「紀香と愛之助の結婚式、引き出物が“水素生成器”らしいよ。家紋つきオーダーメイドで10万円もするんだってさ」
2016年9月に式を挙げた片岡愛之助と藤原紀香。当時、話題になった生成器をまさか令和になって思い出すとは思わなかった。というのも、今、その引き出物が『ネットオークション』に出品されているのだ──。
《色が松の葉のグリーンで、家紋の追いかけ五枚銀杏(いちょう)が入っている事から、藤原紀香&片岡愛之助の結婚式の引き出物に配られた物と推測されます。たいへんレアな商品でございます》
オークションサイトの概要欄でそのように説明する出品者は、きっと式の出席者ではないのだろう。どら焼きのような形状の機器には、『malloon』というメーカー名がプリントされている。それと同じ面に、向かいあうようにして印された『松嶋屋』の家紋。それが収められているのは電子機器に似つかわしくない、いかにも上質そうな木箱だ──。例の引き出物をはじめて見て“これが結婚か”と感じ入る。違いを受け入れながら共生する決意をここまで視覚で訴えてくる物体、ほかにないだろう。
“紀香と水素”の今
紀香のブログに「水素」が初めて登場したのは2014年10月15日。「ドクターにいただいた、水素カプセル」を飲んだことを報告した(『J-castニュース』)ことから始まったという。
そこから「水素は人間を救う」なる熱狂的スローガンとともに、あらゆる生活シーンに水素をとりいれ、芸能界における水素の第一人者となっていった。しかし、2016年12月に国民生活センターがその健康効果について“根拠なし”とし、一部業者に宣伝文句の改善を要望したことからブームは一気に鎮火。
この影響があったのかは定かではないが、ブログやテレビで紀香が水素に触れる頻度は見るからに少なくなった。今度はブログで「酸素水を愛飲している」と宣言したり、それを鉱石が入ったボトルに入れて『宝石水』と謳(うた)うように。新たな“水を得た紀香”を前に、次第にマスコミの水素イジリも減少、人々の記憶から“紀香と水素”の結びつきは忘れられるようになった。引き出物がオークションに出されるほど時が流れた今、その関係はどうなっているのだろうか──。
結論から述べると、彼女は現在も水素を使っている。というか、むしろその傾倒ぶりはパワーアップしているとさえいってもいい。
確認できた限り、彼女が久しぶりにメディアで水素について語ったのが『女性自身』(2020年7月14日号)のインタビューだ。おそらくこれが最新情報なのではないだろうか。以下に引用したい。
《“水素”ももちろん続けていますよ。水素カプセルを飲んだり、その場で水素水を作る機器を使って野菜を洗い農薬などをとれやすくしたり、お風呂で発生させたり。夜は大黒摩季さんから紹介されたマシンで高濃度の水素を吸いながら就寝しているので、かなりぐっすり休めますね。いいと思ったものを続けながら、形を変えて取り入れています》
店員への態度で炎上も
マイブームは水素水から水素吸いに移ろっていたのである。どんなマシンなのか知りたく、《水素を吸いながら酸素カプセルに入っている》(2019年2月2日)ときのブログ記事を見つけたが、肝心の画像が“顔のドアップ”過ぎて、水素を吸引するホース(シーシャに似ている)の先端部分しか確認できない。吸いながら眠れるとはとても思えないのだが、どうなのか。
また、同記事では《水素酸素浴という欲張りな画期的なものができたので愛用中(原文ママ)》とも綴っている。凄まじく気になるが、商品名や機器のビジュアルを明かさないことからして、この“水素愛”は以前までと違い「PRでない」ということがわかる。ガチなのだ。
そして、見逃せないのがインタビューで水素マシンは「大黒摩季さんから紹介された」としていることである。気になって「大黒摩季 水素」でネット検索してみると、彼女のスタッフが書いているブログ『大黒組』がヒット。2009年5月に公開されたそのページでは水素水を宣伝する記事が掲載されていた。
《このTourを支えてくれている摩季さんのお気に入り商品をご紹介しちゃいます!!
これは高濃度水素水という飲み物で、疲れにくくなったり病気にかかりにくくなるらしいです》
2007年に紀香が最初の夫・陣内智則との結婚式で配った引き出物は『ペアのバカラグラスと紀香の出身地兵庫県の特産物である松茸こんぶ』と報じられており、水素の「す」の字もなかった。そして、紀香と大黒摩季といえば、古くからの親友で、愛之助との結婚式ではオリジナルソングを作って熱唱した(と、『ら・ら・ら』も)ほどの間柄だ。時系列的に、紀香に水素を教え込んだのは大黒なのだろうか……? もう何年も、大黒が水素にハマっているという情報はほぼ公になっていないが、インタビューで名前を出して大丈夫だったのか。
そんな紀香は2021年現在、プチ炎上中である。2月12日に放送された『ダウンタウンなう』でとあるエピソードを披露したからだ。要約するとこんな感じ。
飲食店で店員に「こちらにどうぞ」と席に通されても、「アハハッ」と笑って無視して、好きな場所に座ってしまうという紀香。いわく、「(周りの客に)気づかれたほうがお店に迷惑だから、背を向けられる席が安心する」とのこと。入店した瞬間、店舗の空間を把握し、「あそこや! というところに向かっていく」のだという。
ネットではさまざまな怒りの声があがっているが、もしかすると紀香は「普通の水飲んでるじゃん」とバレたくないのではないだろうか。店員を無視するって、あまりに切羽詰まりすぎている。
さまざまな美容を取り入れ過ぎたカリスマは、そのことに囚われすぎて日常生活が困難な域に入ったようにみえる。少し喫茶店でお茶をするだけでも“藤原紀香”であり続けなければならないということか。ブログによれば最近のオススメは「深海ザメのオイルが練り込んであるタオル」「発酵食品」「ケール」など、らしい。結局、キレイの秘訣(けつ)はどれなんだ。
オークションに出された引き出物はまだ落札されていない。即決価格99000円。私には買えない。誰が買うのか見守るしかない。
〈皿乃まる美・コラムニスト〉