寒い季節は特につらくなる、肩こり、腰痛、冷え性。悩ましい不調が100円でズバッと治るんです! 手でもむよりも効果的で、気持ちいい~。いつでもどこでも持ち歩いて、コロコロほぐせば身体が軽くなる♪

写真はイメージです

不快症状にコロコロするだけ

「首や肩のこりを解消するためにストレッチをする人がいますが、実はそれだけでは効果がないことが多いんです」

 というのは、理学療法士のGENRYUさん。そもそも“こり”とは、筋肉が硬くなって筋膜が皮膚に張りつき、組織全体がガチガチに固まっている状態。ストレッチだけではほぐしにくい状態にあるのだ。そこで、100均でも手に入る、ゴルフボールがセルフケアに有効だという。

こりのある場所に、軽く押し当てながらコロコロと転がすと、筋肉がやわらかくなり、血行やリンパの流れを改善します。その後、痛いと感じる場所に、指圧の要領でゴルフボールを押し当てる。血液やリンパが特に滞っている場所にゴルフボールで垂直圧をかけることで、身体の深部まで刺激。次第にぽかぽかしてくるのを感じるはず。筋肉や筋膜の柔軟性も高めます」(GENRYUさん、以下同)

 1か所30秒以内と手軽にできるうえ、ゴルフボールを使うので、指や手が痛くなることもなし。

 さらに効果を上げるには、皮膚に張りついている筋膜をはがし、筋肉がスムーズに動くようにしてからゴルフボールケアを行うこと。

「ポイントは、1回だけで不快症状を解消させようと思わないこと。すき間時間に継続してやるのがおすすめです」

ゴルフボールのココがスゴイ!

●手で押すより簡単!
「慣れない人が自分で指圧をすると手が痛くなりがちですが、ゴルフボールなら誰でも負担なく行えます」

●100円で買える!
「スポーツ専門店にもありますが、100均ショップでは2個100円で売っているところも。手軽に買えるのがうれしいところです」

●どこでも持ち運べる!
「小さいので、ポーチなどに入れてバッグにポン! 仕事や旅行などにも持っていけて、いつでもケアでます」

※注意:ゴルフボールを落として思わぬ怪我をしたり物を破損しないよう、ご注意ください。髪が長い人はボールが巻き込んでしまうので、先に束ねてから行いましょう。

行う前に“皮膚はがし”すれば効果倍増!

 こりや痛みなどの原因は、悪い姿勢や運動不足で筋肉が固まり、血行やリンパの流れが滞ってしまうこと。その結果、皮膚と筋肉の間の筋膜と呼ばれる組織が皮膚と癒着してしまう。ゴルフボールでケアする前に、これをはがしておくと、効きがさらに実感できるという。

「はがすといっても、ただその部分の皮膚をつまむだけです。これで筋膜と皮膚の癒着をはがすことができます」

 こりを感じる部分の皮膚を、まんべんなくチョンチョンとつまんでいく。1か所5秒ほどでよく、痛いほど引っ張る必要はなし。そして筋肉が動きやすい状態になったら、いざゴルフボールの出番!

上半身の不調(肩こり、頭痛、眼の疲れ)

 筋肉は連動しているので、首→肩→頭→目と続けて行うとスムーズに解消。

【不調1 首こり】

 首こり”とは、首の後ろ、うなじ周辺の筋肉がこり固まった状態。スマホ操作や家事などで長時間同じ姿勢を続けると、6~8kgもある頭部を支え続けている首は、ガチガチに。

●「後頭下筋群」という首の付け根にある筋肉。首の深部に位置し頭を支える役割を担う、ここをほぐす!

