「滝沢副社長が背水の陣を敷いたなと思いましたね。世間の受け止め方は、年齢制限を設けたことはいいことだ、とおおむね好意的ですが、滝沢副社長が自分自身に縛りをかけた一面もあります」(スポーツ紙芸能記者)
滝沢秀明副社長が育成に心血を注ぐジャニーズJr.に、新しい制度が導入される。
先ごろ公式サイトで発表された新ルール。
「満22歳到達後の最初の3月31日までに、ジャニーズJr.としての活動継続についてジャニーズ事務所との合意に至らない場合は、ジャニーズJr.の活動としては同日をもちまして終了とさせていただくことといたします」
メディアは「22歳定年制」「年齢制限制」などと、アイドルとして足きりされる制度、ととらえた。
滝沢秀明副社長が自分自身に課した試練とは
「ストレートで進学した場合、大学を出るのが22歳。その段階でジャニーズJr.に人生の選択を迫るというもので、Jr.にさらなる上昇意識、目的意識を植え付けようという狙いもあるようです。4月生まれの人には約1年の猶予がありますが、早生まれの人はかわいそうですね」
と前出・スポーツ紙芸能記者は話すが、一方で
「滝沢副社長が、自分自身に試練を課したのです」
と指摘する。理由はこうだ。
「Jr.のスキルを自分自身の目で確かめ、チョイスし、グループを作る。ソロとしてもスキルが高く、グループになれば化学反応を起こし全体として輝くのがジャニーズアイドル。ジャニー(喜多川)さんが軽々とやってきた役目を、滝沢副社長が継承していますが、22歳までと制限したことで、滝沢副社長はそれまでに逸材を探し出さなければならなくなる。発奮を促されたJr.も必死ですが、滝沢副社長も必死なのです」(前出・スポーツ紙記者)
東西で約200人のジャニーズJr.が、連日レッスンで汗を流している。先輩ジャニーズの舞台を支えるバックダンサーなどとして出演し場数を踏めるメンバーもいるが、最終的にメジャーデビューできる逸材はひと握りにすぎない。
高校生プロ、藤井聡太2冠(18、棋聖・王位)が活躍する将棋界には、厳しい年齢制限がある。満21歳までに初段になり、さらに満26歳の誕生日を迎える三段リーグ終了までに四段に昇進できなければ退会となってしまい、プロ棋士の目はなくなる(ただし最後にあたる三段リーグで勝ち越せば、次回のリーグに参加可能。以下、同じ条件で在籍を延長できるが、満29歳のリーグ終了時で退会)。
将棋のように勝ち負けがつけにくい芸能のスキル。それを見極めるのは、滝沢副社長の目、手腕にかかってくる。
「今回の決定で、Jr.の生き方も変わると思う。必死でレッスンに身を入れる人も増えるでしょう。語学習得に力を入れたり、大学進学を考えたり、退所後の人生も含めて人生設計をしなければならない。親も、芸能界以外の生き方を勧めるかもしれない。ジャニーズという乳母日傘がなくなるわけですからね」(情報番組デスク)
原石を見極める時間を短くしたことが、滝沢副社長に吉と出るか凶とでるのか。ふぉ~ゆ~(現在、全員34歳の4人組グループ)のような遅咲きアイドルが誕生しなくなるのは残念だが。
〈取材・文/薮入うらら〉