4月から新番組がふたつ始まる民放の朝ワイド戦争。しかし、最大の関心はむしろ『スッキリ』(日本テレビ系)のMC・加藤浩次(51)がどうなるかだ。
“加藤の乱”で『スッキリ』降板!?
2019年の“加藤の乱”を機に結ばれた吉本興業とのエージェント契約が解消されることに。闇営業騒動の際「経営陣が変わらないなら僕はやめる」と発言して会社とぶつかり、その落としどころとして結ばれた契約だ。解消を持ちかけたのは吉本側で、乱を起こした男への粛清だともされる。
3月には、他局のレギュラー番組が2本終了。それゆえ、9月の改編期には『スッキリ』も加藤も消えるのではないか、というわけだ。
そんな加藤は意味シン発言を連発。『この差って何ですか?』(TBS系)の最終回では「文句苦情受け付けません! なぜならこの番組、今日で終わりだからです。さよなら」とヤケクソぎみに締めくくった。
また、3月14日放送の『がっちりマンデー!!』(TBS系)では「焼き芋メーカー」のような用途が特化された食べもの家電を紹介。
「1個に集中するってことですよ。(略)われわれもそう考えなきゃ、そうしなきゃいけない。ホントそうだ」
と語った。自分も残った仕事に特化して頑張るしかない、という意味にもとれる。
とまあ、渦中の人の言葉はとかく意味シンに聞こえるものだが、この人はもともと喜怒哀楽が表に出やすい。そういう性格が会社との衝突にもつながったわけで、その発言には常に本音がにじみ出ているとも考えられる。
例えば、闇営業騒動の前月、後輩の山里亮太が結婚。『スッキリ』はゲストに呼んで盛り上げた。その際、加藤は芸人や社員が女優や女子アナと結婚することの効果として、興奮ぎみにまくしたてたものだ。
「今年のNSC(吉本の養成所)の生徒、増えるぜ。フジテレビのウッチー(内田恭子アナ)と結婚した社員いたじゃん。あんとき、吉本の入社希望者、むちゃくちゃ上がったんだから」
加藤と吉本のズレ
ここには彼なりの「吉本」への愛が見てとれる。高校までサッカーに熱中した体育会系だからか、帰属意識が強く、気持ちが組織に一体化してしまっているところがあるのだ。
だから、闇営業騒動でも大騒ぎした。彼の中にある理想の会社像というものからズレていたことが許せなかったのだろう。しかも、本人は組織によかれと思ってやっていたりする。また、自分=組織なので、悪口を含めて何を言ってもいいし、大目に見てもらえると考えがちだ。
しかし、当然ながら、組織と個人は別モノだ。エージェント契約に切り替わった際、そこに気づくべきだった。
が、彼の心は吉本芸人のまま。だからこそ、契約を打ち切られたことに、
「僕は続けたかったけど、会社から延長しないと言われたらノーと言うわけにもいかない。お互い納得のうえで契約がなくなるってことになっちゃったというか。ちょっと僕もびっくりしてるというか」
と言うしかなかったわけだ。要は、彼が吉本を愛していたほど、吉本は彼を愛していなかったのである。
最後に意味シンな話をもうひとつ。『極楽とんぼ』を辞書でひくと、こうある。
「ことの重大さにまったく気づかず、のんきに構えている者のこと」
思えば、相方の山本圭壱が少女との淫行事件を起こしたときも軽率さがアダになった。名は体を表す、という意味で、これほど“スッキリ”とわかりやすいコンビはいない。