中村勘九郎 撮影/伊藤和幸

「声優をやると決まったときは、うれしくて家族にすぐ言いました。“ポケモンやるよ”って。みんな大好きなのでめちゃくちゃ喜んでくれましたね。そのあと情報が解禁されると、子どもの友達の間でも話題になったようで、その話を誇らしげに僕に語ってくれるんですよ。カッコいいお父さんっていいじゃないですか。そんな子どもたちの姿を見て、“ああ、いい仕事したな”って思いました(笑)

思わず収録を止めてしまった理由とは?

中村勘九郎 撮影/伊藤和幸

 歌舞伎だけではなく、昨年は『いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜』で2度目の大河ドラマに出演するなど幅広く活躍。

 私生活では2児の父である中村勘九郎。この冬は、ポケモンと人間の親子愛を描いた『劇場版ポケットモンスター ココ』で、少年・ココを育てた幻のポケモン、ザルード役で声優に初挑戦した。

「やってみて改めて声優さんってすごいなと。参加したおまえが言うなと言われるかもしれませんが、おいそれと受けちゃいかんなと思いました(笑)。あと、アフレコのときにピカチュウとかみなさんの声が先に吹き込まれていたんです。思わず感動して “わー、すげー!!”って言葉が出てしまい、収録を止めてもらいました(笑)

 自身も昔からポケモン好きで、高校時代には劇場版の1作目『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』を見に行ったほど。

「その作品が昨年3DCGとなって公開されたので、家族と見に行ったんです。高校時代なんて結婚もしていなかったし、子どものことなんて想像もつかなかった。それが20年以上たち、劇場に妻がいて子どもがいて一緒に見たというのは、とても幸せだなと感じましたね

中村家、定番の年末年始の過ごし方

中村勘九郎 撮影/伊藤和幸

 今年は声優だけではなく、歌舞伎のライブ配信にも初挑戦するなど、コロナ禍の中でも精力的に活動を続けた。

とにかく腐らずにいなきゃいけないなというのを強く思った年ですね。あとは、自粛期間中に子どもたちとたくさん触れ合えたことは貴重でした。踊りの稽古を3本くらいやったんですけど、1本目の踊りは振りを覚えるまで時間がかかったんですが、2本、3本と続けていくことによって、振りの覚えがすごくよくなっていったんです。本当にスポンジのようにすべてを吸収していく彼らを見て、“ああ、これが成長なのかな”と。子どもから学ぶことが多かったですね

 そんな中村家の年末年始の過ごし方の定番とは?

「年越しは必ず浅草の浅草寺に除夜の鐘を打ちに行っています。今年はたぶん無理でしょうけど。あとはご挨拶回りをしたり、お弟子さんたちが集まって、一門で新年会をしています。うちは正月にカレーが出るんですが、それがめちゃくちゃうまいんですよ。なぜカレーが出るのか理由はわからないんですが、子どものころから必ず。今度のお正月はみんなで集まるのはやめるんですが、カレーだけは出してほしいなと思います(笑)

映画の初めての思い出

「初めて見たのは、『ドラゴンボール』か『ドラえもん』か……たしかアニメだったと思います。妻との最初のデートで見たのが『レクイエム・フォー・ドリーム』。これがドラッグ中毒の話でファーストデートに選ぶ作品ではないなと反省した思い出が(笑)。あと父と2人きりで最初に行ったのが『マーズ・アタック!!』で、父がひたすら爆笑していたのを覚えています」

(C)Nintendo・Creatures・GAMEFREAK・TVTokyo・ShoPro・JRKikaku(C)Pokemon(C)2020ピカチュウプロジェクト

『劇場版ポケットモンスター ココ』
12月25日(金)より全国東宝系にて公開
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・
TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku
(C)Pokemon (C)2020 ピカチュウプロジェクト

ヘアメイク/宮藤誠 スタイリング/寺田邦子