1984年ころ。小学校時代から体格がよかった赤堀容疑者

「あの一家はホントにトラブルだらけで、夜逃げするように出ていったとよ」

 福岡県篠栗(ささぐり)町の5歳児餓死事件で、逮捕された赤堀恵美子容疑者(48)の元実家の近所の住人はそう吐き捨てるように話す。

1200万円を碇容疑者から搾り取る

 3月2日に同じく保護責任者遺棄致死で逮捕されたのは、故・翔士郎(しょうじろう)ちゃんの母・碇(いかり)利恵容疑者(39)。

 “ママ友”の赤堀容疑者に“洗脳”されていたが、その実態が次々と明らかになっている。

「事件後、児相に預けられた翔士郎ちゃんの2人の兄を引き取るために裁判費用が必要だと、碇容疑者をだました疑いもあります。

 さらに、赤堀がだまし取っていた生活保護費は(碇容疑者が)パチンコに使ったと警察に言うように指示。証拠隠滅(いんめつ)のためにスマホを捨てるようにも命じていたようです」(地元メディア記者)

 碇容疑者のスマホからは、「食べさせられずごめんね」という翔士郎ちゃんへのメモが見つかったことも報じられている。

 一方、赤堀容疑者はすべての容疑を否認。翔士郎ちゃんの餓死は「母親(碇容疑者)の責任」と供述しているというが……。

 合計で1200万円もの大金を碇容疑者から搾り取ったとも言われている赤堀容疑者だが、実は過去に別の犯罪に手を染めようとしたこともあった──。

四方八方に借金をして踏み倒す一家

 赤堀容疑者の元実家は、篠栗町から60キロほど。福岡県大川市ののどかな田園地帯ある。

「恵美子一家は、母方の実家の敷地内に住み、両親は健康保険料を払う金にも困っていた時期もあったけど、恵美子を含め3きょうだいとも私立の高校に行かせとった。

 四方八方に借金をしまくり、ことごとく踏み倒しとった。幼いころからそれを見とった恵美子も、その手法を真似たのかもしれんね」(別の近所の住人)

 赤堀容疑者は地元の中学を経て、高校卒業後は電子関連会社に入社したが、

「身体が大きすぎて、会社の制服が入らなかった」

 というエピソードがある程だった。

碇利恵容疑者(左)と赤堀恵美子容疑者(右)

 その後、地元でスナックの雇われママをしていた容疑者だが、20年ほど前に前夫と結婚して大分県の日田(ひた)市へ。同じころ一家も佐賀県鳥栖(とす)市に夜逃げ同然で引っ越したがその後、日田市の容疑者宅のすぐそばに移り住んだという。

 日田でも赤堀容疑者と家族は金に困っていたのか、違法な商売に手を出そうとした。

「恵美子が故郷の元ヤクザに、“シャブ(覚せい剤)の売人をやりたい”と相談したそうです。でも、“クスリの売人は、買ったほうがパクられたら、売人もパクられるし、オレまでパクられるかも。やめたほうがよかばい”と元ヤクザから反対されたそうです。結局、クスリには手を出さなかったようですが……」

 赤堀容疑者は「バックにヤクザがいる」などと暴力団がトラブルを解決する名目で、碇容疑者から現金をだまし取っていたが、あながちウソではなかったのかもしれない。

 赤堀容疑者の父方のおじは涙ながらに、

「ずっと会っとらんけん、事件があったときも、(容疑者の)顔がわからんやったとですよ。こげなことをするような子じゃなかったとです……」

 と言うばかり。

《私の将来の夢は保母さん》

 と小学校の卒業アルバムに綴(つづ)っていた赤堀容疑者。ヤクの売人にはならずにすんだが、さらなる悪名で全国に知られてしまった。