「昨春の事件後、きれいな服装をして福岡市へ向うバス停に立っていた碇(いかり)容疑者を見ました。悲しそうなようすもなくて、何をしていたのか……」
碇利恵容疑者(39)と同じマンションの住人は首をひねる。
昨年4月、福岡県篠栗(ささぐり)町で碇容疑者の三男・翔士郎(しょうじろう)ちゃんが餓死した事件は3月2日に急展開。保護責任者遺棄致死の疑いで碇容疑者と、“ママ友”の赤堀恵美子容疑者(48)が逮捕された。
2人は、それぞれの子どもたちが通っていた幼稚園で、5年前に知り合っていた。
「碇容疑者に”狙い”を定めた赤堀容疑者は、巧みに取り入り、一種のマインドコントロールの状態に。碇容疑者の夫の浮気をデッチ上げて調査費をだまし取るなど、合計で1000万円以上の詐取(さしゅ)とも報じられています。
碇家の生活を支配して困窮させ、主に赤堀容疑者の指示で翔史郎ちゃんを栄養失調にして、最悪の結果となりました」(地元メディア記者)
赤堀容疑者は、碇家の生活保護受給費や児童手当だけでなく、フリマアプリや消費者金融でも金を工面させ、翔士郎ちゃんの葬儀代もだまし取っていたという。
冒頭とは別の住人が語る。
「電気、ガスなども止められていたようです。スマホも止められて、近所のコンビニへ行って、無料Wi-Fiをつなげて使っていたようです」
支配は生活全般におよび、夫と離婚させ、翔士郎ちゃん幼稚園から退園させるなど、すべてを奪い尽くした。
そんな赤堀容疑者に碇容疑者は、
「赤堀さんにだまされた。子どもを守ってやれなかった」
と後悔し容疑を認めたが、赤堀容疑者は全面的に否認。
次々と“悪事”が報じられるなか、本誌の取材でも新たな疑いが明らかになった。
「兄2人は児童相談所を通して支援施設に預けられるかもしれない。すでに小学校を転校しているけど、トラウマが残り、イジメにあうかもしれないので多くは語れない」
捜査関係者が言葉を濁しながらも「トラウマ」に触れたように、翔士郎ちゃんの兄たちも虐待を受けていたようなのだ。赤堀容疑者は碇容疑者に対して、翔士郎ちゃんに「優しくするな」「飯を与えるな」などと指示していたので、
「2人の兄はもっとやんちゃで食べ盛りなので、赤堀は厳しくしつけていたようです」(両容疑者の知人)
さらに赤堀容疑者は、
「バックにヤクザがいる」
「ボスが(監視カメラで)見張っている」
と架空の人物をデッチ上げ、碇容疑者を支配していたが本物の“黒幕”の存在が囁(ささや)かれている。別の捜査関係者が話す。
「赤堀の夫が妻の容疑について、まったく知らなかったとは考えにくい。碇から詐取した金をブランド品などに使ったと報じられたが、大半は生活費に回っているよう。家族が知らなかったはずがない」
昨春の事件後も金をだまし取っていた赤堀容疑者は、昨年9月ころ、篠栗町にあるオートロックの3LDKで月6万5000 円のマンションに、夫や3人の子どもと引っ越していた。赤堀容疑者は無職の一方で、夫は定職に就いているがそれほど高収入ではないそう。
「碇容疑者の元夫の浮気調査代のデッチ上げも、かなり綿密に計画されたようだ。共犯者がいる可能性もある」(前出・記者)
家族ぐるみの犯罪となれば、路頭に迷う子どもがさらに増えてしまうことになる。