3月7日にスタートした『機界戦隊ゼンカイジャー』。1975年の『秘密戦隊ゴレンジャー』から数えて45作目という、スーパー戦隊シリーズの記念作となっている。
歴代の戦隊ヒーローが活躍する世界を含む数多の並行世界が、機械生命体(キカイノイド)が住む世界の悪者によって次々に閉じ込められていく。残すはわれわれが住むこの世界のみ……。
「僕が演じるのは、主人公の五色田介人。正義の心を持つ機械生命体(キカイノイド)の4人とともにゼンカイジャーとなって戦い、悪の手からすべての世界を救っていく物語です」
そう語るのは、主人公を演じる駒木根葵汰。
かつてない壮大なスケール! そして仲間はロボットという斬新さ。でも、歴代スーパー戦隊のモチーフもあちこちに見られ、どこかエモい。
「“昔は見てたけど最近は見てないよ”という方も、きっと楽しめる作品になってると思います!」
毎日が刺激的で、たまらなく幸せ
物心がついたときには、スーパー戦隊シリーズが好きだったという駒木根。
「戦いに憧れて、ヒーローになりたくて、5歳から空手を始めました。いちばんよく見てたのは『特捜戦隊デカレンジャー』( ’04年)かな。『百獣戦隊ガオレンジャー』( ’01年)、『爆竜戦隊アバレンジャー』( ’03年)、『魔法戦隊マジレンジャー』( ’05年)とかも印象に残っています」
空手は高校3年生まで12年間続け、なんと中学3年生のときには県大会で優勝している。念願の主演は、オーディションで勝ち取った。
「うれしかったです。でも、制作発表が終わるまでは“明日の朝起きたら、違う現実になっているんじゃないか”と、どこか信じ切れていませんでした(笑)」
昨年12月から撮影が始まり、やっと実感がわいてきたという。
「スーパー戦隊の撮影はCGや爆発などもありますし、やっぱり特殊ですね。普通の作品より労力も時間も必要ですし。大変ですが、それ以上に楽しいです! まさに“これを求めていた!”というか。毎日がすごく刺激的で、たまらなく幸せです」
芸能界入りのきっかけはインスタ
「高校では、周りのみんながインスタをやっていて。話についていくために始めました。文化祭など、楽しい行事のたびに写真を載せてたら多くの人が見てくれるようになって」
やがて“イケメン高校生”と話題になり、現在の所属事務所からスカウトされた。
「原宿で、じゃないですよ(笑)。もともと芸能活動に興味があったわけではなく、高校卒業後は海外に行こうと思っていました。何かやりたいことがあったわけじゃなくて。むしろ、海外に行けばそれが見つかるかなと思っていたときに(スカウトの)メッセージを見て“面白そうだな”と」
あまり深くは考えず飛び込んだ。気づけばのめり込み、俳優としての決意が固まっていた。
「現場を重ねるごとに、自分の至らなさを知ります。いつか完璧になるとも思わないし、いつになっても自分自身が満足しないと思う。そして、この世界にはいろんな役が広がっていて、同世代、自分より若い子の活躍にも刺激を受けます。自分ももっともっとやりたい。自分がどこまでできるのか、すごくワクワクしています!」
農業高校出身です!
茨城県で生まれ育ち、農業系の高等学校を卒業している。どんなことを学んでいたの?
「1年生のころは、野菜や米を作ってました。ジャージ姿で畑を耕して。敷地が本当に広大で、休み時間は男友達と構内を走り回って遊んでました(笑)。
ウチの高校は7学科ほどあって、僕は農業経済科。ビジネス寄りの勉強をしていました。農作物の出荷などでは、やっぱりパソコンを使うので。ワードやエクセル、簿記などを3年間やってたから、パソコンは得意なんですよ」
戦隊の先輩俳優への思い
スーパー戦隊シリーズは若手俳優の登竜門。先輩俳優たちはその後、次々とブレイクしているが、
「いま活躍されてる方と同じ舞台に立てていることは本当にすごく光栄です。その名に恥じないように、しっかりと1年間頑張りたいと思います。
ただ“出演したら絶対に売れる”なんて慢心はありません。役者自身が将来に向けてしっかりと動いていかない限り、今、第一線で活躍されてる一流の方たちと並ぶことは無理だと思うので。だからその後、自分がどうするかだと思っています」
“登竜門”をくぐりブレイク中、スーパー戦隊出身俳優
今をときめくあの人も、知名度抜群のあの人も、そして、いぶし銀のあの人も……。かつては戦隊ヒーローとして、地球の平和を守ってくれていたんです!
