武井咲(27)が出産をへて、3年ぶりにドラマ復帰「家族がいるだけで強くなれる」
あの悪女が再び降臨!
銀行の派遣社員が大胆にも1億8千万円を横領し、銀座でいちばん若いママに。さらに男たちを踏み台にしながら、銀座イチのクラブママにまでのぼりつめるも……。
連ドラ『黒革の手帖』(テレビ朝日系)から3年。希代の悪女・原口元子が帰ってくる。
「正直、連ドラのラストで捕まっちゃってるから、この後どうなるか、あまり想像できなかったんですけど、まさか、また元子を演じられるとは思ってなくて(笑)。思い入れの強い作品なので、本当にうれしいです」
物語は元子が3年の刑期を終え、出所するところから。止まっていた時計が動きだす。
「まだやり方があったのか! この手があったのか! というか(笑)。金沢を舞台に、また新たな踏み台を使って元子らしくのぼりつめていく。やっぱり頂点を知った人はそこじゃないと嫌なんだなっていう。演じていて、すごく楽しかった。あの爽快感を今回また楽しみにしていてください」
元子への愛情、そして元子への自信がみなぎる。
3年前の連ドラの際、武井が持つ明るくて清純なイメージ、そして当時23歳という若さから、元子役を不安視する声もなくはなかった。
「今はすごく、直接的なコメントが耳に入る時代。実際にお母さんじゃなくても母親役をやったり、学生じゃなくても高校生を演じたりするのに。やはり、元子という役柄が特別だからでしょうね。
ダイレクトな意見は聞いていました。それで不安になったり、怖じ気づくことはなかったです。逆に自分の気持ちも元子に乗せて、見返したいと思いながら演じていました。そんな強い気持ちでいなきゃいけないところはありましたね」
いざフタを開けてみれば、氷のような冷徹さ、瞳の中に燃え盛る野望、したたかな計算高さ、お金への執着、そして着物姿の美しさ……見事にハマっていた。してやったりだったのでは?
「いや、それはないかな(笑)。ただ、すごく作品を楽しんでもらえたり、元子のファッションに注目してもらえたり。自分の自信にもなりましたし、『黒革の手帖』という作品のすごさをまた改めて感じたところでもありましたね。
あのころは、元気いっぱいの等身大の役が続いていたので、元子を演じることは、自分の中でも挑戦でした。正直、等身大の役より、悪女は楽しかったです(笑)」
ママになって女優復帰
'17年は4月クールで『貴族探偵』ヒロイン、7月クールで『黒革の手帖』主演、10月クールで『今からあなたを脅迫します』主演。女優として乗りに乗っているタイミングでの産休は、後ろ髪を引かれるような気持ちも?
「それはなかったですね。うれしい気持ちのほうが大きかったです。私の中ではすごく、ごくごく自然な流れだったし。そのときそのときで自分の選んだことに後悔しないようにしている気がします」
結婚・出産をへて、今また女優という仕事に戻って来られたことがありがたい、と微笑む。
「セリフを覚えられるかな、という心配はありましたね(笑)。もう自分だけの時間じゃないので。いつ、どうやって台本を読めばいいんだろうな、とか。
意識の変化? 私は特にないけど、やっぱり私が今までと同じように出ていても、プライベートなニュースをみなさんがご存じなので(笑)、それが作品の邪魔にならないといいなとは思います。
女優は経験が生かせる職業だと思うので、だから人生を豊かにするほど、よくなっていくんじゃないかなと思っています。家族がいるだけで強くなれるところもあるし、自分の自信にもつながるし」
武井咲はさらに強く、さらに美しくなったーー。
悪女要素、ある?
元子のような悪女の要素は武井の中に何パーセントくらいあるかと尋ねると、
「私の中に? 元子の要素!? アハハハ。うーん。でも、元子は銀座のママだったので、それを自分の仕事に置き換えるのであれば、やっぱり元子も孤独というか、ひとりで闘っている女性。
私はグループものでもないですし(笑)、“多くの人に見てもらうにはどうしたらいいのか”と、責任を感じながら、ひとりでどうにかやって行かなくちゃいけない。そういったところは、ひとりの女性として、元子に通じるのかなとは思います」