱量と比例して、いいお仕事をさせていただいているという充実感がありますね。休みたいとか、ゆっくりしたいとかって思うのは、まだ早いかな。やらないといけないこと、やりたいことがたくさんあるので。まだまだ、尻が青いですから(笑)。

【コラム3】
できたらいいなと思うこと

 新型コロナが落ち着いたら、旅行とか行きたいですね。海外だと、ヨーロッパとかニューヨークが好き。アートとかに触れて刺激をもらいたいなと思います。今は、友達と話すことで元気をもらえている気がします。まだまだ厳しい状況が続いていますから、うまく息抜きをしていけたらいいですね。

 【コラム4】
三代目JSBメンバーは作品を見ている?

 どうなんだろう? 僕が出演しているというだけで全部の作品は見てくれていないんじゃないかな。でも、「劇場で見たよ」って感想をくれたりします。メールとかじゃなくて、直接、会ったときに。『新解釈・三國志』はみんなすごく楽しみにしていますね。僕が出演する情報が解禁されてすぐの打ち合わせで「やばいね」「趙雲やるの!? いいなぁ」「すごく楽しみにしてる」って口々に言われました(笑)。

 『三國志』って、男子はみんな好きだと思います。ゲームで触れている人も多いですし。僕、ゲームだとすらっとしてカッコいい趙雲と(最強の武将)呂布のキャラクターを使うことが多くて、だから、趙雲役はものすごくうれしかったです(笑)。

(C)2020映画『新解釈・三國志』製作委員会

映画『新解釈・三國志』
(全国東宝系にて公開中)
出演:大泉洋、ムロツヨシ、岩田剛典、小栗旬ほか
配給:東宝