横浜流星…当時17歳。『烈車戦隊トッキュウジャー』(’14年)のヒカリ/トッキュウ4号。スーツカラーはグリーン。空手の世界大会優勝の実力を存分に発揮。その後『初めて恋をした日に読む話』(’19年)のピンク髪のゆりゆり役でブレイク。昨年は2本の連ドラに主演
志尊淳…当時18歳。『烈車戦隊トッキュウジャー』(’14年)のライト/トッキュウ1号で、スーツカラーはレッド。その後の出演作は『半分、青い。』(’18年)、『極主夫道』(’20年)など。昨年は医療従事者への1000万円寄付も話題に
竜星涼…当時19歳。『獣電戦隊キョウリュウジャー』(’13年)の桐生ダイゴ/キョウリュウレッドを演じた。その後は『ひよっこ』(’17年)、『昭和元禄落語心中』(’18年)、『35歳の少女』(’20年)などに出演
塩野瑛久…当時18歳。ジュノンボーイ出身で、『獣電戦隊キョウリュウジャー』(’13年)では立風館ソウジ/キョウリュウグリーンを演じた。その後の出演作は『貴族降臨 PRINCE OF LEGEND』(’19年)など
山田裕貴…当時20歳。『海賊戦隊ゴーカイジャー』(’11年)のジョー・ギブケン/ゴーカイブルーでデビュー。その後は『なつぞら』(’19年)にも。現在は『青のSP−学校内警察・嶋田隆平−』に出演中
千葉雄大…当時20歳。『天装戦隊ゴセイジャー』(’10年)のアラタ/ゴセイレッドでデビュー。その後は、独自の“あざと可愛さ”にも注目が。昨年は『いいね!光源氏くん』が好評だった
塩谷瞬…当時19歳。『忍風戦隊ハリケンジャー』(’02年)の椎名鷹介/ハリケンレッド役。’05年には映画『パッチギ!』に主演した。’12年には二股交際騒動で号泣謝罪会見も
金子昇…当時26歳。『百獣戦隊ガオレンジャー』(’01年)の獅子走/ガオレッドを演じた。同作は、シリーズ過去最高視聴率(11.5%)を記録。2時間ドラマなどで活躍中
玉山鉄二…当時20歳。『百獣戦隊ガオレンジャー』(’01年)に途中加入し、大神月麿/ガオシルバーとして活躍。その後、朝ドラ『マッサン』に男性俳優として19年ぶりに主演した
永井大…当時21歳。『未来戦隊タイムレンジャー』(’00年)の浅見竜也/タイムレッドでデビュー。また当時は“永井マサル”の名だった。その後『サラリーマン金太郎』(’08年)などで活躍
ケイン・コスギ…当時19歳。『忍者戦隊カクレンジャー』(’94年)のジライヤ/ニンジャブラックとして活躍。その後は『筋肉番付』や『リポビタンD』のCMなど、スポーツタレントとして地位を確立
嶋大輔…当時23歳。『超獣戦隊ライブマン』(’88年)で天宮勇介/レッドファルコンを演じた。’82年に『男の勲章』が大ヒット。実績のある嶋の抜擢は異例だった。昨秋にはライザップのCMに出演
西村和彦…当時21歳。『超獣戦隊ライブマン』(’88年)で大原丈/イエローライオンとして活躍。その後は『同窓会』(’93年)などに出演。『牡丹と薔薇』(’04年)での“財布ステーキ”は伝説に
松坂桃李…当時20歳。『侍戦隊シンケンジャー』(’09年)の志葉丈瑠/シンケンレッドでデビュー。その後『梅ちゃん先生』(’12年)や『わろてんか』(’17年)など数々の作品で活躍し、人気俳優に。昨年12月、戸田恵梨香と結婚。4月クールでは連ドラ2本に主演するなど、公私ともに大充実