「ポップオペラという看板を背負ってボーカリストとしてデビューしましたが、その看板をはずして興味があったソングライターとしてのアルバムができ、ひとつの目標、夢が叶い新境地になったと思います。歌い方もこれまでのサビにクラシック(オペラ)の技法を入れたりはしないで、ポップスの歌唱に統一しました」
アルバムはコロナ禍だからできた
3年ぶりの新作アルバム『La Luce-ラ・ルーチェ-』を5月19日に発売。安全地帯のヒット曲を数多く手がけた作詞家の松井五郎をプロデュースに迎えてタッグを組み、収録する全12曲を作曲した。
「詞に合わせて曲を作るのは初めてだったので、最初は不安でした。でも、松井先生の詞の世界観にはメロディーが溶け込んでいるよう。ヒントになる言葉にいざなわれるように自然に曲を書くことができました」
タイトルはイタリア語で“光、輝き”を意味する。
「アルバムはコロナ禍だからできたのもあります。音楽は水や空気とちがって生きていくためには不要かもしれないけど、心のよりどころ、癒す力はすごくあると思う。大変な時代で夢をあきらめたり、あきらめかけている方もいる。
僕も(この先)どうなっちゃうのかと日々思うこともあるけど、それでも新しい1日は始まる。そういうなかで、みなさんにとって希望の光を照らすようなアルバムになればいいなと思います」
“貴公子”は40歳まで、結婚より恋がしたい!
声楽家の父、カラオケ教室で指導する母の影響を受け、高校1年のときにはカナダに短期留学し、セリーヌ・ディオン、ビリー・ジョエルら洋楽にも目覚めた。
武蔵野音楽大学声楽科に進学。在学中からレコード会社、音楽事務所など100社以上のオーディションを受け、2008年にポップスとオペラを融合した“ポップオペラの貴公子”としてデビューした。
「クラシックが最高峰と考える人のなかには“ポップオペラ”って何?とバッシングを受けたこともありました。
デビューが目的ではなく多くの人にパフォーマンス、歌を届けたかった」
週刊女性では6年前にも取材。目標に“紅白歌合戦出場”“日本武道館公演”“カーネギーホールの舞台”をあげていた。
「いまだに叶っていないですね(笑)。目標として変わっていないです。当時よりも熱意は高まっているかな。少し大人になって簡単なものじゃないという現実もわかっているけど、夢は叶えるためにあるのであきらめずにいたいです」
ステイホーム中は、苦手だったコンピューターと向き合った。
「アナログ人間でしたが、音楽ソフトを使ってパソコンで曲を作れるようになりました。
“STAY HOME”という曲を作ってYouTubeで配信しました」
独身。貴公子の結婚観は?
「結婚より前に恋がしたい! いまは音楽に必死なので、結婚にイメージが持てない。でも、いい人がいれば音楽にもいい影響がありそう。
僕は料理ができないので作ってくださる方がいいかな。ライブの前とか神経質になったりするので、支えてくれる人がいたらと思います。
(キャッチコピーの)“貴公子”は、40歳まで頑張ろうかなと思います(笑)」
愛犬と“男子”生活
デビュー翌年から飼い始めたトイプードルの愛犬、小太郎(オス)と暮らす。
「毎朝、起こされて5時半から散歩しています。ツアーパンフレットにも掲載されていて小太郎のほうが人気。タレント犬にでもしようかな(笑)」
『藤澤ノリマサ La Luce クラシカルコンサート2021』
9月5日(日)紀尾井ホール/昼の部15時開演、夜の部19時開演
9月11日(土)住友生命いずみホール/昼の部15時開演、夜の部19時開演
プロフィール
1983年3月8日生まれ、北海道出身。声楽家の父と歌の講師の母のもとで育つ。歌うことに興味を持ち小学3年で初めてステージで歌う。武蔵野音楽大学声楽科卒業。2008年に『ダッタン人の踊り』でデビュー。愛称“ノリくん”
〈ヘアメイク/長島あずさ スタイリスト/一場遥〉