懐かしのカステラ

 せっかくのゴールデンウィークですが、一向に収束する気配のないコロナ禍の影響で、今年も自宅で過ごす時間が長くなりそう。そこでオススメしたいのがお菓子作り。昨年のステイホーム期間中にもバナナケーキ作りが大流行して、スーパーの棚から薄力粉やホットケーキミックスが姿を消してしまう……なんてことにもなりましたが、作って楽しい、食べておいしいお菓子作りは、自宅でできる最高のエンターテインメントですよね。

難しい材料は使いません!

 しかしお菓子作りには、とかく材料や道具を揃えたりするのが面倒くさそうというイメージがありますが、実はそうとも限りません。今回ご紹介するふわふわカステラのレシピは、卵、砂糖、粉、サラダ油、はちみつといった手近な材料で生地を作り、パウンド型で焼くだけで、手軽に作れます。

 ほっとするような卵のやさしい風味は、老若男女、誰もが好きな味。薄力粉ではなく強力粉を使っているのは、焼成後にしぼみにくくするためです。市販品のように、オーブン用シートを敷いた型の底に、ざらめ糖を散らしてもおいしいでしょう。

 こちらのレシピが収録された大好評の新刊『あれもこれも作れる! パウンド型のいちばんおいしいお菓子たち』(加藤里名著・主婦と生活社)には、ほかにもパウンド型1つで作れる簡単でおいしいお菓子のレシピが多数収録されています。フランスでの修業経験もある著者のお菓子研究家・加藤里名さんは言います。

「パウンド型で作れるのはパウンドケーキだけではありません。通常は専用の型で作るフィナンシェを焼いてもいいし、ガレットブルトンヌのようなクッキーを焼いてもいいし、水ようかんのような和菓子を作ってもいいし、アイスケーキやゼリーなどの冷たいお菓子を作ってもよいのです。コンパクトで保管もしやすいパウンド型がひとつあれば、さまざまなお菓子を、一年中作って楽しむことができるのです。

 この本では、『しっとり』『ふわふわ』『どっしり』『ぷるぷる』という4つの食感に分けつつ、15種のお菓子、45のレシピをご紹介しています。できる限りたくさんのレシピを収めたのは、寒い季節だけではなく、暖かい季節にも、お菓子作りを楽しんでいただきたいと思ったからです。どうぞ末永く、作り続けていただければと思います」(「はじめに」より)

 お菓子は作る過程も楽しいとはいえ、できるだけ簡単でおいしく作れるのに越したことはありません。この1冊があれば、ゴールデンウィークだけでなく、1年中楽しいお菓子作り生活が送れることでしょう。ぜひチェックしてみてください!

懐かしのカステラ

【 材料と下準備 】

材料

メレンゲ

|卵白… 2個分(60g)
→常温にもどす

|上白糖… 60g

|卵黄… 2個分(40g)
→ボウルに入れて常温にもどす

A

|牛乳… 15g

|はちみつ… 10g

|サラダ油… 10g
→合わせる

強力粉… 60g

ゆっくり火を通したいので、アルミホイルで底と側面を2回覆っておく

* 型にオーブン用シートを敷き、アルミホイルで底と側面を二重に覆う。
* オーブンはほどよいタイミングで天板ごと170℃に予熱する。

【作り方】

1 メレンゲを作る。ボウルに卵白を入れ、ハンドミキサーの高速で1分ほど混ぜる。泡立ってきたら上白糖を3回ほどに分けて加え、そのつど高速で10秒ほど泡立てる。全体になじんだら、さらに高速で1分30秒ほど泡立てる。すくうとつのが大きくおじぎをするくらいになったらOK。

上白糖は、3回ほどに分けて加える
すくうとつのが大きくおじぎをするくらいになったらOK

*泡立てすぎると焼成時に急激に膨らみ、型から出したときにしぼみやすくなるので気をつける。

強力粉を使用することでもっちりと

2 卵黄のボウルに1のメレンゲをゴムべらでひとすくいして加え、卵黄をほぐすように混ぜてから、1のボウルに戻し入れる。片手でボウルを回しながら、底から大きくすくい返すようにして全体を20回ほど混ぜ、Aを加えて同様に20回ほど混ぜる。

卵黄のボウルに1のメレンゲをゴムべらでひとすくいして加える
卵黄にメレンゲを少量混ぜてから加えると分離しにくく、なじみやすい

*卵黄にメレンゲを少量混ぜてから加えると分離しにくく、なじみやすい。

3 強力粉をふるいながら3回ほどに分けて加え、そのつど同様に20回ほど混ぜる。粉けがなくなり、つやが出たらOK。

強力粉をふるいながら3回ほどに分けて加える
粉けがなくなり、つやが出たらOK

*強力粉を使用するともっちりとし、焼成後にしぼみにくい。メレンゲをつぶさないように混ぜて。

4 型に3を3回ほどに分けて入れ、そのつど表面を平らにならす。竹串で気泡を切るようにジグザグに動かし、予熱完了後に160℃に下げたオーブンで25分ほど焼く。表面の焼き色が薄い場合は190℃に上げてさらに5分ほど焼く。

生地は3回ほどに分けて入れる
型に入れるたびに、表面を平らにならす

*気泡が入らないよう、生地は3回ほどに分けて入れる。

竹串で気泡を切るようにジグザグに動かす

*竹串を斜めに細かく動かし、気泡を切ることできめの細かい生地に仕上がる。

いよいよ、焼き上がり♪

5 竹串を刺してもなにもついてこなければできあがり。型を高さ10cmほどのところから台に2回ほど落とし、別のオーブン用シートの上に型ごとひっくり返して取り出し、型に敷いていたオーブン用シートをはずす。粗熱がとれたらラップで包み、そのまま冷ます。食べるときに側面を薄く切り落とす。

竹串を刺してもなにもついてこなければできあがり
焼きがたりない場合は様子をみながらさらに5分ずつ焼く
粗熱がとれたらすぐにラップで包み、常温で保存

*焼きがたりない場合は様子をみながらさらに5分ずつ焼く。粗熱がとれたらすぐにラップで包み、常温で保存する。

焼き色がついた側面の生地を切り落とす
側面を切り落とすことで、カステラっぽい見た目に

*カステラっぽい見た目にするため、焼き色がついた側面の生地を切り落とす。もちろんそのまま食べてもよい。

[ note ]
・ 強力粉は「カメリヤ」を使用。
・ 生地の特質により、焼いていると表面がひび割れしそうになることがあります。そんなときはオーブンの扉を何度か開け、少し温度を下げてください。
・ 粗熱をとるとき、網にのせるとあとがつくので網は使用しません。
・ ラップで包み、常温で保存します。目安は1週間ほど。

加藤里名『あれもこれも作れる!パウンド型のいちばんおいしいお菓子たち』※記事内の画像をクリックするとamazonのページにジャンプします

加藤里名
『あれもこれも作れる! パウンド型のいちばんおいしいお菓子たち』

 パウンド型1つあれば気軽に作れる15種・45品のお菓子のレシピを収録。パウンドケーキなどの焼き菓子だけでなく、ゼリーやプリンなどの冷たいお菓子や、水ようかんなどの和菓子まで幅広くカバーして、1年中お菓子作りが楽しめます。

加藤里名『あれもこれも作れる!パウンド型のいちばんおいしいお菓子たち』(主婦と生活社)より。ゼリーやプリンなどの冷たいお菓子のレシピも!

主婦と生活社
定価:1595円(本体1450円+税)
ISBN978-4-391-15569-3
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