この先、ポイント制度を暮らしに取り入れないと損するばかり! 最近はシニア向けに、“ポイント10倍キャンペーン”などの仕掛けも増加。欲張っていろいろやって疲れちゃった人もデジタルに弱い人も始められる方法をレクチャーするので、いつもの支払いでどんどんお得を手に入れて!
ポイントは不労所得と一緒!
「昔から店舗ごとのポイントカードはありましたが、今は貯められる場所も使える場所も広がり、ポイントの流動性がケタ違いに高くなっています。今や、ポイントは“お金とほぼ同価値"といえるほど進化しているのです」
そう話すのは、年間で最高約380万円分のポイントを貯めた“ポイ活”賢人の紀村奈緒美さん。
「ポイントは、貯められる店やサービスなどを知っておくだけで、買い物など誰もが日常的に行うことで獲得できます。1回の買い物で得られるのは数円分のポイントでも、“働かずしてもらえるお金”と考えればメリットは大きい。貯めないと損です!」(紀村さん、以下同)
例えば、60代で生活費が月12万円程度のひとり暮らし世帯の場合。スーパーでの買い物や固定費などをポイントが貯まる支払い方法にシフトし、支出額の約1%のポイントが貯まるとしたら、月1200円分のポイントに。年間で約1万5000円分が獲得できる。
しかも、最近はシニア世代の“ポイ活”に追い風あり。
シニア限定でポイントの獲得を優遇したり、シニア専用のポイントカードを提示すれば割引を受けられるスーパーやドラッグストアも増加。
ウォーキングをするだけでポイントが貯まるなど、健康づくりをしながらポイントが得られるアプリも登場している。さらに、ポイントを管理するアプリもシニア世代の利用を意識し、ぐっと使いやすく工夫されてきているのだ。
「60代はリタイア後に向けて生活をサイズダウンしていくタイミング。ポイントアップの日を狙って買い物を計画的に行えば、無駄な出費も抑えられます。
さらに、より多くのポイントを貯めるために、固定費などの支払い方法を変える、携帯会社を見直す、クレジットカードの使い方を考えるといったことを実践。
不要なものを断捨離できたり、固定費のサイズダウンにつなげることが期待できます。ポイ活は若い世代というイメージがあるかもしれませんが、シニア世代こそ役立つのです!」
カンタン「ポイ活」3STEPを紹介!
《STEP1》貯めるポイントを選ぶ
ポイントといっても、貯めることができるポイントの種類はたくさん!「最大の決め手は“よく行くお店で貯められるかどうか"」と紀村さん。
まずは、よく行くお店のレジ周りを見て、貯められる・使えるポイントのマークを確認。例えば、近所にイオン系列の店が多いなら『WAONポイント』、セブン&アイグループなら『nanacoポイント』。楽天市場での買い物が多いなら『楽天ポイント』を選択するのが賢明。
「“○○ポイントはお持ちですか?”と、数回聞かれたら、そのポイントが貯まるお店に頻繁に行っている証拠。ポイントを貯める指針に」
迷った場合は、携帯会社のポイントに合わせる。docomoなら『dポイント』、ソフトバンクなら『Tポイント』、auなら『Pontaポイント』に。毎月の携帯料金の支払いでポイントがもらえるので貯まりやすい。
あれこれ貯めると把握できないので、ポイントの種類は2~3つに絞ること。
《STEP2》ポイントをお得に貯める
もっとも簡単に貯めるなら、クレジット機能などの付帯がなく、支払い時の提示だけでポイントが貯まるプラスチックのポイントサービス専用カード(以下、専用カード)が比較的安全でわかりやすい。
「昔からあるポイントカードと同感覚で使えます。ポイント加盟店で無料で作れる場合が多いのもうれしい。保有するポイント数がわからないのが難点ですが、スマホにポイントの公式アプリをダウンロードすれば確認でき、使いやすいです」
ポイントアップデーやシニアデーなどお得に貯まる日を見逃さずに買い物をすることも忘れずに。
さらに、公共料金や水道光熱費などの固定費はクレジットカード払いにまとめ、ポイントの獲得を狙う。
「固定費は支払い額が大きい分、年間で貯められるポイント数も大きくなります。支払い方法を変更するのは手間ですが、その後は自動でポイントが貯まるので、やらない手はありません」
《STEP3》ポイントをお得に使う
ポイントは、貯めたお店で使うだけにあらず。同じポイントの加盟店なら、別のお店でも買い物やサービスの利用に貯めたポイントが使える。スーパーで貯めたポイントを飲食店や雑貨店で使うなど、利用先は他業種でもOK。
「例えば『Pontaポイント』は、じゃらんやリクルートのサービスでも利用可能。貯めたポイントで旅行や美容院に行けます。自分へのご褒美にネイルサロンやちょっとリッチなランチに使って楽しむのもいいですね。
せっかく貯めたポイントですから、なんとなく使うより“これに使った"とわかりやすく使うほうがよりお得を感じられます」
また、『Tポイント』が使えるドラッグストアの『ウェルシア』では、毎月20日に貯めたポイントを1.5倍で使える日を設定。ポイントが増額で使える店もあるので上手に使おう。
