「3月29日から岩田絵里奈アナウンサー(25)をサブMCに迎える『スッキリ』(日本テレビ系)ですが、新体制でのスタートを前に問題が多発しています。日テレ局内での扱いもかなりマズいものになっていますし、新しい船出は厳しいものになりそうです」
こう話すのは制作会社関係者。
課題の多い『スッキリ』
『スッキリ』は、これまでサブMCを担当したハリセンボンの近藤春菜(38)と水卜麻美アナウンサー(33)が3月26日に卒業。翌週からは、メインMCの極楽とんぼ・加藤浩次(51)と岩田アナが中心となって番組を引っ張ることになる。
「心機一転、さらなる飛躍といきたいところですが、まずキャスティングに不安がありますよね。岩田アナは2018年入社ながら、社内での評価は上々。“次期エースアナは彼女”と局内ではもっぱらですが、しかし、その岩田アナがバトンを受けたのは、よりによって人気と実力ともに日本一の女子アナとの呼び声もある水卜アナです。いくら岩田アナの期待値が高くても、番組のパワーダウンは避けられないでしょうね」(前同)
メインMCの加藤も、3月9日にそれまで所属していた吉本興業とのエージェント契約が同月いっぱいで終了となることが明らかになった。
「加藤さんの契約が終わることで、『スッキリ』と吉本の関係もなくなってしまうんです。しかも、3月29日から裏番組で、吉本に所属する麒麟の川島明さん(42)MCの『ラヴィット!』(TBS系)が始まります。
同番組には川島さん以外にも、この番組には見取り図やニューヨーク、ぼる塾といった、今勢いのある吉本の若手芸人も多数出演しますし、番組を盛り上げようという手厚いサポート体制は明らか。吉本の協力もなくなる『スッキリ』ですから、特別ゲストなど、キャスティングの面で以前より期待できないとの声も聞こえてきます」(前出の制作会社関係者)
さらに『スッキリ』では、大問題が起こってしまった。それは、3月12日の放送回で、ドキュメンタリー番組『Future is MINE -アイヌ、私の声』を紹介した際、お笑い芸人の脳みそ夫(41)がした、タイトルにかけた不適切な謎掛けだ。
放送直後からネット上で、「これはひどい」など発言を疑問視する声や批判が殺到し、大炎上。
放送日の午後に日本テレビは、「担当者にこの表現が差別に当たるという認識が不足しており、放送前の確認も不十分だった。アイヌ民族の方々を傷つける不適切な表現で放送してしまった」とのコメントを発表。3月14日には、脳みそ夫も自身のツイッターで「勉強不足を痛感」と記した直筆の謝罪文を投稿した。
しかし、これだけでは騒動は収まらず、3月16日の記者会見で、加藤勝信官房長官(65)が「極めて不適切」とこの問題に言及し、内閣官房の担当部署を通じて日テレに厳重抗議をしていたと明らかにした。
3月18日に日本民間放送連盟(民放連)の定例会長会見では日テレの大久保好男会長が、同月22日の日テレの定例会見で小杉善信社長がそれぞれこの不適切表現の件で謝罪した。
番組終了の可能性も……
だが、日テレ局内では、今回の件に関して、さらに別の大きな問題も生じているというのだ。
「今回の騒動でもう一つ大きく問題視されているのが、この発言があったコーナーが『スッキりすの週末オススメHuluッス』だったことです」(放送作家)
『スッキりすの週末オススメHuluッス』は、日テレ傘下が運営する動画配信サービス『Hulu』の配信作品を紹介するコーナーで、毎週金曜日に放送されていた。
「テレビ不況もあって日本テレビではここ最近、局員に対して“放送外収入を取りにいけ”という指令が出ています。その中で最重要項目とされているのがHuluの新規会員獲得。最近では、竹内涼真さん(27)主演のドラマ『君と世界が終わる日に』のシーズン2を、Hulu限定で配信するという露骨な戦略までとるほど、Huluは重要視されていて、今後の局の太い収入源にしようという動きが行われています。
そして、『スッキリ』でやっていた『スッキりすの週末オススメHuluッス』も、番組のコーナーを使って視聴者をHuluに誘導する大事なコンテンツだったんです。しかし、このコーナーも、不適切発言の影響で、3月19日分から休止しています。加えて、今回の不祥事は、Huluのイメージダウンにもつながりかねないとして、日テレの上層部は大激怒しており、『スッキリ』のチーフプロデューサーが更迭されるのではという話まで出てきています。
“勝利の女神”水卜アナの離脱、芸能界で危うい立場となったとも噂される加藤さんの件、そして政府が激怒する不適切発言問題……それは局上層部が最重要視するHuluのイメージダウン懸念とその宣伝の場まで奪うことになり、『スッキリ』の局内での立場はかなり深刻なものになっていますね。これで4月以降、数字が落ちてくれば、早ければ9月末の番組終了もあり得そうです……」(前出の放送作家)
この厳しい状況下での船出。『スッキリ』は乗り越えられるのだろうか。