「何か僕に伝えられることがあれば答えていくので、気軽に聞いてください」
2月6日、田中将大が沖縄県内で行われている楽天の1軍キャンプに合流。首脳陣やナインに挨拶し、拍手で迎えられた。
大リーグでも華々しい活躍を見せた彼の国内復帰は、球界を超えて大きな話題に。
「“マー君”の愛称で親しまれましたが、今やそんな呼び方が似合わないほどのスーパースターになりました。高校野球で活躍して'07年に楽天イーグルスへ入団。野村克也さん、星野仙一さんという大監督に教えを受け、'13年には24勝0敗の大記録を樹立してチーム初の日本一に貢献。翌年には大リーグの名門球団ニューヨーク・ヤンキースに移籍し、旋風を巻き起こしました。プライベートでは'12年にタレントの里田まいさんと結婚し、2児を授かっています」(スポーツ紙記者)
仙台のファンたちは今
フリーエージェント権を取得した田中が選んだのは、古巣の楽天だった。球団の本拠地・仙台はエースの復帰を大歓迎。ファンが集まるおでん店『三吉』の店主・田村浩章さんも、彼にエールを送る。
「東北に勇気を与えてくれる決断だし、お金じゃないんだなって気概を感じますね。マー君は記者さんとうちに来てくれたこともありますし、里田さんもマー君のご両親と来てくれました。“田中です”と普通に電話してきて、お店に来たときにはびっくりしましたよ。また楽天で活躍して、東北を盛り上げてくれたら」
彼が足しげく通っていたラーメン店『徳島ラーメン人生』の店長・宮本仁子さんもうれしそう。
「メジャーに行った後も、一時帰国の際には立ち寄ってくれました。いつもふらっと来て、飾らない様子ですよ。奥さんと2人で来たときも全く気取らず自然体。いつもニコニコ明るくて、食後には気持ちよく“ごちそうさま!”と言って帰られます。お店ではスタッフから余計な声をかけないようにしているんですが、今度来てくれたときには心の中で“ありがとう、お帰りなさい”って言いたいです」
'17年からは毎年、東日本大震災の被災地支援として、仙台市内の小学校を訪問していた。最初に訪れたのは仙台市立岡田小学校。現在6年生で少年野球のキャプテンを務める古川達夢くんは、2年生だった当時を振り返りながら、喜びを語ってくれた。
「マー君がプレゼントしてくれたTシャツを今でも練習着に使っています。開幕投手をやるところが見たいし、楽天で頑張って、エースとしてもう1度、球団を盛り上げてほしいです」
野村克也さんが放っていたボヤキ
1月30日に行われた入団会見では、「シーズン後には、日本一になりましたというご報告をすることができたら」と、今は亡き偉大な恩師への思いも口にしていた。
仙台駅の近くにある『鮨仙一』は、店主の山田定雄さんが星野監督の名前と“仙台で一番を目指す”という2つの意味から名づけた店。監督が楽天時代に通っていたという。
「店で野球の話をすることはほとんどなかったけど、やっぱりマー君は特別な存在だったと思いますよ。同じピッチャー出身だし、プレースタイルも“燃える男”という雰囲気で通ずるものがありますからね。星野さんには、“マー君が人間としても選手としても、大きくなって帰ってきましたよ”って伝えたいですね」
野村監督には、プロ入りから育ててもらった恩がある。
監督が愛した東京・市谷にある『鮨太鼓』の若女将・白石麻美さんは、彼一流のボヤキを覚えている。
「マー君が本当にかわいいからこそのボヤキ。メジャーに行くときも“あいつ行っちゃうんだよなあ……”なんて少し寂しそうにボソッと話していたことも。心配もしてたけど、“頑張ってくれるんじゃないかな”って日本から見守っていましたよ。あと1年早ければ……なんて考えちゃいますけど、きっと監督は天国で沙知代さんと一緒に喜んでると思います」
大リーグの球団からもオファーはあったという。田中が日本に戻ることを決めたのはなぜだったのか。
「楽天には新人時代に育ててもらって恩を感じており、ヤンキースに行ってからも毎年、オフには楽天の若手選手と日本で自主トレをして、後輩にトレーニング方法を伝授していたことも。球団に対する思いは強く、復帰先に決めたのは当然でしょう。震災からちょうど10年ということもあり、東北の人たちに恩返しがしたいという気持ちもあるようです」(前出・スポーツ紙記者)
日本のテレビ業界で里田まいは
もうひとつ大きな決め手となったのは、妻・里田まいの思いだ。
「アメリカの地方都市の球団から、年俸15億円程度の条件提示があったようですが、9億円の楽天を選んだのは家族のため。里田さんは子育ての環境を心配していました。ニューヨークは生活水準や教育水準が非常に高いのですが、地方に引っ越すとどうしてもその水準が下がります。
里田さんとお子さん2人がニューヨークに残るという選択もありましたが、新型コロナの感染拡大が著しいニューヨーク州よりも日本のほうがまだ安全ですからね。慣れ親しんだ仙台での、落ち着いた生活が優先順位としては高かったのでしょう」(同・スポーツ紙記者)
愛する妻と子の安全を考えた末の決断だったのだ。田中の復帰は日本のプロ野球界にとって朗報だが、ともに帰国した妻・里田が本格的に芸能活動を再開するのかといった点にも注目が集まる。
芸能ジャーナリストの佐々木博之氏に話を聞いてみると、
「超一流選手である夫の話、海外生活のエピソード、そして2人いる子どもの話と、トークの引き出しには困らないでしょうから、ひょっとすると“ママタレ界最強”になるかもしれませんね。入団会見のときには、着用していたワイシャツを丁寧にアイロンがけしていたことをSNSにアップし、献身的な姿に称賛の声が集まりました。
イメージ戦略が上手だし、思えばクイズ番組で活躍していたころから“彼女は決しておバカじゃない”と周囲でも評判でしたよ。家庭を最優先するでしょうから、拘束時間の短いCMや、週に1回のレギュラーコメンテーターといったところに落ち着くんじゃないでしょうか」
コラムニストのペリー荻野さんは、里田のキャラ変に注目している。
「かつては“おバカキャラ”として人気を博した彼女ですが、いまは『東大王』などで見られるようにインテリ路線がトレンド。里田さんはメジャーリーガーの妻として、そして2児の母としてもそうとうな経験を積んだでしょうから、今後はコメンテーターのような仕事にシフトしていくんじゃないでしょうか。“あの里田まいちゃんが!?”という昔のキャラからのギャップも、魅力だと思います」
元大リーガーの超一流野球選手と、知性を身につけた元“おバカキャラ”のママタレ。最強の夫婦がニッポンを明るくしてくれる!