「子どもが歩き始めたので、スニーカーを履かせて一緒に歩きました。(親子の)お揃いがいっぱい売っているので、思わず買っちゃいますね」
2月22日に『スニーカーベストドレッサー賞 2021』授賞式に出席した前田敦子。夫の勝地涼と離婚秒読みともされるなかでの登場に、多くの報道陣が彼女の発言に注目したのだが騒動には触れずじまい。
すると、直後に速報を打ったネットニュースでは、
《前田敦子 離婚競技報道後初の公の場 長男とお揃いスニーカー「買っちゃう」…指輪はなし》(デイリースポーツ)
《前田敦子が離婚協議報道以来初の公の場、指輪なし》(日刊スポーツ)
《前田敦子、結婚指輪なし…スニーカーベストドレッサー賞》(スポーツ報知)
と、こぞって前田の左手薬指に「結婚指輪をつけていなかった」ことを強調するタイトルが踊ったのだ。
「前田さんと同じパターンとして記憶に新しいのが、唐田えりかと東出昌大の不倫報道の約1か月後に公の場に登場した杏さん。やはり離婚に興味が向けられていただけに、“左手薬指に指輪なし”などと書きたてられました。“夫婦の証”を外しているのは、つまりは“そういうこと”と印象付けられます」(ワイドショー・ディレクター)
一つの夫婦の証ではある結婚指輪。が、意外にも「指輪をつけない夫婦」は思いのほか少なくはないようだ。
結婚情報サイト『マイナビウェディング』が既婚男性100人、既婚女性100人を対象にウェブ調査(2017年1月実施)をしたところ、結婚指輪を「毎日つけている」男性は全体の30%にとどまり、一方で60%が「つけていない」と回答している。同様に女性は「毎日つけている」は42.5%で、「つけてない」は36.8%としている。
同じく『ゼクシィ』は20代〜30代の既婚者男女200人を対象に同様の調査(2020年7月)を行い、「毎日つけている」男性は45.6%に対し、27.3%が「全くつけていない」。「基本外しているが、時々つける」を合わせると“つけない派”の合計は36%になる。女性は前者が52.4%で後者が18.5%で、“つけない派”の合計は36.9%と男性を上回る結果に。若い世代の既婚者でさえも、男女共に3人に1人が指輪をつけていない現状があるのだ。
木村拓哉の“結婚指輪”事情
そして「結婚指輪をつけない理由」として、男女総合の1位が「もともとアクセサリーを身につけるのが好きじゃない」で、続いて「仕事柄指輪をつけることができない」が2位にランクイン。特に芸能人という特殊な仕事ならば「つけられるシチュエーションの方が少ない」とはスタイリスト。
「もちろん俳優さんは撮影時につけるわけにいきませんし、モデルさんも同様に外して現場入りする方が多いですね。また、異性ファンに気を使って指輪をつけないアイドルもいます。工夫しているのが木村拓哉さん。工藤静香さんがデザインしたドクロのジュエリーリングを結婚指輪代わりに左手薬指につけて仕事に臨んでいました。
前田さんも女優さんという仕事柄、もともと外すことも多かったようですが、撮影以外の映画の完成披露イベントなどではつけていましたよ。イベント色の強いドレッサー賞で外していたのなら、やはり離婚騒動も関係しているのかも(苦笑)」
それでも、わざわざ「指輪なし」と強調される背景に、「それが芸能マスコミの“性(サガ)”なんです」とは芸能ジャーナリストの佐々木博之氏。
「今はコロナの影響で囲み(取材)ができませんが、大抵は主催者側から“関係ない質問はご遠慮ください”と事前通達されることが多く、特に離婚や破局、交際が報じられた渦中の人が登場する際は徹底的にガードしますね。それでも何とかひと言を聞き出そうと、退場の際に“どうなんですか!?”と声がかけられるシーンをワイドショーや情報番組で見たことがあるのではないでしょうか」
たしかに、イベント主旨と関係ない質問がされて、スタッフが鬼の形相で取材会を強制的に打ち切る場面をたまに目にする。2015年に離婚問題が取り沙汰された、米倉涼子の場合はさらに強烈だった。イベントに登場するたびに報道陣から質問が飛び交うも、毎回会場内のBGMが大音量になって声がかき消されるという異様な事態に。
「それでも何とか騒動に関する情報を引き出して、“大衆が少しでも興味を引く、読みたくなる記事を書かなくてはならない”のです。したがって前田さんに以前と変化はないかと探しあてたのが、夫婦の“象徴”である指輪をつけていなかった。“指輪なし”はタイトルにインパクトを残すいいネタになったわけです。
同じくして、女性芸能人が結婚して半年、1年経つと普段着姿が写真誌などに撮られたりして“妊娠説”が飛び交いますが、これも似たような原理と言えますね」(佐々木氏)
常に“ネタ探し”に奔走する
女性芸能人が、プライベートでヒールのないぺたんこ靴やスニーカー、さらには身体のラインが隠れるような服装や保温着を着ていれば、“すわ妊娠か”と推測されるのだとか。
「これがあながち当てずっぽうではなく、その時こそ所属事務所は認めないわけですが、後に本人から正式に報告されることがほとんど。芸能マスコミは常に話題になりそうな人物を何日、何週間、何か月もかけてマークし、細やかな部分に目を配って“何かネタはないか”と追いかけているのです。指輪に目が行くのもまさにサガなんですよ」(佐々木氏)
一方で、そんな“渦中の人”をキャスティングする主催者側に思惑があることも。広告代理店関係者が内情を明かす。
「特におめでたい熱愛がらみが多いのですが、PRイベントでは何かと騒がれるタレントさんを見る機会が多いと思いませんか? 彼らをあえて起用することで報道陣がいつも以上に集まり、“炎上商法”ではないですが、結果としてテレビや紙面で使われる回数が多くなるのです。失礼ながら、前田さんが登場しなければドレッサー賞もこれほど脚光を浴びることはなかったのでは?」
芸能マスコミに騒がれるうちはまだまだ“華”ということで。