謹慎生活に耐え切れず、40年以上も“庇護の下”にあった“帝国”から飛び出した“長男”。常にジグザグとわが道を進んできたが、自慢のハンドルさばきを誤ったのか? 近藤のことを知る人に聞くと、彼はさりげなく「俺のやり方」を生きるだけで──。
近藤真彦・ジャニーズ退所の真相
“ジャニーズの長男”が事務所を去った。40年以上、在籍していた近藤真彦(56)が、4月30日に退所を発表したのだ。
「昨年11月に『週刊文春』が、25歳下の女性と5年にわたる不倫を報じました。ジャニーズ事務所は不倫があったと事実を認め、近藤さんには無期限の謹慎処分が下されていました」(スポーツ紙記者)
昨年はデビュー40周年という節目の年だった。
「事務所のスタッフが走り回って取ってきた仕事が10本以上あったのですが、すべて白紙に。でも、マッチが気にしていたのは芸能活動ではなく、カーレースのことだけ。謹慎間もない昨年末には“レースなら復帰できるでしょ”と高をくくっていたんです」(テレビ局関係者)
これまでもジャニーズのタレントが不祥事を起こすことはあったが、現役で写真をガッツリ撮られた不倫騒動は、今回の近藤が初めて。風当たりも強く、事務所としても簡単に活動を再開させるわけにはいかなかった。
「5月から本格的なレースのシーズンということもあり、マッチは“無期限”という処分に業を煮やしていました。ジャニーズの“礎”を築いた1人でもあり“俺が辞めたら困るだろう”と考えていたよう。誰かが引き留めるだろうと、退所を“ブラフ”としてチラつかせたら、事務所は“辞めたかったら止めません”ということに。彼の扱いに困っていたところ、本人から退所を申し出てくれて、事はすんなり運んだ。マッチと事務所は、そういった意味では“円満”なんです」(同・テレビ局関係者)
そんな近藤には、後輩たちから感謝のコメントが相次いだが、東山紀之(54)は違った。メインキャスターを務める『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)で、厳しく批判したのだ。
「後輩たちにも、ファンたちにも、何の説明もしていない。説明をしたくなかったのか、することができないのか、それともこれからするのか」
「僕らはたくさんのファンの人たちに支えられている。それに向き合うのが礼儀のひとつだと思う」
会見を開くこともなく明確な謝罪もなかったうえ、突然の独立宣言に「すごく薄っぺらく感じる」とまで言い切ったのだった。
“恩師と同級生”の反応はーー
近藤の“恩師”はどう考えているのか。'79年に放送されたデビュー作『3年B組金八先生』(TBS系)で共演した武田鉄矢(72)に、自宅前で話を聞いてみたが、
「もう10年以上、付き合いはないし、年賀状のやりとりもない。'19年のジャニーさんのお別れ会で見かけたくらいですから、私がコメントをする立場にありません」
ただ、それでも“教え子”であることに変わりはないと、複雑な胸中を明かす。
「私はダメな教師でしたが、いつまでも私の生徒だという気持ちに変わりはありません。何か相談がきたら? もちろん、そのときは応えます」
かつての恩師に、今のところ相談はないようだ。
では“同級生”はどうか。同じ『金八』に出演し、たのきんトリオとしてジャニーズで同じ釜の飯を食べ、先に退所した田原俊彦である。
「トシちゃんにも、今回のマッチの退所に関してコメント依頼が殺到しているようですが、“まぁ頑張ってとしか言えないね”と、他人事です」(ワイドショースタッフ)
近藤の“兄貴分”にあたるという音楽業界関係者にも、退所について事前の連絡はなかったという。
「事務所の上層部にだけ伝えて、パッと消えた。あまり考えないほうがいいというタイプだし、それが彼の引き際の美学なんだと思う。誰か1人に相談するのも負担をかけるし、後輩たちに迷惑をかけたくなかったんじゃないかな」
なので、東山の痛烈な言葉には驚いたと話す。
「マッチは誰からも好かれるタイプで、何でも許されちゃう。人当たりがいいとはいえないヒガシからすれば、何でっていう気持ちがずっとあったのかな。マッチはおとこ気があるし、実はヒガシよりもマッチのほうが後輩の信頼は厚い。でも時代の変化で、今はヒガシのようなお堅いタイプが世間ウケはいいのかもしれないね」(同・音楽業界関係者)
近藤がオーナー兼監督を務める『KONDO Racing Team』は、従来どおりレース活動を続けると発表したが、今のところサーキットに姿を見せていない。そんな近藤とチームを支援するスポンサーの1人によると、
「彼はジャニーズとは歩合制の契約で、芸能活動は開店休業状態だったから、ほとんど給料はもらっていなかったはず。彼の稼ぎは、レースの監督として日産自動車から出ています。チームはレースで優勝もするなどトップクラスなので、監督としてかなり稼いでいるはずですよ」
奥さんは離婚したい?
ジャニーズを退所したことで、レースへの復帰は早まる可能性も高く、タイヤを提供している横浜ゴムによれば、今すぐに協賛が打ち切られることはなさそうだ。
ただ、このスポンサーにも退所前の連絡はなかった。
「昨年の不倫報道のときは連絡がありましたが、今回の退所のことは本当に誰にも相談しなかったらしいですよ。唯一、親族である弟には連絡したようですけど」
そこで、神奈川県に住む近藤の実弟に話を聞くことに。ふたり兄弟の3つ下。自宅の表札の横には『KONDO Racing』のステッカーが貼られたポストもある。
「私も辞めるなんて、ホント知らなかったです。でも、退所を発表する30分前にアイツから電話はありました。久しぶりだったから、なんだよ珍しいなと思ったら“これから退所を発表する”って」
兄であるマッチのことを“アイツ”呼ばわりしていたが、仲が悪いわけではないらしい。兄弟の友人の話では、照れ隠しのようなものだという。
「昨年の不倫報道があった後はメールで“悪いな、迷惑かけて”って来たから“こっちは大丈夫だよ”って返したことはありました」
──ということは、兄の不倫は知っていた?
「まぁね。知らないことはなかったけれども……。普段から一緒に飲まないし、アイツとはすぐケンカになるから」
自らの不倫騒動で謹慎となったにもかかわらず、誰にも相談せずに長年“庇護の下”にあったジャニーズから飛び出したマッチ。'94年に結婚した妻は、今回の件で激怒していないのだろうか。
「大丈夫だと思いますよ。私はアイツと仲は悪いけど、アイツと奥さんは、ね」
兄弟で会うことは少なくなったが、マッチの離婚はないと確信しているようだった。
“兄貴分”にあたる前出の音楽業界関係者も、同じように離婚はないと語る。
「不倫騒動のときにマッチに電話して“バカだな、お前”って怒ったら“ごめんなさい”って。しばらく芸能界は難しいから、レースに集中しろって言いましたよ。奥さんにも電話しました。大丈夫? って聞いたら、“私は芸能人と結婚したときから、こういう覚悟はできていました”って。彼女は一般家庭の人だったから、いろいろと大変だったと思うけれども、耐える気持ちが強い女性なんだよ」
チームを運営するのは近藤の個人会社で、妻も役員として名を連ねている。
「先日も夫婦と一緒に食事をしたとき、マッチが“オレ、2度と女遊びはできないかな?”なんて言うと、奥さんは“また、そんなこと言って”なんて笑えるぐらい、本当に仲がいいんですよ。彼女がいる限り大丈夫でしょう」(同・音楽業界関係者)
現在の窮状を切り抜けるには、支えてくれる妻に感謝をするのが、今のマッチに必要な“やり方”だろう。