《POINT》
行う前に真上を向いて首の動きを確認しましょう。終わってから同じ動作をすると、動きが楽になるのがわかります」

《POINT》行う前に真上を向いて首の動きを確認しましょう。終わってから同じ動作をすると、動きが楽になるのがわかります」姿勢はまっすぐ! 強さはイタ気持ちいいぐらい

STEP1
首の付け根にゴルフボールを当てて、軽く押し当てながらコロコロと転がす(15秒)。

STEP2
特に痛みを感じる場所を探し、ゴルフボールを押し当て、グーッと圧をかけていく(5秒)。机などにひじをのせて体重をかける。

【不調2 肩こり】

 首や背中が緊張するような姿勢での作業、猫背、運動不足、冷えなどのほか、重いショルダーバッグをもつことなども原因に。慢性化すると、頭痛、めまい、眼精疲労などを伴うことも。

首から背中を覆う「僧帽筋」(そうぼうきん)の上部と、首と肩甲骨をつなぐ「肩甲挙筋(けんこうきょきん)」、ここをほぐす!

《POINT》
「首こりと同様に、行う前に両腕を真上に上げて上がり方をチェック。終わってから同じ動作をすると、腕がスッと上げやすくなっているはず」

《POINT》「首こりと同様に、行う前に両腕を真上に上げて上がり方をチェック。終わってから同じ動作をすると、腕がスッと上げやすくなっているはず」筋肉の流れ(縦)と交差するように

STEP1
首の後ろ(僧帽筋の上部)にゴルフボールを軽く押し当てながらコロコロと転がす(15秒)。両手に1個ずつ持って行ってもOK。

STEP2
ゴルフボールを、持った手と逆サイドの肩に当て、肩甲挙筋にそうように転がしてマッサージを(左右5秒ずつ)。

STEP3
特に痛みを感じる場所を探し、ゴルフボールを押し当て、グーッと圧をかけていく(左右5秒ずつ)。

【不調3 頭痛】

 同じ姿勢を長時間続けたり、身体に合わない枕の使用などが原因に。頭から首、背中にかけての筋肉がこわばり、痛みを感じる神経が刺激されることで、頭痛をおこすことが多い。

僧帽筋の緊張が、こめかみあたりにある「側頭筋」に伝わり、こりを発生させる。ここをほぐす!

《POINT》
「こっている人は、最初はすごく痛いかもしれません。ゴルフボールは刺激が強く入りやすいので、強度を調節して行いましょう」

《POINT》「こっている人は、最初はすごく痛いかもしれません。ゴルフボールは刺激が強く入りやすいので、強度を調節して行いましょう」強すぎないように

STEP1
ゴルフボールを側頭部全体(側頭筋)に軽く押し当てながらコロコロと転がす。2つある場合は左右同時に、1つの場合は片手ずつでOK(左右10秒ずつ)。

STEP2
特に痛みを感じる場所を探し、ゴルフボールを押し当て、グーッと圧をかけていく(左右5秒ずつ)。

【不調4 眼精疲労】

 十分な睡眠をとっても、痛みや目の疲れといった症状があるなら眼精疲労と考えられる。スマホや読書などで目を酷使することが原因。同時に肩こりや首こりも感じる人が多い。

まぶたの開け閉めを担う「眼輪筋」(がんりんきん)と、首の付け根から後頭部全体、ここをほぐす!

《POINT》
「眼球に押しつけないように注意を。このほか、頬骨からあごまでまんべんなくコロコロ行うと、小顔効果もあります」

《POINT》「眼球に押しつけないように注意を。このほか、頬骨からあごまでまんべんなくコロコロ行うと、小顔効果もあります」目はデリケートなのでやさしく

STEP1
目ゴルフボールを後頭部の下側に軽く押し当てながらコロコロと転がす。2つある場合は左右同時に、1つの場合は片手ずつでOK(10秒)。

STEP2
目のまわりの硬い部分にボールを軽く当てるようにコロコロと転がす。片手ずつでもOK(左右5秒ずつ)。

STEP3
後頭部で特に痛みを感じる場所を探し、ゴルフボールを押し当て、圧をかけていく。(左右5秒ずつ)。

下半身の不調(腰痛、足の冷えとむくみ)

 下半身は大きい筋肉が多いので、手でほぐすのは大変。ゴルフボールで効果的に。

【不調5 腰痛】

 運動不足による腰のまわりの筋肉の衰えと、柔軟性の低下が原因。また長時間、悪い姿勢で座っていると骨盤が正常な位置より後ろに倒れた状態となり、腰痛を引き起こす。

●お尻の筋肉「大殿筋」(だいでんきん)の上部、骨盤の上のほう、ここをほぐす!

