「赤堀は、保護責任者遺棄致死で逮捕される前に詐欺で逮捕されていますが、それとは別の金銭トラブルが次々と報じられています。
これから、ますます被害を訴える人が出てくるかもしれませんね」
と地元メディア記者は、事件の今後の成り行きを話す。
小学生のころから「ボス的な存在で怖かった」
昨年4月までに、福岡県篠栗町の無職・赤堀恵美子容疑者(48)は、“ママ友”の碇利恵容疑者(39)を洗脳のような状態に。
碇家の生活を支配して、5歳だった三男の翔士郎ちゃんを餓死させたとして、保護責任者遺棄致死の疑いでともに逮捕されている。
「詐欺について、赤堀は生活保護費だけではなく、車を売らせたり架空の裁判費用をデッチ上げたりするなど、さまざまな手法で碇から金をだまし取ったとされていますが、すべての容疑を否認しています」(同・記者)
総額で1200万円を碇容疑者からだまし取ったとされるが、赤堀容疑者の地元・福岡県大川市では、別の“被害”を訴える人物が現れている。
3人きょうだいの末っ子として生まれた赤堀容疑者は幼いころ、ひょうきんで話を盛り上げるタイプだったというが……。
「意地悪というか、弱い者イジメをすることがあったとです。ボス的な存在で怖かった」
と小学校の同級生。人に依存する性格は若いころからあったようで、中学の同級生はこう証言する。
「私立高校を卒業後は、しばらく無職だったとか。まだ両親が木工工場で働いていて、それほど生活は苦しくはなかったとでしょうね。
20歳のころ、ようやく職探しを始め、親しくもない同級生のコネをたどって、福岡の久留米市の電子機器会社へ就職したようです。
ところが、体格がよすぎてその会社の制服が入らなかったというエピソードがあったくらい」
その会社はあえなく倒産し、無職となり地元のスナックで働いていた時期もあったようだが、疑問の声もある。
「プータローとは言えないから、見栄を張って“スナックの雇われママをしとる。繁盛しとるよ”とウソをついたのかも。恵美子のあんなルックスと性格で接客ができるはずない」(近所の住民)
「違法ビジネス」に乗り出そうとした過去
赤堀一家は恵美子容疑者を含めて、以前から近所に金の無心をしていたが、容疑者の両親が働いていた木工工場がつぶれると、返済が滞るように。
「恵美子は28歳前後で結婚して大分県日田市に移り住みましたが、結婚式の費用はほとんど元夫側が負担。
恵美子の両親と兄姉は借金苦から同じ時期に、夜逃げ同然で佐賀県鳥栖市に引っ越したとよ」(別の近所の住民)
その後、赤堀容疑者を頼ってか赤堀家は鳥栖から日田に引っ越して現在も住み続けている。
こちらでも借金で首が回らなくなったのか、赤堀容疑者は「違法ビジネス」に乗り出そうとしたことも。
容疑者の知人が証言する。
「故郷・大川市の元ヤクザの闇金業者に、“シャブの売人になりたかとよ”と相談したそうです。
ところが、その元ヤクザは“もし売った相手がパクられたら、売人もパクられるし、オレまでパクられるかも。やめたほうがよか”と断った」
ちょうどそのころに、赤堀容疑者に300万円以上を貸したが、返済されていないAさんに話を聞くことができた。
「借金はそのときだけではなく、恵美子の祖父母や両親の代から3代にわたって申し込まれたとですよ。
“盗聴器が仕掛けられたから、それを取り除くために金がかかる”とか、“ケガで手術代がかかるから”などと、繰り返し繰り返し言ってくる。
おかしな話だけど、言われ続けると、ホントにそうなのかなと思えてきて……」
そう話すAさんは一種のマインドコントロールに陥っていたのかもしれない。
Aさん「3万円を10回返してくれただけ」
2008年に作成された公正証書には、赤堀容疑者には「340万5000円」の債務があると記されている。
連帯保証人には元夫や赤堀容疑者の兄や姉の名前が並んでいる。
「そのうち3万円を10回くらい返してくれただけで、以降はほとんど返してくれないんです。
電話で支払いを要求すると、赤堀は“弁護士を入れるから”が常套句で、逃げてしまう。はるばる何十キロも車を運転して、何度も日田まで行ったけど……」
公正証書には、利子や遅延損害金も定められていて、30万円程度の返済では、現在の債務額は莫大なものになる。
Aさんは、こうも訴える。
「私は多いほうだと思うけど赤堀は、ほかにも小口を含めいろいろな人に借りている分が500万円はあると思う」
単純計算すれば碇容疑者の分も含めると、総額で2000万円以上の金を借りたままの状態で、返済は絶望的……。前夫と結婚後は仕事もせず、ブランドものを買いあさっていたという赤堀容疑者。
この夫と離婚後は、現在の夫と一緒になり、篠栗町で暮らすようになったが、今度は碇容疑者をターゲットにして“洗脳”“たかり”“詐取”を続けていたことになる。
現在も日田に住んでいる容疑者の父親に話を聞くと──。
「そげな金はいっさい借りとらんし、知らん。誰が言いよっとか? 信用でけんよ。
その債務者や保証人に、オレの名前があっとか? なかなら、オレは関係なか。ウソじゃなかか!」
と証書には確かに父親の名前はないが、何度も借金を頼んでいるAさんを知らないはずはない。
この父親は一部報道で今回の事件について、
「あんなことをしたとは信じられない」「もしやっているとしたら、罪を償ってほしい」
とも答えていたが、Aさんはこう怒りを爆発させる。
「マトモな親ヅラして、何を言ってんのと思った。あんたがやってきたことを、幼いころから見ていた娘がまねてやってるだけのことでしょう!」
きちんと働かず人の金をだまし取り、踏み倒したうえに幼い子どもを死に至らしめた赤堀容疑者の罪は重い。