「去年の秋ごろ、彼女が1度だけ占いに来たことがありますよ」
とある占い師がこのとき鑑定したのが、同じく“自称”占い師の桑添亜紀容疑者(46)だった。東京都大田区の一軒家でひとり暮らしをしていた容疑者は、4月12日に逮捕された。
逃げ出した犬に腕を噛まれた住民も
「“犬5匹を排泄物の堆積する劣悪な環境の中でみだりに飼育して虐待した”という動物愛護法違反の容疑です。
自宅には犬のほかに猫、ウサギ、ネズミ、鳥、ワニ、トカゲ、ヘビ、カメなど24種類、58匹・羽、もの動物がいましたが、糞尿やネズミの死骸があちこちに散らばっていて、かなり悲惨な状態でした」(捜査関係者)
容疑者は容疑を認め、
「新型コロナウイルスの影響で趣味の海外旅行に行けなくなってしまって、ペットを増やしてしまった。週1回は掃除をしていたが、(ペットの数が増えすぎて)追いつかなくなってしまった」
と供述している。
容疑者は、築70年近い賃貸の一戸建てに5年ほど前から住んでいた。
「最初は2階に住んでいたが、1階にいた大家さんが3年ほど前に亡くなって、1階も彼女の住まいになったようです」(近所の住民、以下同)
すると動物が次々と増えていく。
「2年ほど前から糞尿のにおいがひどかったり、鳴き声がうるさかったりして、近所から苦情が殺到していました」
2か月前、容疑者の家から逃げ出した犬に腕を噛まれた住民もいた。
「怖かったですよ。近所の人が110番通報してくれて、警察が来ました。でも厚手のジャンパーを着ていて血は出なかったから、被害届は出しませんでした」
“沖縄のユタ”の家系、除霊や霊視を生業に
昨今、「多頭飼育崩壊」という言葉がよく使われるが、容疑者のケースは少し様子が違うという。保護犬・猫の救援をしている『NPO法人 SPA』の齋藤鷹一代表は、
「『多頭飼育崩壊』は最初、数頭だった動物が、不妊・去勢手術をしないために、数十頭まで増えて、適正に飼えなくなった状態のこと。ですが、容疑者の場合は自らどんどん購入して増やしている。“アニマルホーダー”という、一種の精神的疾患だと考えられます」
動物は増えれば増えるほどエサ代などの固定出費がかさむもの。容疑者の知人は、彼女の資金源について、
「あの人は“沖縄のユタ”の家系で、霊媒師なんです。除霊や霊視、霊感占いなどをしていましたよ。“月に50万円ぐらい稼いでいる”と言っていましたね」
冒頭の占い師は、容疑者の鑑定についてこっそり教えてくれた。
「詳しくは言えませんが、かなり異質なお客さまで“何か憑きもの”が見えて……」
逮捕は動物のたたりか。虐待に苦しむ動物の生き霊が見えたのかもしれない。