お茶の間で人気の医師が、覚せい剤に手を染めていた──。
テレビなどにたびたび出演している「夏目坂メディカルクリニック」の院長・栗原隆容疑者は、2月19日、覚せい剤を使用した疑いで警視庁に逮捕された。
テレビに数多く出演し、
仕事熱心と評判だった
「容疑者は昨年12月、家族から“意識がもうろうとしている”と119番通報があり、自宅から搬送されてそのまま入院しました。その際の尿検査で覚せい剤の陽性反応が出て、退院直後に逮捕された」(テレビ局記者)
本人は「なんのことかわかりません」と容疑を否認。
NHK『おはよう日本』や日テレ系『ザ!世界仰天ニュース』、TBS系『林先生の初耳学』など、容疑者は数多くの番組で医療情報を発信してきた。
執筆活動も行っており、著書『ゆがんだ「背骨」の整え方』(日本文芸社)では、背骨まわりの筋肉のバランスを整える「ハイハイ体操」を提唱。
コロナ禍では内科医ユーチューバーとして、感染症対策や自宅での運動不足解消法のほか、ED(勃起不全)の治療についても解説をしていた。
鍛え上げられたムキムキの体格だが、医療メディアの取材では「自身が病気がちだったこともあって、この世界を目指すようになった」と医師を志した理由を話していた。
東京で生まれ育ったという容疑者。早稲田高校を出たあと、2000年に東京医科大学医学部を卒業した。産業医などを経て、2016年に母校や自宅のある新宿・早稲田でクリニックを開業した。
普段の様子はというと、
「まじめで明るく、仕事熱心。トレーニングも怠らず、ガタイもいい」(知人男性)
クリニックとは別に、リハビリから本格的なトレーニングまで幅広く指導するジムを妻と運営し、積極的に健康セミナーも開くなど市民の健康増進を後押ししてきた。
過去に日本オリンピック委員会の強化スタッフを務めた時期もあり、アンチ・ドーピングにも取り組んでいた。
そんな容疑者がなぜ、覚せい剤に手を染めたのだろうか──。
コロナ禍で厳しくなった
ジムをたたんでいた
容疑者と仕事をしたこともあるという前出の知人男性は、異変に気づいていたと話す。
「栗原さんは昨年の夏に体調を崩し、ずっと療養をしていました。クリニックの診療はほとんど外部の医者にアルバイトで来てもらっていた」
クリニックのHPにある診療カレンダーを見ると確かに昨年の夏以降、外部の数人の医師の名前が載っていた。ユーチューブの投稿も8月から、途絶えている。
「コロナ禍で経営が厳しいうえ、外部の医師を雇うのはコストがかかる。とうとう年末には妻と運営していたジムをたたんでしまいました」
それでもクリニックは続けたいようで、現在は「院長療養中のため、休診」という紙が医院の前に貼られている。
周囲は覚せい剤の使用が疑われるような言動を目にしたことはないというが、夏の時点ではどっぷりクスリに侵されていたのだろうか。
「コロナ禍で経営が立ちいかなくなって、ストレスに負けてしまったんですかね……」
知人男性はそう言って、残念そうにため息をつく。
容疑者はかつて自身のブログに《自分を信じ、未来を信じれば、たとえどんなことが起きても、大きく道を踏み外すことは減ると思います》と綴っていた。
道を踏みはずした今、自分の未来を信じることはできるのだろうか──。