「新型コロナで苦しんでいる人が大勢いるのに、こんな事件を起こすとは……」
そう話すのは、12月9日までに警視庁に逮捕された栃木県小山市の美容師・大平恵子容疑者(41)の自宅近所の女性。
『家賃支援給付金』を
約170万円だまし取る
「容疑者は、美容室の経営者を装い、コロナで経営が悪化した個人事業主などの家賃を支援する『家賃支援給付金』を約170万円だまし取りました。この給付金詐欺で摘発されたのは、全国で初めてのケースとなりました」(全国紙社会部記者)
容疑者は2020年8月上旬、過去に住んだことのある栃木県内のアパートで美容室を経営しているふりをして、月々の家賃数十万円とする賃貸借契約書を偽造。
中小企業庁の専用サイトから申請手続きをして、自分の口座に振り込ませたという。
「中小企業庁から給付通知書がアパートの管理会社に届いたため、管理会社が不審に思ったことから発覚しました」(同・記者)
居住していない住所で申請するとは大胆というか、杜撰(ずさん)というか……。
「ネット情報を参考にした」
「生活費などで使い切った」
と犯行を認めている大平容疑者だが、そこまで生活に困っていたのだろうか──。
地元や茨城県の美容室をこの5年で少なくとも3軒は辞めていてその理由を聞くと、
「トラブルではなく、彼女の都合で辞めただけ……」
「お話しできません」
と各店舗とも一様に口が重かった。
「本当に気が強くて、
性格がめちゃくちゃ悪い」
5年ほど前は、有名美容学校でヘアカラーの講師を務めたこともあったが、最近は小山市内の実家で両親と暮らしていた容疑者。
「いつも金髪で派手な服やハイヒール姿で犬を散歩させていてね。このあたりでは有名人ですよ。顔はかわいいし、とても40歳には見えないほど若いけどね」(前出・女性)
容疑者は3人姉妹の次女で、姉と妹はすでに結婚して実家を出て、容疑者も20代のころに結婚したが、すぐに戻ってきたという。
定年退職をした父親と、現在も生命保険会社で夜遅くまで働く母親との生活ぶりは、周囲から浮いていた。
「恵子は中学校ではイジメっ子だった。だからみんなから嫌われていて、友達が家に来たことがないほど。
高校はすぐに中退したか、行ってないかも。最初に東京の美容専門学校へ入ったんですが、すぐに辞めてしまった。
本当に気が強くて、性格がめちゃくちゃ悪い。近所ではクレーマーとしても有名です。それはお母さんも同じ」
と大平家を知る人物が続ける。
母親は揉めた家に
猫の死骸を投げ込んだことも
「掃いたゴミを他人の家の前に置いたり、“お宅の木の葉が落ちて掃かなきゃいけないので、木を切りなさいよ”と言いがかりをつける。
トラブルになると“警察を呼びますよ”が口癖で、実際に何度も警察が来たことがある。揉めた家には、猫の死骸を投げ込んだことも」
大平家にはよく借金取りが来るということで、生活が苦しかったのかもしれない。
2年前には、父母名義の実家の土地の一部が一時、差し押さえられていたことも。
しかし、容疑者の放蕩ぶりは変わらなかった。
家は立派なのに、
駐車場代も払わないトンデモ一家
“男”に費やしていたのでは、と別の近所の女性。
「前に、父親が留守のとき、容疑者が男を自宅に連れ込んだことがありました。それがあとで父親にバレて、こっぴどく怒られていたことも何度かありましたよ。もしかしたら、男と住む部屋を別に借りていたのかも」
近所の男性は“物欲”と見ている。
「この15年で外車を4、5回も乗り換えている。その金が払えないときは、荷物だけ出されて、持っていかれたこともあるし、レッカー車で持っていかれたこともある」
現在、実家近所に止められている容疑者の車はジープの「グランド・チェロキー」で少なくとも500万円以上する代物だ。さらにはこんな、トンデモ話も。
「娘の車が止めてある駐車場には、両親の車もそれぞれ止めていますが、他人の敷地に無断で何年も駐車している状態です。家は立派なのに、駐車場代も払わないとは、とんでもない一家ですよ」(同・男性)
今回の給付金に限らずコロナ支援対策は、スピードが求められるため、申請や審査を簡略化していて、それを悪用する輩が後を絶たない。
大平容疑者のような事件が原因で、正当な理由のある人たちへの支援が滞るようなことがなければいいが……。