清原果耶(19)

 5月17日からスタートしたNHK朝ドラ『おかえりモネ』が好評だ。ヒロインを務めるのは『あさが来た』『なつぞら』に続き、3度目の朝ドラ出演となる清原果耶(19)。そんな彼女を知る地元の人やテレビ関係者に話を聞くと、数々の伝説が飛び出して―。

幼少期にみせた才能の片鱗

女優デビュー作の朝ドラ『あさが来た』の撮影当時から、NHKのスタッフは“あの子はすごい!”と絶賛していましたね。業界では、朝ドラヒロインになるのも時間の問題だと言われていました」(芸能プロ関係者) 

 朝ドラ104作目となる『おかえりモネ』。天気予報の可能性と魅力を知り、やがて気象予報士を目指すヒロイン役を演じているのが、19歳にして数多くの賞を受賞している実力派・清原果耶だ。

 朝の顔となった彼女の原点を調べるため地元・大阪に飛んだところ、驚くべきエピソードが次々と飛び出した─。

 3歳のころから家のテーブルをステージ代わりにして歌って踊るのが大好きだったという清原。通っていた幼稚園では、早くもその才能の片鱗を見せていたという。

お遊戯会ではクラスごとにアニメの歌を披露したのですが、清原さんは誰よりも声が大きく上手でしたね。年少さんのころは身体は小さいほうだったのですが、負けず嫌い。温水プールに入る授業では怖がる園児たちが多い中、彼女は嫌がるそぶりをまったく見せずに元気よく遊んでいて、度胸がある子だなと感心したことを覚えています」(当時の担任)

 美しさも際立っていたようで近所の飲食店の店主は、

「小学生のころからモデルさんのようにスラッとしていたね。母親と仲よく商店街を歩いていたけど、美人親子で当時からオーラがあったよ」

 と振り返る。母親を含め、家族そろって大ファンだというPerfumeに憧れ、小学5年生からは兵庫県に本拠地を置く劇団でダンスやミュージカルを習い始める。

母親がPerfumeも所属する現事務所の新人発掘オーディションの案内を見つけて応募。見事3万2214人の中からグランプリに選ばれて、芸能界入りしました。同オーディションでは俳優・モデル部門で来年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で源頼家役を演じる金子大地さん、バラエティー部門で人気ユーチューバーのエミリンさんが受賞するなど、逸材ぞろいでしたね」(テレビ誌編集者)

清原が憧れていたPerfume。彼女たちと同じ事務所に入って、歌手デビューも果たした

 グランプリ獲得の約2か月後から本格的に芸能活動を開始。すぐさま三井不動産グループ、アステラス製薬の2社のCMに起用され、その美少女ぶりで一躍、注目を集める。

「デビュー2週間で『週刊文春』のグラビアに登場するなど、所属事務所もかなり期待を寄せていましたね」(アイドル誌編集者)

 朝ドラ『あさが来た』では、当初、別の役でオーディションを受けて不合格になったものの、プロデューサーの目に留まり、メインキャストである女中・ふゆ役に抜擢される。

透明感はもちろん、当時から存在感がありましたね。また撮影現場では年上の共演者やスタッフたちともうまくコミュニケーションを取っていたのが印象的でした」(前出・テレビ誌編集者)

 ’16年3月には全編4Kで撮影されたNHKドラマ『精霊の守り人』で、綾瀬はるか演じるヒロイン・バルサの少女期を熱演した。

ダンスを習っていたからか、アクションシーンでは持ち前の身体能力の高さを発揮。デビュー間もないとは思えないほど、綾瀬さんの少女時代をうまく演じていました」(ドラマ評論家・北川昌弘さん)

リハーサルから“本気涙”のプロ根性

 彼女の運動神経のよさは地元でも評判だったようだ。

部活に入るのが必須の中学校だったのですが、清原さんはすでに芸能活動をしていたこともあり、週に1日しか練習のない茶道部に入っていたんです。3年生の体育祭では、茶道部は着物姿で部活対抗リレーに参加したのですが、走りづらいはずなのに運動部の子たちを抑えてぶっちぎりの速さでゴールし、会場を沸かせていました」(中学校の後輩)

 同じく中学3年生のときには約500人のオーディションを勝ち抜き、映画『3月のライオン』でヒロイン役を射止めると、“泣きの演技”で話題に。

「監督の大友啓史さんはこだわりが強く、1シーンを10テイクぐらい撮り直すこともザラ。彼女がクランクインして間もなく、亡き母親を思い出して泣くシーンの撮影があったんです。リハーサルから本番さながらに涙を流して演じていたので、スタッフが心配して声をかけたのですが、それ以降のリハーサルでも同じ調子で涙を流していたので、大丈夫かな……と」(映画製作スタッフ)

 しかし、清原にはそんな心配は無用だった。

本番ではリハーサル以上の涙を流し、その日いちばんの会心の演技を見せたんです。あまりに泣きすぎたからか、彼女はその後、脱水症状になりかけたほど。スタッフたちも“あの子はただものじゃない!”と驚いていましたよ」(同・映画製作スタッフ)

 ’18年に主演したNHKドラマ『透明なゆりかご』では数多くの賞を受賞。業界関係者も一目置く女優魂を見せる一方、私生活ではこんな失敗も。

高校入学までは、仕事のたびに地元の大阪から東京まで通う生活だったんです。長時間にわたる撮影で疲れて、帰りの新幹線で熟睡してしまい、岡山駅近くまで寝過ごしてしまったこともあったといいます」(制作会社関係者)

『透明なゆりかご』の脚本家・安達奈緒子と再タッグを組んだ『おかえりモネ』のヒロイン役も好評

 プロ意識が高いことで知られ、’18年公開の映画『ちはやふる-結び-』に出演した際にはこんなエピソードも。

題材となる競技かるたを指導してくれた先生に、誰よりも熱心に質問。何度も何度も練習を重ねていて、若いのにここまでしっかり役づくりを行うんだと感心しましたね」(別の映画製作スタッフ)

 ’19年公開の映画『デイアンドナイト』では、オーディションで500人以上の中から選ばれてヒロイン役を務めた。同作品で監督を務めた藤井道人氏は雑誌のインタビューで、

《入ってきた瞬間に“(役名の)奈々がいる!》と感じて。(中略)隣にいた山田孝之(プロデューサーとして参加)なんて、泣いていましたからね(笑)》

 と、清原との出会いで衝撃を受けたと明かしていた。

 国民的女優になるのは必然だった……と思うほど、すべてが完璧な彼女。前出の北川さんもこう絶賛する。

「彼女のようなクールビューティー系の正統派美少女は親近感が感じられないのか、俳優としては意外と苦戦するケースが多いんです。しかしデビュー直後からNHKが大事に育ててきたこともあり、王道ヒロインとして着実にステップアップ。

『透明なゆりかご』なんて、清原さんにハマる作品をNHKが探してきたのでは……と思うほど、彼女の存在なしでは、あそこまでの名作にならなかったでしょう。大河のヒロインに起用される日も近いと思いますよ

 清原果耶という才能の果実はさらに大きくなりそう。