差別発言を謝罪した日本テレビ

 日本テレビの情報番組『スッキリ!』が無知をさらけ出した、アイヌ民族を侮辱したなぞかけ問題。

「政府から正式に局に抗議が入ったことで、問題のフェーズが変わったという感じです」

 と日本テレビ関係者が耳打ちしてくる。

「実は、担当プロデューサーのO氏が飛ばされましたよ。事実上の“更迭”です」

“忘れていた”Oプロデューサー

 アイヌ民族を侮辱する発言がオンエアされたのが今月12日。

 週明け15日の放送で、自身の吉本興業とのエージェント契約解除問題の火消しに追われていた、司会の『極楽とんぼ』加藤浩次(51)も謝罪することになった。

「僕自身もですね、北海道出身という立場にありながら、オンエアがあったときに即座に対応できなかったことをお詫びしたいと思います」

 放送されたコーナーは、事前収録されたもので、生放送の失態ではない。番組の責任者が目を通す時間は十分にあった。ところが目を通していなかったことは、“更迭”された担当プロデューサーが、社内調査に打ち明けているという。

 前出・関係者の話。

「実はそのプロデューサーは、当然ですがオンエアに立ち会っていたのです。その際、これは問題になるかもしれない、と考えたそうです。ということは、事前に見ていなかったということです」

 さらに担当プロデューサーは、最悪の一手を打ってしまったという。関係者が続ける。

「テレビ局には、オンエア前にオンエアをしていいかどうか、オンエア後に問題があるかどうか判断するチェック機能として考査部があります。そのプロデューサーも、オンエア後に『これは考査に確認してみよう』と周囲に漏らしていたのです。放送直後にそれをしていたら、日テレも対策が取れた。ところが局側が問題を把握したのは、SNSなどで問題視されてから。一般人と同じ時間帯で知ったのです。なぜならそのプロデューサーが、考査に確認することを忘れていたからなんです」

 普段から現場のスタッフに報告を口うるさく指示しているプロデューサーが、なんともお粗末すぎる失態……。局としてもこれでふたをしたことにはならない。さらなる検証が求められる。

〈取材・文/薮入うらら〉