ポイントを貯める主なツールはこちら
■クレジットカード
店舗からネットショッピングまで使える場所が幅広い。銀行口座などと連携した、後払い時にポイントが貯まる。年会費がかかる場合も
■電子マネー決済
現金などでチャージをし、支払う際にポイントを獲得。使いたい金額だけ入れて使えるのでわかりやすい。WAON、nanaco、Suicaなど
■スマホ決済
現金、銀行口座などからチャージ。画面のQRコードなどをレジで読み取って支払いする際にポイントが還元。楽天Pay、d払い、au Payなど
■ポイントカード(プラスチックの専用カード)
支払い時に提示するだけ。クレジット機能などの付帯もない。公式アプリ上のデジタルカードとも連携可。楽天ポイントカード、dポイントカードなど
クレジットカードは貯まるポイント見直し!
クレジットカードを利用すると、各クレジット会社のポイントが貯まるが、まずは期限切れに注意を。“ポイ活"的視点で考えると、年間に貯まるポイントに比べて年会費が高いクレジットカードはお得感がないので、見直すべき。さらに、“そもそもクレジットカード会社のポイントは、はっきり言って前時代的”と紀村さんはバッサリ。
「昨今のポイントは旅行や食事、日常の買い物で使えるなど、まるでお金のように多用途で使えるのに対し、クレジットカードのポイントは、一生懸命貯めてもクレジットカード会社が運営するポイントサイトの商品と交換することしかできないなど、使い道が限定されています」
クレジットカードで貯めたポイントの行き先に悩むという人は、『楽天ポイント』なら楽天カード、『dポイント』ならdカード、『Tポイント』なら Yahoo!カードなど、貯めているポイントに合わせて、新しいクレジットカードへ切り替えるのも手だ。
さらに知って得する! ポイ活テク
基本の“ポイ活”で余裕が出てきたら、さらに貯まるテクにトライ。無理せずできる範囲でやってみよう!
【1】ネットショッピングをするなら、ポイントサイト経由で2重取りを!
ネットショッピングやアンケートへの回答など、さまざまな方法でポイントを貯めることができる“ポイントサイト“。利用すれば、普通に買い物をするよりも2倍、3倍のポイントが獲得できる場合がある。
やり方は簡単。ポイントサイトに無料登録し、例えば、『楽天市場』でネットショッピングをするとき、まずポイントサイトを開き、『楽天市場』を選択。すると『楽天市場』のサイトへ移動するので、通常どおりに買い物をすればOK。『楽天市場』での買い物額に応じてポイントサイトの独自ポイントを獲得でき、『楽天ポイント』との“2重取り“が可能に。
「『ニッセン』や『ベルメゾン』などのネットショッピングやふるさと納税をする際も、ポイントサイトを経由すれば、ポイントが獲得できます。貯めたポイントは現金化だけでなく『楽天ポイント』や『dポイント』『Amazonギフト券』などに交換可能。お得がいっぱいです」
〜おすすめ〜
●ハピタス
会員数300万人以上。楽天市場やYahoo!ショッピングなど、3000以上のショップやサービスと連携。毎月ポイントが当たるイベントも
●モッピー
会員数700万人以上の業界最大手サイト。アンケート回答やゲーム参加でもポイントが貯まる。友達紹介で300ポイント獲得は破格
【2】ゲームや脳トレでもポイントを獲得
カレンダーアプリのリマインダー機能でポイントアップデーなど、お得な日を把握するのは基本。ポイントアプリを利用している場合は、すみずみまでチェックして、お得情報を見逃さないこと。
「アプリの中で配信される新着情報はきちんと読む。ポイントアプリの中に、ゲームや脳トレなどでポイントを貯めるコーナーがあれば、それも利用しましょう。自分が入れているアプリで、得することはないかを探してください」
ポイントアプリ以外でも、レシピアプリの『楽天レシピ』のように、毎日アクセスするだけでポイントが獲得可能なものも。
「何もしないでお金がもらえるのですから、たとえ数ポイントでも“ちりつも“は重要。ゲームや脳トレ、ウォーキングなどの健康管理にお金を使うのではなく、それがお金になる時代だと認識を変えることが重要です」
【3】貯まったポイントで元手0円のポイント投資も
貯まったポイントで株や投資信託などを購入・運用するのも使い道のひとつ。“ポイント投資“には、ポイント運営会社が提供する金融商品など(実際の株や投資信託の値動きと連動)を選んで投資の疑似体験をし、利益がポイントで還元される『ポイント運用』と実際の金融商品をポイントで購入し、銘柄の値動きによる利益を現金で受け取れる『ポイント投資』がある。
初心者には『楽天ポイント』『dポイント』『Pontaポイント』などで行える『ポイント運用』がおすすめ。証券口座などを開く必要がなく、手数料も無料。利益はいつでもポイントに戻せるのがメリット。
「投資ですので、元本割れして損をする場合があります。とはいえ、元手が0円のポイントなので、気軽に投資に挑戦できるのが魅力です」
スマホのキャッシュレスを安全に使うためにすべきことは?
