瑛人

 昨年11月、和歌山県の飲食店が立ち並ぶ街の一角にあるカラオケスナックが、いつもとは異なる盛り上がりを見せていた。『香水』で大ブレイクした瑛人が突然、訪れたのだ。

ここに瑛人が来るなんて、本当に驚きました。“いつも飲んでる店に瑛人が来た!”って周りに自慢しちゃったよ」(居合わせた客)

 瑛人は、この翌日に行われるラジオ局の公開生放送イベントのライブに出演するため、和歌山に来ていたという。店には、ギターのサポートをしている、高校時代の同級生・小野寺淳之介と一緒に訪れていた。

2020年11月昨年11月、和歌山県のカラオケスナックに突然来店した瑛人

次の日にライブがあるのに、店のカラオケで『香水』を歌って聞かせてくれました。ジュンちゃんとのハモりも完璧で“本物だ!”と大興奮でした。みんな大盛り上がりで、大歓声があがっていましたね。店のママと写真を撮ったり、店にサインをプレゼントしたり、すごく気さくな方でした」(前出・居合わせた客)

 店のママはこの大サービスに大喜びで、翌日のライブも急きょ見に行くことにしたそう。

 瑛人は、'20年にSNSから『香水』の人気に火がつき、年末には紅白歌合戦への出場も果たした。

「今年に入ってからも精力的に活動しています。1月1日にはアルバム『すっからかん』をリリースし、3月19日公開の映画『トムとジェリー』の日本語吹替版には、主題歌を書き下ろしています。ほかにも、テレビやラジオにライブと大忙し。アルバムのリリースで持ち歌のストックが“すっからかん”になったそうですから、曲づくりも大変でしょう」(音楽ライター)

スナックで働いていた瑛人の母は

 瑛人がブレイク前にアルバイトをしていた、横浜にあるハンバーガー店『PENNY‘S DINER』の店長・湯浅直人さんは彼の活躍についてこう話す。

『香水』がヒットしてから、そのおかげでここにもお客さんが増えたので、敬意を払って“瑛人さん”と呼ぶようになりました(笑)

 誰もが知る人気者になっても、アルバイト先の“籍”は残したままだという。

今も一応、在籍はしています。出勤予定は全然ないですが……。人気が出てから“出勤したい”と言われたときには“人数足りてるから大丈夫だよ”と断っちゃいました。瑛人が出勤したら大騒ぎになって大変じゃないですか(笑)

 瑛人の出勤でファンが店に押し寄せることを心配するが、プライベートで遊びに来ることも。

最後に来てくれたのは2月くらいでしたね。連絡もたまに取っていますが、いつも他愛もない話ばかりしています。

ここには、出勤したくなればすればいいし、音楽を優先したいならそうすればいいし、本人のやりたいようにやればいいと思います

瑛人がブレイク前にアルバイトをしていたハンバーガー店『PENNY‘SDINER』(横浜)

 瑛人がアルバイト先に籍を置き続けるウラには、その意思を尊重する店長の温かい気持ちがあったのだ。一方で、横浜に住む瑛人の母親は、働いていた地元のスナックを昨年末で辞めていた。

去年のクリスマス前に、瑛人くんのおじいちゃん、おばあちゃんの介護のために辞めたらしいですよ。一時期は瑛人くんと暮らしていたみたいですが、今はおじいちゃん、おばあちゃんと暮らしているみたいです」(スナックで働く女性、以下同)

 ただ、母親が辞めることはごく一部にしか知らされていなかったという。

「彼女はすごく評判がいい人で、一緒に働くみんなからも、お客さんからも人気がありました。ちゃんとお別れができず、悲しんでいた子も多かったです」

 母親が働いていたスナックには、瑛人がフラリと訪れることもあった。

開店準備をしている間に、たまに瑛人くんが遊びに来て歌っていましたね。そのときは、こんなに有名人になるなんて思っていなかったですけど(笑)

 歌うことがとにかく大好きだという瑛人。大きなステージじゃなくても、大好きな歌を歌い続ける。