このコロナ禍で、発酵食品への注目が高まっている。女優の小雪は、ハナマルキのメッセージ・ムービーで、ここ数年、みそは手作りしていて、朝晩家族にみそ汁をふるまっていると語っている。国境を越えたアメリカでも、ミランダ・カーやグウィネス・パルトローらハリウッド・セレブが美と健康のためにみそ汁を愛飲していると公言。
日本人になじみが深いおみそ汁で、さらに身体の不調がよくなったり、病気の予防ができたら最高。そんなお手軽で最強の健康法が「長生きみそ汁」。この健康みそ汁の生みの親である、自律神経の名医・小林弘幸先生に詳しいお話を伺った。
豊富な栄養素をもつ“長生きみそ玉”がカギ
「長年、自律神経と腸の研究をする中で、食事と健康の大切さに注目し、日本を代表する発酵食品、みそのもつ健康パワーに気づきました。近年の研究でも、発酵によって老化制御機能が生まれたり、血圧上昇を抑制し脳卒中を予防する効果や、胃がんを抑制する効果などが実証されています。
そこで、みその栄養をいちばん効果的にとれる方法を考えて編み出したのが“長生きみそ汁”です」(小林先生/以下同)
普通のみそ汁との違いは、ずばり基本の素材。
1.抗酸化力を高めるメラノイジンが豊富な「赤みそ」
2.ストレス抑制効果のあるGABAや乳酸菌を含む「白みそ」
3.解毒効果・血液サラサラ効果のアリシン、ケルセチン豊富な「玉ねぎ」
4.塩分排出効果のあるカリウムを含む「りんご酢」
赤・白2種類のみそに、2つの健康食材を組み合わせて冷凍した「長生きみそ玉」をベースに使うのがヒケツ。このみそ汁を飲むことで、自律神経のバランスが整い、免疫力が高まる。さらに、腸内環境も整い生活習慣病が遠ざかり、老化のスピードが抑制される。しかも、1日1杯で高い健康効果を得られるので、いつものみそ汁をこれに変えればOK!
体験者ほぼ全員の肉体疲労度が下がった!
小林先生と順天堂大学漢方医学先端臨床センターの山口琢児氏の指導のもと、「長生きみそ汁」を2週間飲んでもらい、その前後の自律神経の状態と酸化ストレス度、抗酸化力の測定を実施すると……。
「個人差はありますが、ほとんどの方の肉体的疲労度の低下と、自律神経のバランスがとれつつあることが確認されました。また、多くの参加者から、“ストレスなく飲めた”“気持ちがラクになった”などの感想が聞かれました」
そう聞いて、ここ数年、慢性的な疲労に悩まされているアラフィフの記者も、実際に1週間試してみることに!
みそ汁で「腸活」と「美肌」
さっそく長生きみそ玉を10日分作り、1日1回飲み始めた。先生が推奨する血糖値を上げない飲み方「長生きみそ汁ファースト」を守って実践。玉ねぎと酢が入っているので若干のクセはあるが、毎日続けるのに支障があるほどでもない。試した初日の午後にはさっそくお腹がゴロゴロと活発に動き、数日ぶりのお通じが!
その後も、普段から便秘ぎみの記者にはうれしい効果が続いた。初対面の人に数年ぶりに「お肌きれいですね~」とほめられたのは、まさかそのせい!? 心なしか朝起きるのもラクになったような……。一方、同じくアラフィフの別の記者が試したところ、3日目からぽっこりおなかが改善! おなかが弱く常に軽い痛みを感じていたのが、それも軽減したそう。
もうしばらく続ければ、もっといい効果が実感できそうな予感! 冷凍ストックでいつでも作れて手軽なので、めんどくさがりでも継続できるのでは。気になる人はさっそくレシピをチェックして――。
簡単3ステップ! 「長生きみそ玉」の作り方
●材料(「長生きみそ玉」10個分/みそ汁10杯分)
赤みそ 80g
白みそ 80g
玉ねぎ 1個(80g)
りんご酢 大さじ1
●作り方
1.玉ねぎをすりおろす
玉ねぎをすりおろしてボウルに入れる。根を残したまますると、バラバラになるのを防げる。
2.みそ、りんご酢を混ぜ合わせる
(1)に赤みそ、白みそ、りんご酢を加え、泡立て器でよく混ぜ合わせる。
3.製氷機に入れて冷凍庫へ
10個分の製氷器(約縦35mm×横40×深さ35mm)に10等分して分け入れ、冷凍庫で凍らせる。
※1個30gで1杯分。12個分の製氷器なら1杯あたり2個使用。使うときはフォークでさせば取り出しやすい。2週間以内に食べきって。
食材の組み合わせでさらに健康に!
「長生きみそ玉」に、旬の野菜や栄養価の高い食材を組み合わせれば、さらに健康効果が高まる。ここでは、小林先生イチ押し食材の鮭を使ったみそ汁をご紹介。
病気を遠ざけるにはなにより習慣化することが大事! 「長生きみそ汁」は簡単に作れて続けやすいので、ぜひ毎日の習慣に!
脳の活性化&疲労回復に!鮭とえのきのみそ汁
(材料/2人分)
長生きみそ玉 2玉
生鮭 1切れ
しょうが 1/2片
えのきだけ 150g
だし汁 300ml
酒 大さじ1
(作り方)
1.生鮭はひと口大に切り、塩少々(分量 外)をして5~6分おき、ペーパーでふく。
2.鍋にだし汁、酒、しょうがのせん切り、(1)を入れて火にかける。
3.鮭に火が通ったきたら3cm長さに切ったえのきだけを加え、くたっとしてきたらみそ玉を溶き入れる。
「長生きみそ汁」の作り方はこちらの動画でも。
(https://www.youtube.com/watch?v=4N1Bt5j7eb8)
小林弘幸先生
順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者。また、順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した腸のスペシャリストでもある。近著に『自律神経を整える「長生き呼吸法」(アスコム)などがある。
<料理制作・スタイリング/ほりえさちこ 撮影/廣瀬靖士>