テレビでおなじみの美容皮膚科医・友利新先生がYouTubeで発信する美容情報が今話題。マスク時代を乗り越える最新のスキンケア術や、紫外線対策を紹介します!
“日焼け止め”はマスト!
“マスク生活”が始まってすでに1年以上。友利先生のもとには多くの相談が寄せられている。
「目立つのは、肌荒れやヒリヒリ感など乾燥や摩擦による炎症です。ほかにも“マスク顔”を見慣れたせいで、マスクをはずしたときのシワやたるみが気になりだしたという声もありますね」
肌の不調はマスクがきっかけと思いきや、実は肌トラブルを悪化させる間違った習慣も問題!
「“雨やくもりだから日焼け止めを塗らない”のは、もっとも避けるべき習慣といえます。シミ、シワ、たるみといった肌の老化の7割は、紫外線を浴びた日焼けによる“光老化”が原因だからです」
中でも紫外線A波は、肌の弾力を司るコラーゲンやエラスチンを破壊し、シワを深く、皮膚をたるませるので要注意。先生自身、日焼け止めを毎日しっかり塗り、日傘や帽子など紫外線対策には細心の注意を払っている。
次に気をつけるべきは“ゴシゴシ洗顔”。肌をこすると摩擦熱が起きて炎症になり、色素沈着や肌の黒ずみにつながってしまう。
「特に40~50代は、頬にできる肝斑というシミが“摩擦”によって浮き出たり、悪化したりします。頻繁にフェイスマッサージを行うのもよくありません」
正しい自分流を見つけよう
“やってはいけない”に共通するのは、どれも肌に炎症を起こす引き金となることばかり。
炎症がメラノサイトという細胞を活性化させてシミの原因となるメラニンを発生させたり、皮膚のバリア機能を低下させるからだ。そういった意味を知ればスキンケア方法は、自然と変わってくる。
「正確な情報を得たうえで自分の肌質やライフスタイルに照らし合わせることが大切です。自分にとってのベストな習慣が、美しい肌づくりにつながっていくと思います」
今すぐストップ!NG習慣
●日焼け
シミ・シワ・たるみだけでなく肌の乾燥、くすみ、キメの荒れの原因に。
●頬づえ
いつも顔を圧迫することでシワに。無意識のクセも積み重なると危険。
●睡眠不足
睡眠時間が5時間だと、8時間に比べてシワが45%以上増えるデータも。
●美顔ローラー
毎日行うのはNG。皮膚と筋肉と骨をくっつけている靭帯が伸びてたるむ。
●無表情
口元から鎖骨につながる筋肉が硬くなりフェイスラインがたるむ。
マスク荒れ対策OK習慣
スキンケアでしっかり保湿する
マスクをしているのに乾燥するのは、自分の呼気で肌がふやけ、角質と角質の間を埋める細胞間脂質が流れて内側の水分が出ていきやすくなるのが原因。
肌のバリア機能が低下すると外部刺激を受けやすく、乾燥+マスクの摩擦でシミに発展することも。水分と油分のどちらが必要か、肌状態を見極めながらしっかり補うことが大切。
●化粧水
クラリフィック デュアル エッセンス ローション 150mL、12100円/ランコム
肌に透明感をもたらすブナの芽エキスに加え、グレープシードオイルを3%配合。もっちりツヤのある肌に。「顔全体に押し込むようにつけ、目のキワも忘れず塗りましょう」
●美容液
アユーラ ホワイトコンセントレート(医薬部外品) 40mL、9350円/アユーラ
3種の植物成分でメラニンを抑制し、グリチルリチン酸ジカリウムなどで肌荒れを防止。「美容液は潤うだけでなく炎症を防ぐものを選ぶのがベスト。マスクが当たる頬にたっぷりと」
●乳液
エストG.P. エンリッチドセラム モイスチャライジング 80g、13200円/花王
乾燥やキメの乱れが生じた肌を贅沢な潤い感でハリのある肌に。「しっかりとのばして、入れ込むように塗ってください。ふれてみてベタベタせずに吸いつく感じになれば完璧です」
炎症を抑える成分をプラスする
長時間のマスク着用=肌が荒れやすいことを念頭に置いて、抗炎症作用のある成分を取り入れるのが必須。美白化粧品には、基本的に肌の炎症を抑える成分が配合されているので、美白しながら肌の荒れも抑えられる。
この成分をチェック!
