2月14日の前後にかけて、KinKi Kidsファンにとってうれしい「バレンタインデー」プレゼントが届いていたようだ。
「ジャニーズファミリークラブ会員の特典の一つでもあるFC会報が届けられました。変わらず、仲の良いキンキの写真や漫才のような掛け合いが掲載されていたようですね。そんな2人にほっこりしていたファンですが、翌日の“一報”はまさに天国から地獄の気分にさせられたのでは?」(アイドル誌編集者)
2月15日に『東京スポーツ』が配信した《堂本剛「6月ジャニーズ退所」情報》。なんでも、KinKi Kidsの堂本剛が『KANZAI BOYA』のリリース(2020年6月17日)から1年経つのを区切りとして、契約更新月である6月をもってジャニーズ事務所を退所するというものだった。スポーツ紙芸能デスクが解説する。
「紙面では一面のトップ記事扱いだけに『東スポ』さんとしても相当の自信があるネタということ。確かに、剛に限ってはあながち“ない”とも言えない経緯があります。2019年7月のジャニー喜多川さん他界以降、事務所を辞めるタレントが相次いでいますが、かねてより彼が“最後の退所者”とも囁かれているのです」
2019年に元関ジャニ∞の錦戸亮、2020年に中居正広、元NEWSの手越祐也、山下智久、元少年隊の錦織一清に植草克秀。そして今年3月末をもって退所する長瀬智也と、ジャニーズを牽引してきた“エース”たちが続々と事務所を後にした。
「“音楽活動を追及したい”と2018年をもって退所した元関ジャニの渋谷すばるもそうでしたが、彼らは以前から“独立”志向が強く、そしてジャニーさんの寵愛を受けてきたところもあります。剛もまた、2005年にソロプロジェクトを立ち上げて創作活動に没頭するようになり、当然ながらキンキとしての活動は減少したことで、以降はたびたび“解散説”が飛び交うようになった。
“宇宙一大好きだよ”と追悼コメントを出したようにジャニーさんを愛し、愛された剛。『KinKi Kids』に改名される前のグループ名であり、彼が作詞作曲を手掛けた『KANZAI BOYA』は、恩師へのリスペクトと惜別の意が込められているのかもしれません」(前出・スポーツ紙芸能デスク)
退所説の裏にソロプロジェクト
では、剛もまた報道通りにジャニーズに別れを告げるのであろうか。
裏付けるように、彼のソロプロジェクト名である『ENDRECHERI』を、本来ならばジャニーズ事務所が商標を所持するところが、2019年3月に堂本剛名義で登録が完了していることからも来る日のために“足場”を固めてきたように思える。
そして10月、ジャニーさんが亡くなって初めてファンのもとに届けられた会報には、《自分がやりたいことができる人生を歩んではこなかった》などと素直な気持ちを吐露していた剛。さらに12月2日発売の『AERA』12月9日号でも気になる発言をしていた。
《これからも、僕がジャニーズという場所に対し貢献できることがあるのであれば、貢献し続けたいと思っています。どういう形であれ、KinKi Kidsは、ずっと続けられたらいいなと思っている》
“キンキ”というグループは残して会社に権利と利益をもたらす一方で、自分はアーティストとして自分のやりたい音楽をやっていく、とも取れるようなどこか他人行儀な物言いではあった。芸能プロ関係者は「光一もまた悩んできた」と話す。
「1997年のデビューから今年で24年目、それこそ同時入所から30年、いつも隣で見守っていた光一は相方の気持ちが手にとるようにわかるでしょうし、また2017年に発症した突発性難聴のこともあって“意思を尊重しよう”という立場をとっているそうです。
しかしながら、光一はジャニーさんの思いを継いで、舞台というエンターテイメントを背負う使命がある。ならばグループ名を残して剛が退所、というのが2人にとって、会社にとっても1番の選択肢になるのかもしれません」
翌2020年、『KANZAI BOYA』が新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、当初予定されていた5月5日から約1か月遅れでリリースされ、同時に『ENDRECHERI』の新アルバムも発売。またソロとして9月、10月に初のライブ配信も行った剛。
キンキとしても通常のレギュラー番組に加えて、5月にはジャニーズによる社会貢献や支援活動を目的とした『Smile Up! Project』プロジェクトに参加。12月には4年ぶり、16作目のアルバム『O album』をリリースすると、この宣伝活動の一環として、12月22日発売の『週刊朝日』1月1日、8日合併号で2人は表紙を飾り、独占インタビューに応じたのだがーー。
僕が影響されることはない
インタビュアーから「ジャニーズ事務所のなかで新しい人生を選択する人も多い」と、退所者が続いている現状を聞かれた剛。彼の受け答えは以下の通り。
《無責任かもしれないけれど「そうか」ぐらいにしか受け止めていないです。その人の人生を第三者がどうこう言う次元の話ではないですし、僕が影響されることはない》
彼ら“退所組”を静観しているといい、なおかつ“つられて出ていくことはない”とまるで“残留宣言”のようだった。続けて、
《自分には自分にしかない人生がある。出会った人たちとこれから出会う人たちとの一回限りの人生をいかに優しく、強く生きていくかだけです》
どこか吹っ切れたような、迷いから解放されたようにも思えた剛だった。レコード会社幹部は「ジャニーさんという“人生の一部”が欠けて、確かに進退を悩み心揺れていたのかもしれません」として、
「ですが、2020年に状況は大きく変わりました。新型コロナで世間は自粛ムードが高まり、コンサートをはじめとしたエンターテイメントの存在意義までもが問われ始めました。彼もまた、自粛生活を送る中で改めて冷静になって物事を考えてきたのかもしれません。
そんな最中でも支えてくれる、彼の、キンキの、ジャニーズのファンがいること、今まで音楽活動が当然のようにできる環境が整えられていたことをありがたく感じたのでしょう。そもそも、彼のソロプロジェクトは“もっと自分の音楽を表現したい”と悩んでいた時に、ジャニーさんが“自己プロデュースやっちゃいなよ”と、キンキの活動と並行できるようにと勧めたもの。ジャニーズという“母体”があってこそですよ」
新アルバム内の楽曲の一つに『新しい時代』という楽曲がある。これは剛自ら作詞を申し出た作品だという。
《新しい時代が始まる このいまが寂しい でも孤独を越えて また会えるその日へ 抱き合えるその日へ 繋げよう 僕らのいま》
キンキに再び会える日を待つファン、また天国のジャニーさんに向けた歌詞だろうか。