数年に1度発覚するリピート不倫に同僚・部下に手を出す職場不倫──。懲りない芸能人たちが起こしてきた、さまざまな過ちのカタチ。彼らの言動・行動から、不倫の対処法を考える。
「2度あることは3度ある」
中村芝翫、宮崎謙介、このふたりに共通するのはリピート不倫という点。前者は、'16年に京都の人気芸妓との関係を報じられ、妻・三田寛子の夫をかばう対応が話題になった。だが、今年1月にも歌舞伎ファンの女性と関係を持っていたことが明らかに。後者は、同じく'16年に、妻・金子恵美の妊娠中に元タレントとのゲス不倫が発覚し、衆議院議員を辞職。そして昨年10月、医療従事者の30代女性とホテルで4年ぶり2度目の不貞行為を働いた。
大手探偵事務所のデータでは、1度浮気をしたことがある人の再犯率は40~50%ともいわれる。とある興信所の浮気調査では80~90%という驚愕の数字もある。芸能人に限らず、一般人も浮気を繰り返す人は多いのだ。なぜ同じ過ちを犯してしまうのか?
「浮気は人間関係嗜癖の一種ですので、何回も繰り返してしまいます」
と話すのは、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美さん。
「私のもとへ相談に来る方の中にも浮気で悩んでいる方は多いです。話を伺うと、結婚する前から浮気をすることがあったとおっしゃいます。“結婚したら直るだろう”“子どもが生まれたらきっとしなくなるだろう”。そう期待し続け、結局、直らないまま浮気をする男性が多いんですね」(池内さん、以下同)
中村&三田、宮崎&金子のケースは、“夫のメンツを守る”といったニュアンスも含むため、妻たちが神対応を心がけたところもあった。しかし、
「許されたと思っているから、また浮気をするんです。実際には彼女たちは許しているわけではないと思う」
と池内さんはピシャリ。
「男性は“悪かった”などと謝り、ときには妻へプレゼントなどをして機嫌を直してもらおうと試みる。男性からすれば謝り続けているわけですから、折れない妻に対して途中から“なんで許してくれないんだ”と、まるで妻が悪いかのような見方をしていく。その過程の中で、根負けした妻が“もういいよ”と口にするだけで、許したわけではない」
池内さんのもとに熟年離婚の相談をしに来る女性の中には、「30年前の浮気が許せない! ずっと我慢してきたけど、もう限界」という声も珍しくないのだ。
許されたと思っている男性は脇も甘くなるだろうから、妻に対する誠実さも欠けてくるし、また違う女性へと目を向ける。このように積み重なっていく不実の果てに、女性は熟年離婚という選択をするのだ。「もう2度としません!」という、その言葉を本当に“3度目の正直”にさせるにはどうすれば?
「許されていると誤解しているから繰り返す。ですから、妻は離婚する・しないにかかわらず、不倫という行為は絶対にしてはいけないことなのだと、徹底的に教え込まないといけないわけです」
1回目の不倫の後、家事育児も率先し、妻から「人が変わった」と言われた宮崎。4年前「不徳の致すところ」と、会見で頭を下げ続けた中村。まだまだ“調教”が足りなかったようだ。
女性を“モノ扱い”する「ゲス不倫」
複数の女性と関係を持つだけではなく、よりによって多目的トイレで逢瀬を重ねていた渡部建。かたや、
「妻とうまくいっていない。ひとり身になるつもりでいる」
と約束し、“離婚するする詐欺”まがいの密会を鈴木杏樹としていた喜多村緑郎。行動こそ違いがあれ、中身は悪質なゲス不倫だ。多目的トイレで情事に及ぶ猛者はなかなかいないだろうが、「別れるつもりだから大丈夫……」というマジックフレーズを駆使して肉体関係を持とうとする男性は多い。しかし、
「100人不倫する男性がいるなら、99人が“妻とうまくいっていない”と言っているでしょう」
と、池内さんは苦笑する。そして不倫の末に相手を奪ったとしても、
「略奪できた男というのは、またほかの女性から略奪される可能性が高い。本当にこの人でいいのか、と女性は立ち止まって考えることも大事」
とも。確かに芸能界でも、渡辺謙を“奪った”南果歩が、結局はほかの女性に渡辺を“奪われた”ということもあった。しかし、渡部の場合は都合のいい時間に、あろうことか多目的トイレでことに及び、1万円を支払ってサヨナラ──。
まるで風俗の延長のような不倫。このような不貞行為を万が一、自分の夫がしていたら──。どのような態度で接すればいいのだろうか?
