芸能人も人の子。外見・内面ともども、何かしらコンプレックスを抱えているものです。それを克服することで人気者になれた人もいれば、一般的には自慢ともとれるような悩みを持つ人も……。そんな、芸能人たちのさまざまな悩みを知れば、今抱えているあなたのコンプレックスも、どうでもよくなる! かも!?

(左から)菜々緒、石原さとみ、田中みな実、白石麻衣

コンプレックスは人ぞれぞれ

 完璧な容姿に見える芸能人でも、誰しもがコンプレックスを持っているもの。

 例えば、最近、下着ブランドの記者会見で「大きいバストがコンプレックスだった」と語った、フリーアナウンサーの田中みな実

 才能ある美男美女の悩みなんて、一般人からしてみたらうらやましいを通り越して「炎上させてやる!」くらいに思ってしまうものもあるが、田中をよく知る共演経験者はこう語る。

彼女は努力の人。あんなに可愛くて機転も利くのに、『胸が大きい』をはじめ、『背が小さい』『優秀な姉に対する劣等感』といったさまざまなコンプレックスを抱えていたそうで、『だからこう努力してきた』ということまで、周囲に語るんです。そうやってコンプレックスを包み隠さずバネにした結果、容姿を含め現在があるのでしょう

 コンプレックスをバネや味方にすれば、人気者になれるという好例だろう。

 一方、思わず「はあ!?」と言いたくなるような悩みを披露する人も……。

 容姿、学歴、家族……。今回は芸能人の意外なコンプレックスに迫る。あなたは共感できる!? 炎上させたくなる!?

◆   ◆   ◆

 冒頭に登場した田中みな実だが、そんな彼女の最新のコンプレックスはなんと「薄毛」なのだとか!

「ある収録現場で、テレビに出る際、ヘアメイクさんに仕上げで“ポンポン”と髪の毛の隙間を埋めるふりかけパウダーをまぶされたと、悔しそうに告白していたそうです」(テレビ誌ライター)

 努力家の彼女のことだから、この日から毎日、育毛剤を使用しているかも……。

 とはいえ、才能にあふれた美男美女ぞろいの芸能界では、玉に“きず”があるくらいがいとおしいもの。美容整形でおなじみの「高須クリニック」高須克弥院長も「完璧すぎる美男や美女は成功しづらい。1か所アンバランスなところがあると、それが魅力になる」という。

 女優の中条あやみは、その顔やスタイルに似合わず「字が下手」なことがコンプレックス。「モデル時代から、歌やダンスも苦手とも話していて、引っ込み思案な印象でした」(ファッション誌編集者)。端正な見た目とのギャップは愛されの秘訣かも?

 また、朝ドラ女優の波瑠のコンプレックスは「猫背」。毎年、猫背矯正にチャレンジしているというが、いまだに結果は芳しくないようで。ただ、こんな声も。

「着物は少し猫背ぎみくらいのほうが映えたりもするから、『あさが来た』の主人公役にはちょうどよかったんじゃないでしょうか」(テレビウオッチャー)

 現代の美形の代表ともいえる、元乃木坂46の白石麻衣には、くっきりと眉間にシワがあり、本人もコンプレックスと発言。最近のアイドルであれば、しらっと“修正”もできる箇所なのに、あえて伝える姿勢は、愛されるポイントなのか、絶対的エースだった立場ゆえの自信からなのか。

バネにして大成することも!

 中居正広が、過去にバラエティー番組で告白したのは白髪の悩み。毛染め剤のアレルギーで顔全体が腫れたこともあったという。一時期よく帽子をかぶっていたのも、白髪隠しの意味もあったとか。

「中居さんくらいの世代の男性タレントさんは、だいたい髪に悩みを抱えていますね。それを隠そうと黒髪にするとかえって不自然なんです。中居さんのように、明るい髪色にしたほうが、白髪や薄毛が目立ちづらくなっていいですよね」(ヘアメイク)

 最近はシルバーヘアも流行っているので、白髪がコンプレックスの時代は過去になるかもしれない!?