スマホひとつで行える決済サービスは、便利だが、「スマホを落としてしまったら……」など、心配はつきもの。
「スマホ自体のロックを指紋認証や顔認証にして、セキュリティーを高めておくことが安心につながります。加えて、スマホ決済アプリやポイントアプリなど、それぞれのアプリにもできるだけパスワードでロックをかけることが望ましいです。スマホを開いてすぐに使える状態は、なるべく避けておきましょう」
1度に使える限度額や銀行口座やクレジットカードからのオートチャージ額を低めに設定しておく、チャージは現金のみにしておくのも対策のひとつ。万が一、スマホを落としてしまった場合は、すぐにサービスの利用停止ができるよう事前に問い合わせ先などを調べておけば安心だ。銀行のキャッシュカードを落としたときと同様の対応を取ろう。
ポイ活マスターの貯めワザ&ポイ活ライフ
紀村さんが“ポイ活“に目覚めたのは約4年前。銀行のATM手数料に疑問を抱き、家計の支払いのほとんどをキャッシュレスに移行したのがきっかけだ。
「スーパーでの買い物や固定費を楽天カード払いにしただけで、ポイントがぐんぐん貯まりました。今では『楽天ポイント』だけで年間40万円分ほど貯めています」
毎朝のルーティンは、開くだけで『楽天ポイント』が貯まる『楽天スーパーポイントスクリーン』のチェック。ウォーキングなどの日課でもポイントが獲得できるアプリを使ってコツコツ貯めている。
「買い物後は、『レシーカ』というアプリでレシートを撮影し、『Tポイント』を獲得。自動集計してくれるので、家計簿がわりにもなって便利です。ポイントは1日で一気に貯まるものではありません。“無理せず、楽しく“続けることがしっかり貯める極意です」
ポイントの使い道……
有効期限のないものは投資へ……「有効期限のあるポイントは買い物などで利用しますが、『楽天ポイント』の通常ポイントは株や投資信託を購入するポイント投資にも利用しています。'19年からはじめて、コツコツ増やし、現在は50万円程度を運用中です」
美容院代はすべてポイントで……「利用額の1.2%の『Pontaポイント』が貯まる高還元率カードの『リクルートカード』を利用。貯まったポイントは、ホットペッパービューティーで美容室の予約に。ここ数年、美容院代はすべてポイントで賄えています」
アラフィフ記者がスマホ決済
auユーザーなので、スマホ決済は『Pontaポイント』が貯まる『au Pay』をチョイス。まず、支払い時に使うお金を準備。ローソンにある銀行ATMから現金でチャージするシンプルな方法を選択してみた。
ローソン銀行のATMで「スマートフォンでの取引」を選び、指示どおりに1000円を入金。すると、すぐにアプリの残高が1000円に!(笑)
早速、ローソンで買い物すべく、レジでドキドキしながら「au Payで!」と言ってみる。と同時に、店員さんは、バーコードリーダーを持ってスタンバイ。ここで、アプリの支払いバーコードを準備していないことに気づく。後ろには列が……。
冷や汗をかきながらバーコードを提示し、あっという間に支払い完了。支払い後は、アプリの残高の数字が変わり、支払いしたことを知らせるメールも届いてひと安心。
でも、スマホ決済に気を取られ、普段から使用していた『Pontaカード』を出し忘れ……。提示すれば、ポイント2重取りになったのに、惜しい!
使ってわかったのは拍子抜けするほどの簡単さ! これならどんどん貯められそう!