「普通に考えれば即、離婚を決断するケース。渡部さんが行った行為は、妻に対しても、相手女性に対しても最低の行為でしょう」
確かに、渡部が女性をモノとしてしか見ていないことは一目瞭然。
「世の中の女性に対する侮辱行為とも受け取れる行為ですから」
ところが、佐々木希は献身的に渡部の復帰を後押しし、今のところ別れる様子はなさそうだ。渡部も妻の期待に応えるように、豊洲市場で真面目に働く姿が目撃されている。
喜多村も謹慎中に実家の居酒屋でアルバイトをして“禊”としながら、貴城とのヨリを戻そうとしているとも報じられた。
「渡部さんも喜多村さんも、“俺が落とした”というようなことを誇るようなジゴロタイプ。口がうまくて、頭が回るので、女性が言いくるめられてしまう可能性が高いです。普通に考えれば離婚という状況でも、口八丁手八丁で関係が続く」
言いくるめられていると感じた場合、「逆手に取ればいい」と池内さん。
「どんなにキレイな言葉でごまかしても、夫が不倫をしたという事実が消えることはありません。こうした事実で、家庭内のパワーバランスに変化が生じると思います。
妻を立ててくれる機会も増えるでしょうから、居心地もよくなる。そうなれば無理をしてまで離婚する必要はない。別れるつもりがないなら、悪事を働いた夫を都合よく扱えばいいのです」
言葉巧みに妻を言いくるめてきた夫を、今度は手玉に取る。
家事や育児に対しても積極的に参加させる、いい機会になるのかも。
職場恋愛する人は「不倫も職場で」
'20年1月に唐田えりかとの3年にわたる不倫関係が明らかになった東出昌大。その後、7月には妻である杏との離婚が成立した。多額の違約金を抱え、地道に復帰への道を歩んでいるものの不倫発覚前の活躍に比べると、見劣りしてしまう感は否めない。
一方、唐田えりかはというと騒動後、無期限の活動自粛を発表。所属事務所の事務仕事を手伝いながら、昨年末には、カメラの専門誌『日本カメラ1月号』でひっそりと新連載をスタートするなど、復帰への第一歩を踏み出した。
改めて、不倫の代償としての金銭的、時間的な損失が大きいことを見せつけた格好だが、2人の関係性を“職場の上司と部下”として見ると、共働きの夫婦にとって、明日はわが身なのかもしれない。職場には男女平等に出会いのチャンスがあるからだ。
1万4100人を対象とした相模ゴム工業『ニッポンのセックス2018年版』という調査。その中にこんな問いがある。「結婚相手/交際相手以外に、セックスをする相手とはどんなきっかけで出会ったのか?」。回答の1位は「同じ会社(22・9%)」次に「友人(14・7%)」「友人の紹介(11・8%)」と続く。「社内」こそが最人気の浮気スポットであることが判明したのだ。
「警察のように情報漏洩を防ぐため、警察官同士の結婚を推奨している組織や会社もあるのですが、多くの企業はそうではない。実は、職場恋愛をする人は、そのまま職場不倫をする率も高いです」
もちろん、不貞行為を働く男性が悪い。だが、その男性と関係を続けてしまう女性にも問題がある。「家族を壊してしまうことは避けなければいけない」と池内さんが言うように、東出&唐田の場合、バッシングの火の手が東出よりもむしろ唐田へと向かう傾向が強かった。
その背景には、東出と頬を寄せて撮った写真をプリントアウトして仲間に配るなど、唐田の行きすぎた“匂わせ”行為に対する非難も含まれている。これでは、家族の関係を意図的に壊しにいっていると解釈されても無理はない。また、別れるときも簡単ではないのだ。
「社内のセクハラ案件は、7割が不倫の成れの果て。男性の別れ方が下手すぎて、訴訟問題に発展するケースも珍しくないんです」
訴訟になればふたりの関係も職場でバレるし、男性の妻から訴えられるという最悪の結果を招くことも──。
「浮気って入り口はとても楽しいもの。でも、終わるときは修羅場なんです。まだ入り口に近い場所にいるなら、この関係性を続けるとどうなるのか想像してください」
例えば不倫相手の男性が課長で、自分が派遣社員の場合、バレたらどうなるか?