 世界的アーティストのマドンナも、少女時代は「毛深いモンスター」と呼ばれていたそうだが、あえて開き直ることによって強い個性を発揮、現在の不動の女王ぶりを手に入れた。コンプレックスは、自身を輝かせるためのスパイスにもなりうる。

 また、「美脚といえばこの人!」というときに必ず名前が挙がる2人が、意外にもO脚で悩んできたという。米倉涼子菜々緒だ。

菜々緒

米倉は水着仕事が多かったモデル時代、О脚が目立たないように、正面を向いて立たないようにしていたとか。いっぽうの菜々緒は、歩く際に足を交互にクロスさせて歩く、いわゆる“モデル歩き”をさらに大げさにやる、という方法を編み出し、独特の雰囲気を出すことに成功しました」(テレビディレクター)

 女優の木村多江は、自身の顔にコンプレックスを抱えていた。

「『しゃもじみたいな顔』と当時のマネージャーに言われ、一時は整形も検討したそうですが、資金面で断念。

 代わりに目の使い方やしぐさを研究して、今の清楚ではかなげな和風美人のイメージを確立したそうです」(前・テレビ誌ライター)

 彼女たちの存在感は、努力の賜物だったのだ。

 自分ではどうすることもできない出自がコンプレックスとなることもある。

 女優の寺島しのぶは梨園に女の子として生まれ、さらに母・富司純子が美人であることに悩みながら、演技派女優として不動の地位を確立。

『そこまでやるの……』という体当たりの演技はまさにコンプレックスをバネにした結果でしょう。また彼女は、梨園の関係者の女性はおしとやかさを求められる中、タバコを吸うことを隠さなかったり、フランス人の夫との間に生まれた息子を歌舞伎役者にしようとしている。歌舞伎界の常識を打ち破ろうとしているようにも見えますね」(映画関係者)

常人には理解できない”悩み”も……

 男性にも女性にも嫌われないアイコン・石原さとみは、あのトレードマークともいえる「くちびる」にコンプレックスを持っていたとか。

くちびるにコンプレックスを持っていたが最近では「耳たぶが薄いこと」を気にしている石原さとみ

 だが、メイクであえて強調することで昇華させ、その人気を不動のものに。そんな彼女の今のコンプレックスは「耳たぶが薄いこと」……。読者のみなさん、どうかその拳を収めていただきたい。

 石原が耳たぶの薄さなら、木村拓哉はその鼻に、ダレノガレ明美はその濃い顔に、そして大林素子は身長が高いことにコンプレックスを持っているという……。北川景子は、バラエティー番組で「二重跳びができそうな顔なのにできない」ことをずっと人に言えなかったと告白。何それ!

「芸能人たちは、『こんな私にも悩みがあるんですよ』というつもりでコンプレックスを告白することも多いのですが、逆に好感度ダウンにつながる場合もあるから、さじ加減が難しいですよね」(芸能レポーター)

 香川照之のコンプレックスは「自身が東大卒」であること。デビュー当時から両親のネームバリューと東大卒ということばかりがクローズアップされていた……ことがコンプレックスだそうだが、「以前、仕事関係者が香川に『東大卒、すごいですね!』と言ったら『いや、父親(市川猿翁)が行った慶応には入れなかったんでダメですよ』と返したそうです」(前出・映画関係者)

 ここまで来ると、かける言葉がないというか……。

 外見のコンプレックスを一気に解消させるといえば、美容整形だろう。切っても切り離せない関係だと、前出の高須院長が語る。

「芸能人の整形は2種類あるんです。売り出す際の“商品価値”を高めるために事務所主導で行うケースと、売り上げとは関係なく自身が気になるところを直すケース。後者の場合は、マネージャーが本人の後ろで『断ってください!』とジェスチャーを送ってくることもありますよ」  

 整形を公表している有名人はまだ多くないが、ホクロを除去することはポピュラーだ。古くは千昌夫のおでこのほくろから、椎名林檎に宮沢りえなど。チャームポイントかと思っていたのにコンプレックスだったのかとわかると、ちょっと意外な気がするもの。

 最後に高須院長はこう語る。

コンプレックスを『気にすることないですよ』と一生懸命説得するよりも、本人が気にするところを直すほうが圧倒的に手間も時間も短いし効果があります。ただ、人間じゃない顔になりたい人……例えばアニメキャラだとか、まったく種類の違う顔になりたい人にはおすすめしません

 何事も、ほどほどが大切ということで。

(取材・文/高松孟晋)