大阪発の”おばちゃんタイフーン”が今、日本を席巻(せっけん)中!
17歳で吉本興業に入り、新喜劇で30年の経歴を持つ大ベテラン女優、島田珠代(50)。『相席食堂』(テレビ朝日系)で千鳥が絶賛、放送後TwitterなどのSNSでもトレンド入りした彼女のギャグ「パンティーテックス」「おばちゃんダンス」。止まらないギャグとキレッキレの声と動きに、多くの人が元気をもらった! その”再ブレイク”をきっかけに『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)など、メジャー番組にいま引っ張りだこに。
何かと憂鬱(ゆううつ)なことが続くこの時代……。50歳を越えてなお若々しく、お笑いの最前線にいる珠代姉さんに、元気をもらいに直撃しました!
珠代姉さんに直撃!
「珠代! パンティーテックス!」
前述したとおり、このギャグはSNSでバズり、声をサンプリングした作品や、老若男女がまねして踊る動画が次々とアップされた。日本に”テックス旋風”が吹き荒れる中、台風の目である彼女は驚くほど自然体だ。
「最近『すごいですね』って言われるんですが、私自身はブレイクしている感覚がないんです。そんな”すごいですねシャワー”を浴びてしまったら、今までみなさんにお届けしていたパンティーテックスじゃなくなってしまうような気がして……。
“パンティーテックス”は芸人・島田珠代じゃなくて、人間・島田珠代に前からあったものなんです。小さいころから『珠代! ごはんだテックス!』と口癖のように口ずさんでいたメロディーで。その程度のものやから、みんな笑わへんやろうなって思ってました。新喜劇だったら、ちゃんと笑いを取る方程式でいかないとお客さんが笑ってくれないんですけど、『パンティーテックス』は飾ってないというか、私の『髄』にあったものなんです。むしろここまで新喜劇外でもウケてくれて、びっくりやら、うれしいやらですね」
空想の世界に浸ることが好きで、ネタはそこから自然発生的に生まれるという。
「子どものころは寝る前に、お布団の上を『誰にも邪魔されない私だけの土地』にして、ここにディズニーランドがあって、ここに大好きなうどん屋さんがあって……って配置したり、私特製のおうどんを想像して、つるつるつる~って食べたりしていました。今でもそういうふうに想像をふくらませてネタを考えています」
下ネタすら上品に、譲らない全力姿勢
吉本新喜劇で、島田がほかの団員に追随を許さない点といえば、「壁にぶつけられるまでギャグを止めない」ところだ。若手はもちろん、ベテラン芸人でもしばしば困惑するほどギャグを放出し続ける。
「ずっと……やっちゃいますね。笑い声というご褒美をいただくと、ますます拍車がかかってしまいます。若手の後輩くんが困ってるのを見るのもすごく気持ちいい。でも新喜劇って一定の時間をみんなで分け合うんで、ぶつけてもらうことでわれに返ることができて、スパッと終わらせてるんですよね」
舞台の上では共演男性に恋心を抱き、相手の股間からアロマやマイナスイオンを感じたり、恋敵の女優とダンスバトルを繰り広げることも。
「そのときだけ、いつも『本当に相手を好きになる』。それだけです。本当に好きだと、女性は男性にこうなるんだって。尽くして……愛して……。私の恋愛観も入ってますけど(笑)」
「パンティーテックス」はもちろん「ボインボインボイ~ン」や「珠代のおっぱいチョモランマ」など、胸や股間を使った下ネタ寄りのギャグも多く持つ彼女だが、不思議とお茶の間OKなのはなぜ?
「単純に下ネタを連呼すればいいものじゃない。また、どこかに照れがあったり、やらされてる感があると、お客さんって笑わないんですよ。下ネタをいかに可愛く、上品に、共感を持ってもらえるかが大事なんじゃないかな、と」
時折、新喜劇の客席の最後列で観劇し、役者の表情や動きがどこまで見えるかを確認したり、お客の反応を見ているという。下ネタのさじ加減も努力の賜物(たまもの)なのだ。
珠代姉さんの「恋愛事情」
50歳を越えてもエネルギッシュで若々しく、海外では女性虐待を心配されるほど激しい”壁バーン”を、大きなケガもなく数十年と続けている珠代姉さん。さぞやジム通いなどで肉体管理にいそしんでいるのでは……と思いきや、特別なことは一切しておらず、身体を動かすのは舞台上くらいだという。
「実は一回だけ捻挫(ねんざ)をしたことがあります。一回転して壁にぶつけてもらうときに、一回転半回させた人がいて(笑)。柔軟性と足首のふんばりには自信があったんですけど……」
柔軟性の源だというのが、大好物だという「お酢」。楽屋にもマイボトルを持ち込むほどだとか。
「穀物酢が小さいころから本当に大好きです。なんにでも酢をかけて食べたいタイプで。お茶漬けならぬ“お酢漬け”もやります。お酢って疲労回復にいい成分が含まれているというし、いつも酢を摂ってたおかげで、壁にぶつけられても大きなケガとかしなかったんやないかなと思います」
舞台とお酢と同じく、ないと生きられないもの、それが「恋愛」。実は今も熱愛中なのだとか。
「いま好きな人は3つほど上の一般の方です。よく行く飲み屋さんで知り合ったんですけど、カウンターの端っこにその人がいて、混んでたんでつめて……つめて……つめて……お客さんが来るたびにつめていったら、その人の隣になって、それでお話して、気が合って……」
新喜劇のワンシーンを想起させるようなドラマティックな出会いから、お付き合いはもう4年続いているという。「ゴールイン」も時間の問題?
