“ゆきぽよ”こと木村有希

 3月18日、19日付けの『日刊スポーツ』『サンケイスポーツ』『スポーツ報知』『東京スポーツ』のニュースサイトにそれぞれ登場した“ゆきぽよ”こと木村有希。あらためて“友人”男性が彼女の自宅で違法薬物を使用、逮捕された騒動を謝罪したのだった。

 日刊スポーツでは、今の自分を《落とし穴に落ちている》と表現し、《そこをどう脱出するのか、というのを考えていて。ただ脱出するだけでなくて、どう意味のあるものにするか、失敗をくんで、この状況をどう楽しみながら、どう脱出できるかを考えています》と、“完全復帰”への前向きな決意を語ってみせた。

「同日に4社を訪問してハシゴ取材を受ける力の入れぶり。“周囲の人に支えられていることを忘れず”としおらしく反省の態度を示す一方で、自身の薬物疑惑には無実を訴えながら“今からでも(自宅に)ガサ入れに入っていい”などと隠語が出てくるあたりは、そう簡単にはキャラ変更はできない様子(苦笑)。

 彼女や所属事務所はこれを“みそぎ”として、また売れっ子タレントに戻ることを画策しているのでしょうが、うまくいくかどうか……」(ワイドショー・ディレクター)

 今年1月に『週刊文春』によって暴かれたゆきぽよ衝撃の過去。かねてより「付き合った男性5人のうち4人が逮捕された」などの際どい発言をしてきたが、2019年5月の出来事とは言え、自宅を出入りする男性の薬物逮捕はシャレで済まされなかった。

業界に向けての謝罪と弁明だった

 報道直後の1月24日、準レギュラーを務める『サンデージャポン』(TBS系)にVTR出演して謝罪と釈明を済ませ、自ら騒動に終止符を打ったように見えたゆきぽよ。その後も活動休止、自粛などの措置をとることはなく、変わらずタレント業を続けると思われた。ところが、彼女の露出は目に見えて減ってーー。

「そんな空気を肌で感じたのでしょう」とは芸能ジャーナリストの佐々木博之氏。

「おそらくは彼女自身、所属事務所が“このままではまずい”と、テレビで少しだけ話しただけでは収まらない、きちんと明確に対応しなければいけない問題と感じたのでしょう。ただ、今回のスポーツ紙での弁解は一般の人々に向けてではなく、業界に向けてのものだと思います。

 テレビ局側が少しでも疑惑と懸念をもって起用を躊躇しているのなら、彼女はその問題を絶対にクリアにする必要がある。そのための謝罪行脚だった、と」

 各紙のインタビューでは、さも“反省のために仕事をセーブしていた”という風な書かれ方をしていたが、実際はオファーが途絶えていたためで、ならばとスポーツ紙を使って“復帰する準備は整った”と印象付けたい思惑があったということか。

 一方で、ゆきぽよの席が空いた『サンジャポ』では以降、同様に準レギュラーだった“みちょぱ”こと池田美優、“にこるん”こと藤田ニコルの出演が目立っている。ゆきぽよを含めて“3大ギャルタレント”と称されていた、2人の活躍ぶりはめざましい。

「週刊誌にも言えることで、ライバル雑誌が競い合うと相乗効果で互いに部数を伸ばすのですが、これが3誌になると読者を取り合うようになる。芸能人も同じで、3人の内の1人がいなくなったことで、残った2人の需要が高まったと考えられます。

 ゆきぽよさんが抱える焦燥感と危機感は相当なもの。彼女はギャルにしては弁が立つのが売りでしたが、失礼ながらモデルではあっても歌や演技などの突出した技能があるわけではない、代わりはいくらでもいるテレビタレントさんの1人。ならば、ニコルさんやみちょぱ、他のタレントでも、となるのは当然のこと」(佐々木氏)

 レギュラー番組こそ1本だが、例えば3月18日、19日の2日間を見ると地上波だけでも4本のバラエティー番組に出演しているみちょぱ。有吉弘行をはじめとした大物司会者のお気に入りであることも強みとなっている。

 インスタグラムのフォロワー数360万人を誇るにこるんは、音声SNSアプリ『クラブハウス』などのトレンドをいち早く活用するなど、今も若者の“カリスマ”であり続けている。また、TBS系ドラマ『俺の家の話』最終回(3月26日)への出演が決まり、ここにきて活躍の場を広げている。

