「最初の印象としては、お恥ずかしい話ですが新しいお札の人くらいの認識で、詳しいことはあまり知らなかったんです。でも、今回演じさせていただくうえで調べていくうちに、多くの企業の立ち上げやいろんなことをやっている方なんだと知り、そこに至るまでの波瀾万丈な人生が、すごい面白いなと。一歩間違えたら死んでしまうような瞬間も経験しながら生き抜いた方で、調べれば調べるほどカッコいいなと思います」
血洗島村の豪農・渋沢中の家の長男として誕生。藍玉づくりの仕事の奥深さを知り、思わぬ商才を発揮していく主人公・渋沢栄一を演じる吉沢亮。大河は今回が初出演。「僕自身にとって挑戦的な役」と意気込む。
草なぎとの共演シーンでは
「より熱量も上がった」
「ここまで感情をそのまま表に出す裏表のない人物は演じたことがないので、演じていて新鮮だなと思います。最初のほうは難しいというか苦しかったなと思います。
栄一がどんな感じなのか、形としては何となく想像はつくんですけど、最初は芯の部分をあまりつかめていなかったので、うまく表現できなかった。そこは演出の方と会話を重ねながら何とか作っていった感じです。今までの僕では太刀打ちできないところがどうしてもあるので、いま新しい扉がバンバン開いていると思います」
物語は徳川慶喜(草なぎ剛)との出会いによって、栄一の運命が大きく展開。今後、共演が増えていくであろう草なぎも「吉沢くんとこれからすごい素敵なシーンがたくさん生まれるんじゃないかと思ってます」と期待を寄せた。
「草なぎさんとは最初の出会いのシーンと、つい先日すれ違うだけのシーンを撮っただけで、セリフのやりとりもまだそこまでないんです。でも、最初の出会いのシーンのときは、佇まいといいますか、草なぎさん自身の持っておられるオーラみたいなものが、ものすごくあって。
こちらが一方的に熱量をぶつけるシーンだったんですが、慶喜の存在感に負けられないと思って、より熱量も上がりましたし、すごくいいシーンになったという印象です。これからも楽しみです!」
『青天を衝け』見どころナビ
大河ドラマ60作目の主人公、新一万円札の顔としても注目を集めた渋沢栄一を吉沢亮が体当たりで熱演。約500の企業を育て、約600の社会公共事業に関わった“日本資本主義の父”の人生を描く。
物語は幕末から明治へと進み、栄一が生まれ育った武蔵国榛沢郡にある“血洗島村パート”(現在の埼玉県深谷市)と、“江戸パート”の2つの舞台を中心に序盤は展開。
「血洗島村パートでは豊かな自然あふれる景色の中、栄一を中心に家族や仲間の絆などが描かれます。一方、江戸パートは徳川慶喜を軸に、日本がどういう状態に置かれ、幕府が何に困り、どんな緊迫の政治劇が行われてきたかなど、当時の時代背景が描かれます。
そんな身分も住む場所も違う栄一と慶喜が運命の出会いを果たし、どう明治以降の偉業につながっていくのか。ぜひお楽しみください」(菓子浩制作統括)
激動の時代にまるで青天を衝くかのように、高い志を持って未来を切り開いた栄一。その波乱物語がいよいよ幕を開ける――。
初大河にびっくり!
「まずはセットが大きすぎるんです。血洗島のオープンセットなんですが、どこを見渡しても大河の土地なので、本当にのびのび贅沢な環境でお芝居させていただいているなと思います。
あと、ひとりの人生をここまで丁寧に描くのは大河ならではだと思いますし、1年間で凝縮して体験できるのは人間としても成長できる。すごくいい経験させてもらってます」(吉沢)
一体どうなる?先取りストーリー!
第1話「栄一、目覚める」
武蔵国血洗島村で養蚕と藍玉づくりを営む農家の長男に生まれた栄一(子ども時代・小林優仁)。おしゃべりで強情な性格ゆえ、いつも大人たちを困らせてばかり。そんなある日、罪人が藩の陣屋に送られてきたことを知った栄一は、近くに住むいとこたちと忍び込んでいくが……。
第2話(2月21日放送)「栄一、踊る」
父親の市郎右衛門(小林薫)から藍の商い、いとこの新五郎(田辺誠一)から読書を習い始めた栄一。でも、いちばん楽しみにしているのは村祭りで獅子舞を舞うことだったが、大人の事情で中止となってしまう。落ち込む栄一だが、ある驚きの計画を思いつき……。
第3話(2月28日放送)「栄一、仕事はじめ」
青年になった栄一(吉沢亮)は、市郎右衛門とともに初めて江戸へ。華やかな雰囲気に驚くとともに、父の姿に商売の難しさを知る。一方、江戸では将軍・家慶(吉幾三)が亡くなり、次期将軍候補に慶喜(草なぎ剛)の名前が挙がるも本人が反発。そんな慶喜の腹心の部下として、ある男に白羽の矢が立つ。
2月14日スタート
大河ドラマ『青天を衝け』
NHK総合 毎週日曜 夜8時〜ほか