「ん~、私ももう2回ほど離婚してるし~、相手の方の年齢も年齢なんで、結婚とかは急いでは考えずに、いまはお互いを高め合えるように……(笑)」
落ち着いた大人同士の恋、うらやましい……。
「外にはホンマにウソみたいな出会いが待っているものです。私自身もまだ信じられないくらいです。今はさすがに難しいですけど、出会いが欲しいという人は、コロナがおさまってから、積極的に出歩いてみてください!」
現役真っ盛り。50歳を越えてますます勢いを増していく珠代姉さん。
「年取ると見た目も残念になっていくし、それと向き合うときがいちばんしんどいと思うんです。でも私は目をつむって、シワとかたるんだお腹とかの今の自分の外見を全部とっぱらっう。そして自分の魂は可愛くてみんなに愛されるフワッフワのぬいぐるみちゃんみたいなんだとイメージをするんです。そんな”魂磨き”をしていると、外見とは違う内面の自分の美しさに、周りが気づいてくれるはずですよ」
すべては「心構え」ひとつ。それが珠代流。
「『私なんて……』って思ってるみなさんは、この記事を読んだ瞬間に『年をとらない』と決めてください。私は33歳くらいから止めてます。思えばホンマに止まります。面倒なことって自分を好きになるための戦いです。髪を染めたりとかホンマしんどいけど、大切な自分をもっと好きになるために、戦いましょう!」
悲しいとき苦しいときは「パンティーテックス!」と大声を出すのもおすすめ。さあ、珠代姉さんにあやかって、今日から年齢を止めましょう!
いま、吉本イチいい女と評判の
島田珠代に聞きたい10の質問
●好きな男性のタイプは?
「王子様っぽい、凛とした上品な人が好きです。大阪人より東京の方のほうがタイプ。“でんがなまんがな”の人はもうイヤなんです(笑)」
●現在のライバルは?
「最大のライバルはお客様です。顔は笑っても声が出ていないお客様には、声出して笑ってもらえるまでがんばります」
●自分の身体で自信のあるところは?
「やはり……おっぱいですね。芸人としては、トータルで4等身くらいな感じがよかったんやと思います」
●実践している美容法・健康法は?
「舞台の上で表情をいろいろ作らなきゃいけないので、顔をものすごく大胆に普段から動かしています」
●最近、身体の変化で悩みはある?
「昔よりもすごくやきもちを焼くようになりました。好きな方に対しても“もう、いつもより帰ってくるのが遅かった~!いつもなら5分なのに8分かかってる~”みたいに不満を言っちゃうというか。もしかしたら50歳あたりから来る……年齢特有のやつかな?と思ってネットで調べたら“嫉妬に効く漢方”っていうのがあったんで、それを服用したらなんとなく収まってきました」
●舞台で演じてる際に意識していることは?
「劇場で、2階席の後ろの方まで、すべての人に声が届くように……。芸人が一生懸命やるっていうのもかっこ悪いんですけど、でもまず一生懸命やるっていうことを心がけています」
●共演男性たちをどう見ている?
「自分のためのステップ」
●ファッション・スタイルに対するこだわりは?
「膝下が短いので、ショートパンツとか膝上のスカートを履くようにしてます。恋愛がうまくいっているときは服をよく買いますね。2年着てない服は処分します」
●素の自分でいられる瞬間は?
「おうちでひとりで、aikoさんのライブのDVDとかを観ながら、ちょっとしたお刺身と、缶チューハイを2本だけ飲むって決めているんです。……500mlを2本です。至福のときですね」
●恋とはあなたにとって人生のスパイス?メインディッシュ?
「メインディッシュです。恋とか人を愛することは、私にとって食べることや息をすることと一緒で……恋すること、愛することでいくらでも立ち上がれる。なんだか自分でも怖いですね」
(取材・文/高松孟晋)