左から生見愛瑠、藤田ニコル、池田美優

ゆきぽよOUT、めるるIN

 そして、ゆきぽよと入れ替わるように露出を増やしているのが、“めるる”こと生見愛瑠だ。ティーン向けのファッション誌『Popteen』のモデル出身でカリスマ的存在だっためるるは、2020年2月に『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)にレギュラー出演を果たすと、瞬く間に一般にも知られていった。

 2021年に入ると新たに3本のCMに起用され、3月にスタートした『おしゃれの答えがわからない』(日テレ系)でドラマ初出演にして初主演を務めると、さらにはファッション誌『CanCam』の専属モデルに就任。3月23日発売号で表紙デビューと、まさに飛ぶ鳥落とす勢いだ。

「3月6日に19歳の誕生日を迎えて、最近は少し落ち着いた“大人めるる”になりつつある彼女ですが、タレント転校時は“てれやき”や“いかぷんまる”などの“めるる語”を繰り出すギャルキャラを売りにしていました。

 スタッフ受けも良く、こちらがほしがるポイントを抑えているんですよね。やはり、ファッション誌時代から競争を勝ち抜き、さらに芸能界でも成り上がる彼女たちは相当に“鍛えられている”」(バラエティー番組制作スタッフ)

 キラキラした世界に映る女性向けファッション誌。そんな誌面を華やかに彩るモデル、中でもティーン誌のモデルはさぞチヤホヤされる存在かと思いきや、「とんでもない」とは出版社に出入りするスタイリスト。

「ティーン系ファッション誌では、モデルの人気アンケートを集計したランキングを編集部内に張り出すことも多々あり、ランクによって表紙や特集ページを任されたりします。それこそ上位モデルはお姫様扱いですが、下位には容赦ないダメ出しも。写真で笑顔を寄せ合う裏でみながライバルで、日々泣いているモデルの方が多いんです。

 上位に入るにはかわいいのはもちろんのこと、加えていかに個性やタレント性を売り出していけるかを必死に考えている、まさに生死をかけたサバイバル。特に、モデル志望者が殺到する、芸能界への“登竜門”でもある『Popteen』さんでは、ライバルを出し抜くくらいの強い気持ちががないとやっていけないのかも」

 みちょぱににこるん、そして“つばさ売れ”現象を起こした益若つばさ、ハリウッドデビューを果たしたローラも同誌のモデル出身だ。芸能界を渡り歩くには彼女たちのようにキャラを立たせ、尚且つチャンスを絶対に逃さない感性も不可欠なのだ。

 そう言えば、かつて売れっ子のギャルタレントに登り詰めながらも、2012年に詐欺事件になった『ペニーオークション』に関与したとして、謝罪に追い込まれた小森純も『Popteen』出身モデルだった。

 騒動後にブログを閉鎖し、芸能活動を自粛した小森のポジションにすっぽり収まったのが、彼女の“妹分”的存在だった鈴木奈々。同じくギャルタレントとして売り出し始めた、鈴木もまた同誌のモデルを経て成り上がった。

「明るいキャラクターと、芸人顔負けの身体を張った体当たり芸を武器にバラエティー番組で重宝された鈴木に対し、騒動から約1年後に復帰した小森でしたが、やはり1度ついた負のイメージを払拭することができずにお呼びがかからなくなりました。

 ゆきぽよも“席”が埋まる前に、忘れられる前に早々に復帰しなければ、と考えたのでしょう」(前出・バラエティー番組制作スタッフ)

すでにオワコンと見られている

 ゆきぽよの謝罪行脚は功を奏すのだろうか。前出の佐々木氏は「うまい方法ではあった」と評するも、

「速報感あるスポーツ紙で一斉に報じさせることで世間に広く認知させることができ、これが話題になればワイドショーや情報番組で取り上げてくれる、という算段もあったのではないでしょうか。

 ですが、見た限りでは彼女の復帰を伝えた番組はなかった。これが全ての答えで、テレビにしてみれば、また騒動を起こすかもしれないリスクをとってまで起用したいタレントではない、と。もしも『サンジャポ』でも取り上げられないようなら、厳しい見方ですが、もう“オワコンと見做されているのかもしれません。

 少しでも隙あれば次から次と新しいタレントが出てくるわけで、生き馬の目を抜くと言いますか、それが弱肉強食の芸能界なんですよね」

 昨年11月の『ミルクボーイのツラわら喫茶』(読売テレビ)にて共演していたゆきぽよとめるる。互いの印象を聞かれた際に、ロケで世話を焼いてくれたという24歳のゆきぽよに対して、《めちゃくちゃ母のようで》と屈託なく答えていためるる。すでに“オワコン”扱いされていた、とは考えすぎだろうか。