西野亮廣

《オメーの会社の作品を売るために奔走してくれてるんだよ!》という、恫喝ともパワハラとも取れるようなLINEを深夜0時にマネージャーに送ったことで騒動となっている、お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣。

 現在、西野が自ら製作総指揮・脚本を務めた映画『えんとつ町のプペル』が公開されており、騒動は映画のプロモーションをめぐって起こった。

 西野曰く《連日走り回ってくださっている》外部スタッフへの吉本興業の担当者の対応が《ナメ腐っていた》ため、このようなメッセージを送り、西野本人・外部スタッフ・吉本担当者が参加するグループLINEの画像を、1月下旬にTwitterで公開したのだ。

「吉本スタッフの対応も褒められたものではないという意見もありましたが、深夜0時に仕事の連絡をしてくること、その表現、さらにはそれを世間に公開したことに、パワハラだという批判が殺到しています」(スポーツ紙記者)

 騒動は、連日走り回るという外部スタッフが、『プペル』の上映スケジュールについて吉本担当者にグループLINEで聞いたことで起こった。西野はこの外部スタッフを非常に評価しているようだが、いったい何者なのだろうか。

ほぼマネージャーのような存在で

西野さんと同年代の女性で、もともとは彼がMCを務めていた番組の制作スタッフだったTさんです。番組スタッフ時代から自身のFacebookで“西野さんはすごい!”という賞賛の投稿をたくさんしていましたし、仕事とは別に西野さんの活動をサポートしていました。テレビ制作の仕事を辞めてからは、彼の仕事を本格的に手伝うようになり、ほぼマネージャーのような存在になっています」(芸能プロ関係者)

 Tさんは、自身が執筆するサイトで“西野スタッフ”として、このような文章を綴っている。

《西野亮廣スタッフしているので数々の企業様から
「西野さんとコラボしたい」
「この商品の宣伝広告をお願いしたい」等の
ご相談を頂きますが、基本的には受けません。
#どんなタレントだよ
#普通はヨダレ垂らして受けるだろ
#会社の利益的には全部受けて頂きたいw

ちなみに『やりたくない』と言うよりは
『お金を貰って嘘を付きたくない』からです。

勿論、お話を聞いた上で世の中に広まった方が
良い商品や良いサービスに関しては、
そのオファーをお受けする事も有ります。

ただ、ここだけは、抑えといて頂いた上で
オファーをして頂く必要がある、いや、
むしろ、#西野亮廣を上手く使う方法 を
今日は特別に共有させて頂きます。

端的に申し上げますと…
#西野亮廣を起用するなら金は出して口は出すな
です》
(原文ママ)

 仕事において、お金を出すクライアントであれば、やり方に口を出すのは当然といえる。しかし、彼を使うためにはそれはできないのだという。彼女の文面からは、西野と二人三脚でビジネスをしている喜びや自負がヒシヒシと感じられる。

“信者”が“教祖”に

実際、仕事は早く行動力もすごいので、西野さんが常々言っているように非常に“デキる女”なのです。そのため彼は“できない吉本担当者”と比較し、今回のようなパワハラ騒動に至ったのでしょう。もっとも、西野さんの“晒し”行為は今に始まったわけではなく、何年も前から自分が関わる仕事の担当者や関係者が“できない”と、完全に名指しするわけではありませんが、批判するコメントをSNSに何度も何度も投稿してきましたからね」(広告代理店関係者)

 西野同様に自らも強い言葉を発信していたTさんだが、騒動後Twitterはフォロワー以外には非公開にし、前述の「金は出して口は出すな」などと綴っていたサイトでは記事を一部削除するなど、“逃げ”の姿勢を見せている。非公開にしたTwitterアカウントでは、フォロワーによる“返信”は見ることができるのだが、そこには彼女を応援するメッセージが多数寄せられている。そう、Tさんにも西野のように“ファン”がついているのだ。

「彼女もまたオンラインサロンをやっており、西野さんファンの方が多数サロンに入っています。おそらく、西野さんのサロンメンバーがTさんのサロンにも流れてきているのではないでしょうか」(同・広告代理店関係者)

 Tさんはこれまた西野と同様に、彼の大得意とするクラウドファンディングも利用している。西野は《新宿から帰りの電車賃が本当に欲しい》(電車賃がないからお金を募ったが、後に電車賃を持っていたことが発覚)というものや、リターン(クラウドファンディングの返礼)に《西野があなたを意識する権》(10,000円)などと実体のないようなものを設定して批判も受けているが、Tさんのクラウドファンディングも《御社の社員に赤の他人が喝を入れる権》(100,000円)などと“西野臭”が漂う。

要するに、西野さんという“教祖”に認められた“信者”が、今度は教祖になったみたいな感じですよね。西野さんにとっては“同士”なのかもしれませんが

 そう話すのは、西野のオンラインサロンメンバーだった男性。この男性がメンバー“だった”と過去形なのにはワケがある。

「西野さんのビジネスへの意識など、尊敬する部分が大きかったので入会したのですが、どうにもその雰囲気やファンの人たちのノリについていけなかったですね……」(元サロンメンバーの男性)

「スタンディングオベーションをしてほしい」

 サロンのメンバーは深く繋がることが多く、オフ会やメンバーの経営店舗で集まるなど個人同士での出会いが多い。そこでは西野に感化された男女が、それぞれの「夢」について語り合ったりするという。

なんというか“西野さんを大好きな人”以外を認めない雰囲気があるんですよね。もちろんサロンに入るくらいですから、みんな西野さんのことを好きだったり、尊敬しているとは思います。ただ、彼が語ったこと、逆に彼が否定したことに対し、少しでも賛同しないようなら、「出ていけ」というような反応をされるんです。“西野さん賛美”もしくは“西野さんが賛美したもの賛美”以外は認められないというか……。

 実際僕も仲よくなった人と飲みに行ったりしたこともありますが、西野さんとは少し違う考えを示したら、仲よくなったと思ったのに関係を断ってきた人もいます。そういうのがもう面倒で……。一方で、彼のクラウドファンディングで多額の出資をした人は、サロン内で面白がられたり、高い評価を受けることもあったり……。自分には合わないと思って脱会しました」(同・元サロンメンバーの男性)

 西野はこれまで常々、貯金ではなく「貯信」が大事だと語ってきた。大切なのはお金を貯めること(貯金)ではなく、“信用や信頼”を貯めること(貯信)だと。彼のクラウドファンディングに多額を投資した人は、その界隈で非常に信用されるようだが、西野の言う信用は、“貯金”から出す金で簡単に買えるものだったのだろうか。

 動員は100万人を越え、泣ける映画として何度も観に行く人が出るなど、大ヒットしているらしい『プペル』。スタンディングオベーションが巻き起こる劇場もある、ということなのだが……。

西野さんは公開前からファンに向けて、“スタンディングオベーションをしてほしい”という旨の発言をしていました。もちろん強制ではないと思いますが、西野さんのファンは従順ですからね。彼らが何度も観に行って、メンバー同士で“スタンディングオベーションしなくちゃ!”と示し合わせて、やっているんだと思いますよ」(同・元サロンメンバーの男性)

スタンディングオベーションは求めるものではなく、結果起こるもの。このような形で彼の夢である“ウォルト・ディズニー”超えはできるのだろうか……。