「課長は左遷させられるかもしれない。女性は職場をクビになる可能性も。自分の中で歯止めを考えるしかないんです。男性であろうが女性であろうが、既婚者が好意のアプローチを含んで声をかける時点でルール違反なのですから、その人の性格を疑ったほうがいいですよね」
妻が不倫するときは……
夫が女性を口説くケース以外にも、'17年12月に報じられた藤吉久美子とテレビプロデューサーとの不倫疑惑のように、妻が不倫に走る場合もある。
この騒動は、夫である太川陽介が、笑顔で「妻を信じる」と言い切ったことで一応の決着を見せた。
バス旅番組で見せたリーダーシップを発揮し、たったひと言で騒動を沈静化させた太川に世間は驚いた。だが、世の中の男性が太川のように振る舞うことは難しいだろう。
「あくまで実感として」と前置きしたうえで、池内さんは、
「男性の浮気は95%バレますが、女性の浮気は95%バレない」
と断言する。
「普段から夫が妻を気にかけていないから変化に気がつかない。“無関心”がゆえに、妻が新しいキャミソールを着ていても変化がわからないわけです(笑)。妻の浮気は、無関心の代償とも言えます」
浮気がバレるきっかけは、些細な変化に気がつくこと。いつもと違う音楽を聴いている、服の好みが変わったなど、自分でも知らないうちに変わっている。
「男性の場合、若い女性と関係を持つと、これまで使っていなかった話し言葉や口調を取り入れるといったケースも目立ちます」
そして不倫に走る傾向として、30代40代の女性で若い時代にあまりモテていなかったタイプの女性はご用心、と池内さんは続ける。
「モテ慣れている女性は、仮に浮気をするにしても用意周到というかスキがない。女性のやっかみも理解しているから、同性に対しても抜かりなく行動する。反面、あまりチヤホヤされなかった女性は、楽しい気持ちが勝ってしまって脇が甘くなる」
「モテ期が来た!」、その舞い上がりが落とし穴というわけ。脇が甘いからこそ、スキも生じやすくなり、泥沼化へと発展してしまう。なお、女性の不倫のきっかけとして、30~40代のころに行われる同窓会が多いという。
お互いに昔の幻影を追い求められることに加え、夫の日々の無関心とギャップがある、楽しい会話……。身に覚えのある人も多いのでは?
「また会おう」。そして、気がつくと逢瀬を重ねるように──。
「長年、夫婦関係を続けていると好きとか嫌いといった感情以上に、信頼関係でつながっている部分が大きくなると思います。ところが、浮気はその関係を壊してしまう。そこを修復するのか、はたまたリセット(離婚)するのか。どちらを選ぶかで、対応は変わってきます」
また、不倫発覚時の行動で、男女の違いを池内さんはこうつけ加える。
「夫が浮気をしたとき妻の怒りは、ほとんどの場合、浮気相手に向かいます。一方、 妻に浮気された夫の怒りは、浮気相手ではなく直接妻に向かいます。そうなると、DVなど衝動的な行動を取りかねない。楽しい思いの“代償”は、決して安いものではないと覚えておいてください」