マツコ・デラックス

 東京で2度目の緊急事態宣言が発令される中、芸能界でもコロナ感染が拡大している。

「マツコ・デラックスさんが所属する芸能事務所『ナチュラルエイト』では、お笑いコンビ・エイトブリッジの2人が新型コロナウイルスに感染。芸人同士で濃厚接触者となっていないか心配ですね……」(芸能プロ関係者)

 マツコの仕事にも影響が出始めている。

一般人に迷惑をかけたくない

「マツコさんはレギュラー番組を7本持っています。その中で、単独でMCを務める『マツコの知らない世界』と『夜の巷を徘徊する』は年明けから収録を取りやめていますね」(テレビ誌ライター)

 事務所内から感染者が出たからには警戒せざるをえない。

「万が一を考えての苦渋の決断でしょう。どちらの番組も2、3回分のストックはあるようですが、切れてしまったら総集編を放送するそうです」(制作会社スタッフ)

 現状では、どちらの番組も収録を続けるには大きなリスクが伴うのだ。

「『知らない世界』は毎回ゲストをスタジオに呼び、マニアックな世界をマツコに教える、という形式。ゲストは一般人がほとんどで、遠方に住んでいる人もいます。今は県をまたいだ移動は自粛要請されていますし、テレビ局内は常に不特定多数の人との接触機会が多いので、一般人を呼ぶことはできませんよ」(同・制作会社スタッフ)

『夜の巷』は番組名のとおり、夜の街をマツコが歩きながらロケをするというもの。

「マツコさんのアイデアによる企画ですが、夜の街を歩くなんて今は無理。ロケをやめてスタジオ収録に変更されたので、番組名を『夜の巷を徘徊しない』に変えました」(同・制作会社スタッフ)

『マツコ会議』は、これまでどおり収録を続けている。

「“コロナ耐性”が強い番組スタイルなんですよ。企画会議を行うというコンセプトで、話題の場所と中継をつないでインタビューをする形で収録します。出演者は一般人が多いのですが、マツコさんとはモニター越しの会話。マツコさんも安心して収録に臨めているんでしょう」(テレビ局関係者)

 一般人とからむことが多いマツコは、毒舌を吐きながらも“気遣い”を忘れない。

「関ジャニ∞の村上信五さんと2人でMCを務める『月曜から夜ふかし』にも、一般の人が多く出演します。彼らのおかげで番組が成立していることを、マツコさんはよく理解していますね。マツコさんの司会の力はもちろん大きいのですが、番組に登場した一般人たちが注目を集めることで看板番組に成長しました。

 だからこそ、この状況では一般人に迷惑をかけたくないという思いが強い。それで、冠番組の収録を取りやめることを制作陣に進言したのでしょう」(スポーツ紙記者)

 昨年4月の緊急事態宣言でも、マツコの行動は一貫していた。

「4月から5月の間、マツコさんは自宅から一歩も出ず、テレビ番組はリモート出演のみというスタイルを徹底しました。10数年ぶりに自分の時間ができたマツコさんは、いろいろと考え、悩んだみたいですね。

 その後、出演した番組では、“山を買いたい”“農業をやりたい”“猫を飼いたい”などと話し、新たな生活を模索しているかのようでした」(前出・テレビ誌ライター)

 昨年9月には10年間出演した『ホンマでっか!?TV』を突如、卒業。その後もネガティブな発言が続き“芸能界引退の準備か”と騒がれていた10月、マツコは週刊女性にこう語っていた。

アタシも次の人生を考えるときに、このままだと身動きがとれないからね。だから(番組を)降りられるものから降りようとしていますよ

美談なら載せるな

 テレビはたまたま成功しただけだと語っていたが、現状をどう考えているのか。そして、番組の収録を中止していることは事実なのか。再びマツコに聞いた。

ーーレギュラー番組の収録を取りやめているそうですが?

「勝手に書いていいからって何度も言ってるでしょ! あなたに恨みがあるわけではありませんが、あなたみたいな人たちが多いのでやめたくなります。そう書いておいてください!」

ーー協力してくれる一般人のコロナ感染を防ぐために、マツコさんが収録ストップを提案したと聞いています。

「あのね……。悪い話なら面白おかしく書いてください。美談なら載せないでください。一般の方にご出演いただく収録をやめているのは、この状況下では当然のことなので、美談でも何でもありません。むしろ、テレビ局やスポンサーさんにはご迷惑をおかけしています。

 とにかく、美談に乗っかるようなことはしませんので、お答えすることは何もないです。申し訳ありませんね! おやすみなさい」

 美談になることは、マツコ哲学に反することらしい。

 収録中止について、所属事務所にも問い合わせてみると、

「緊急事態宣言が出た時点で、『知らない世界』は収録をやめました。宣言前に一般の方を呼ぶときは、マツコも“電車に乗らないようにタクシーで来ていただいて”とか“地方の方にはいいホテルに泊まっていただくように、謝礼を多くして”とか、常に気にしていました。解除されるまで収録はしません。

『夜の巷』に関しては、身近なスタッフにコロナ感染者が出たんです。マツコは濃厚接触者なのかどうかわからなかったので、保健所からの指示を待って、先週と今週は収録をやめたんです。その間にPCR検査をした限りでは陰性でしたので、安心しました

 エイトブリッジのコロナ感染も、きっかけのひとつなのだろうか。

「彼らとマツコは会っていませんから、それは関係ありませんよ。『夜の巷』は、来週から収録を始めます。マツコは外に行きませんので“徘徊する”にはなりません。身体が大きいから目立つし、一般の方がたくさん寄ってきてしまうんですよ。リモートにするか、スタジオ収録にするかも含めて話し合っているところです」(所属事務所)

 早くマツコが心置きなく徘徊できる日常が戻ってきてほしいものだ……。