【トラネキサム酸】
人工的に合成されたアミノ酸の一種。肝斑の治療薬としても認定され、安全性も高い。
【コウジ酸】
麹から発見された天然由来の成分。黄ぐすみを防ぐ“抗糖化作用”も期待できる。
日焼け止めは365日塗る
肌を守るには、マスク着用でも日焼け止めを塗るのが鉄則。日焼け止めを選ぶときは「SPF」と「PA値」に注目しよう。
「SPF」は日焼けを防ぐ時間を表す値で、「SPF50」なら朝から夕方まで効果が期待できる。「PA値」は紫外線A波をブロックする強さの指針で、PA+〜PA++++まである。
「日焼け止めを塗っているのに焼ける」という人は、塗る量が少ないことが多いので適切な量を目で覚えて。
肌深部までダメージを与える“ロングUVA”を防御。肌本来のバリア機能をサポートする整肌成分配合。石けんで落とせる。
ラ ロッシュ ポゼ UVイデア XL SPF50・PA++++、30ml、3740円/ラ ロッシュ ポゼ
効果的な日焼け止め(クリームタイプ)の塗り方
日焼け止めの効果を発揮するには0.7gが目安。
【1】まず初めに、両頬に日焼け止めを多めにのせる。
【2】指で広げると摩擦になるので、スポンジでやさしく叩き込む。
まぶたも忘れずに塗る。
【3】目の下は、スポンジで押し込むように塗ると厚ぼったくならない。
日焼け止めがたまるので、スポンジを横に動かすのはNG
【4】少量ずつ指で顔全体にのせ、スポンジで押し込む。
【5】仕上げに、シミができやすい目の周りを重ね塗りすれば完璧!
シワ・たるみ対策OK習慣
年齢を重ねてもあきらめるなかれ。毎日の積み重ねで対抗!
口角は常に上げる
たるみの原因の1つは、口元から鎖骨あたりの広い範囲にある広頸筋の衰え。加齢で筋肉が硬くなると、下へ引っ張る力が勝ってフェイスラインにたるみが生じ、口角も下がった状態に。常に笑顔を意識すれば、広頸筋の引っ張りを防いでたるみの予防になる。
スキンケアに「シワ予防」を投入する
薬機法の改正で“シワ改善”を謳える成分を配合した化粧品が販売可能に。
代表的な成分に、コラーゲンなどの再生を促す「レチノール」、コラーゲンやエラスチンの破壊を防ぐ「ナイアシンアミド」、ポーラの独自成分でコラーゲンなどの生成時に発生する酵素を阻害する「ニールワン」がある。
シワが気になりだしたらプラスしよう。
●レチノール
エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリームL 医薬部外品、22g、8580円(編集部調べ)/エリクシール
●ナイアシンアミド
ONE BY KOSE ザ リンクレス 医薬部外品、20g、6380円(編集部調べ)/コーセー
●ニールワン
リンクルショット メディカル セラム 医薬部外品、20g、14850円/ポーラ
“睡眠ジワ”予防の寝方は……
皮膚の同じ場所に圧がかかり続けることで生じるシワ。寝ているときの顔の向きによって“睡眠ジワ”になることも。うつぶせ寝はおでこ、横向きに寝ると目元や頬、こめかみがこすれてシワに。顔に圧がかからないあおむけ寝を意識!
乾燥させないために「水を飲む」
シワは乾燥が大敵。水を飲むと肌の水分量はダイレクトに増え、皮膚の乾燥が軽減されてシワ予防に効果を発揮する。1日1.5l前後の水をこまめにとるのがおすすめ。ただし利尿作用のある緑茶や紅茶、糖分の多い清涼飲料水は避けて。
友利先生の美肌習慣
●糖化に注意して食事をとる
「糖化は慢性炎症を起こしてシミやシワの原因となるAGEsを増やすので、身体を糖化させない食べ方を心がけています。
血糖値が急上昇しないよう、食事は野菜から食べてご飯は最後に。仕事で忙しいときは、具だくさんのサンドイッチやカップスープで乗り切ります」
●意識して睡眠の質を高める
「睡眠時間は5時間ほどですが、入眠してすぐ熟睡できれば時間の長さは問題ないので、睡眠の質を重視しています。
寝る30分前にはパソコンを見るのは終わりにして、お風呂では脱衣所を暗めに、必ず湯船で身体を温めます。これで自然と寝るモードになります」
『女医が教えるキレイのとっておき 読む 友利 新チャンネル』1540円/飛鳥新社
取材・文/河端直子(※商品の価格は、すべて税込みです)