《POINT》
「ケアの前と後に前屈をやってみると、効きがわかります。腰の筋肉がやわらかくなるので、前屈がしやすくなっているはず」

《POINT》「ケアの前と後に前屈をやってみると、効きがわかります。腰の筋肉がやわらかくなるので、前屈がしやすくなっているはず」

STEP1
壁を背にして立ち、腰と壁の間にゴルフボールを1つはさんで、腰を左右に動かしながらコロコロと転がす(15秒)。

STEP2
特に痛みを感じる場所を探し、壁に体重をかけてゴルフボールを押し当て、グーッと圧をかけていく(左右5秒ずつ)。

【不調6 足の冷え】

 運動量が少なく、足の筋肉への刺激がないと、筋肉がこわばり、血流やリンパの流れが悪くなる。とりわけ太ももは大きな筋肉と太い血管が通っているので、太もものケアが必須。

●太ももにある「大腿四頭筋」の前側、ここをほぐす!

《POINT》
「太い血管が流れている場所なので、滞っていると足だけでなく、全身の冷えや腰痛、下半身のむくみにもつながります」

《POINT》「太い血管が流れている場所なので、滞っていると足だけでなく、全身の冷えや腰痛、下半身のむくみにもつながります」

STEP1
ゴルフボールを左右の前ももに軽く押し当てながらコロコロと転がす(15秒)。

STEP2
特に痛みを感じる場所を探し、ゴルフボールを押し当て、グーッと圧をかけていく(左右5秒ずつ)。

【不調7 足のむくみ】

 運度不足などから、筋肉が硬くなり、血液やリンパ液を流すポンプ機能が衰えるとむくみとなって表れる。筋肉をほぐすことで、滞った流れをスムーズに。

●ふくらはぎの裏側にある「ヒラメ筋」、ここををほぐす!

《POINT》
「ふくらはぎをほぐすと、全身が温まってきますよ。またむくんでいるからと水分をとらないのは逆効果。血液がドロドロになりより血行不良に。水分はこまめにとって」

《POINT》「ふくらはぎをほぐすと、全身が温まってきますよ。またむくんでいるからと水分をとらないのは逆効果。血液がドロドロになりより血行不良に。水分はこまめにとって」

STEP1
特ゴルフボールをふくらはぎに軽く押し当てながら、コロコロと転がす(左右10秒ずつ)。

STEP2
特に痛みを感じる場所を探し、ゴルフボールを押し当て、グーッと圧をかけていく(左右5秒ずつ)。

【こんな人はケアを控えて】

「慢性的なこりではなく、寝違えやぎっくり腰といった急性の痛みがある場合は、このゴルフボールのこりほぐしはNG。筋肉を痛めて余計に悪化させてしまう可能性があります。また早く改善させようと、力任せにゴルフボールを押し当てるのもNG。筋肉の繊維がこわれて、炎症を起こしてしまう可能性が。力加減は、“イタ気持ちいい”を目安にして行ってください」

(取材/樫野早苗)

《PROFILE》
GENRYU ◎綜合整体GENRYU院長。理学療法士。身体の表面から深部までの癒着やねじれを根本から取り除く独自メソッドは近著『YouTuber整体師GENRYUの はがトレ「皮膚はがし」で痛み・コリ・たるみ、ぜ〜んぶ解消!』で紹介。https://www.youtube.com/channel/UCzHIFpC_Sx4enbniPNW2idg