V6が結成26年目となる今年の11月1日に解散する。
発表があったのは3月12日、飛び込んできたニュースに驚いた人は多かったが、それから2週間で落ち着きを取り戻している。世間は意外とさっぱりしているのか、嵐が活動休止を発表したときにくらべると静かなものだ。
解散にまつわる記事もほぼほぼ出尽くした感があるが、特に目を引いたのは、唯一ひとりだけジャニーズ事務所を退所することになった森田剛に関する記事。
それらの報道によれば、森田が「役者の道を極めたい」ということで、一昨年から退所を申し出ていたという。それが解散の引き金となったのは間違いないだろう。
退所せずとも俳優として活動できるのではないか、と疑問を持つ人は多いだろう。しかし、そこには事務所の事情が絡んでくる。たとえば、森田がよくても事務所として共演NGな俳優・女優というものが存在するというし、かつてのジャニーズは所属タレント同士がテレビの裏番組で出演がカブることさえも良しとしなかったくらいだ。つまり彼にとって退所するということは“さらに自由に活動できる”という意味を持つ。
解散のカゲに「りえ」の存在
そして森田に関するニュースとして、複数の媒体で報じられているのが、妻である宮沢りえに触れたもの。
『週刊文春』(3月25日号)が扱ったV6解散の記事には、
《「嵐になれなかった」 V6解散の裏に瀬戸朝香と宮沢りえ》
というタイトルがつけられていた。
この記事には、
《かねてから自分の意思で自由に仕事したいと考えていた森田は結婚後、その傾向が一層顕著になった》
と、森田がりえの影響を強く受けたと取れるような芸能関係者の話が出ている。また、同日発売の『女性セブン』(4月1日号)の表紙にも、
《急転 森田剛を激変させた「5か年計画」 V6解散! 宮沢りえの強握力》
というタイトルが踊っており、やはりこちらも解散の影にりえの姿があることを匂わせている。
これと似たような現象が'16年、SMAP解散騒動のときにもあった。
口の堅い森田剛と宮沢りえを前に
グループは解散し、メンバーのうち3人が退所し木村拓哉と中居正広だけが事務所に残ることになった。その経緯のなかで、木村は世間から激しいバッシングを受けることになったのだった。このときの報道は、妻・工藤静香が「事務所に残るように」と進言していたという、“軍師静香”説がその多くを占めていたからだ。
「たとえ事実であったとしても、それが世に出るまでの間に少しづつ尾ひれがついていった感は否めません。自身も長く芸能界で生きてきたアラフィフの男が、将来の進路について妻の言いなりになっているとは考えられませんよね。
今回のケースも、周辺取材で出てきた事実が、証言者づたいに大きくなっていったということではないでしょうか。妻が夫の行く末を案じることは当然です。静香さんに関しては未知数な部分も多いですが、りえさんと関わっている人に言わせれば、“そんなことで口を出すタイプじゃない”ですよ」(芸能プロ関係者)
しかし、週刊誌もウソを書いているというわけではない。そこには、話題のトピックを追い求める“媒体の性”がある。今回のV6のケースはSMAPや嵐のそれとは違い、内部のゴタゴタは特になくいわゆる“円満退所”で話が進んでいった。つまり、特に掘り下げるべき内容がなかったのだ。
そこで登場するのが、妻であり、かつ関係者のなかで一番知名度も高く“ヒキのある”宮沢りえ。ニュースにさらに深みはでないものかと各媒体、彼女の周辺を取材することになる。しかし、
「森田さんは昔から無口なことで有名です。一方の宮沢さんも芸能界の人とはあまり交流を持たないし、個人事務所で活動しているので、夫婦事情を知っている人の絶対数がそもそも少ない」(同前)
結果、核心の核心にまではたどり着くことができず、各媒体ともに“妻の宮沢りえの後押しもあった”とするしかなかったのではないか。
改めて考えてみると、妻なのだから後押ししたのは当然であろう。本当のことは夫婦にしかわからない。
<芸能ジャーナリスト・佐々木博之> ◎元フライデー記者。現在も週刊誌等で取材活動を続けており、テレビ・ラジオ番組などでコメンテーターとしても活躍中。