「波はあるけど、仕事はいろいろとやらせていただいています。去年の年末から今年2月にかけては、延期になっていたものが重なったりして、結構忙しく動いていました」
長引くコロナ禍で、その影響を強く受けているエンターテイメントの世界。さまざまなイベントが中止・延期となり、タレントやアーティストたちの仕事が激減した。
そんな中で、昨年の4月に芸能生活35周年を迎えた真琴つばさ。記念のコンサートも延期になったままだ。
「だからなのかな、私の中で“35周年”というものが終わっていない感じなんです。みなさまの前でコンサートができたとき、初めて35周年ということに実感が湧いてくるのかな、って」
コロナの感染防止対策でさまざまな制限がある中、それでも前向きに舞台に立ってきた彼女。
「朗読劇ではあったけど、帝国劇場と新橋演舞場の真ん中に立たせていただきました。あと、柳家さん喬師匠に稽古をつけていただき、落語に挑戦できたのが本当に楽しかったです」
自身初めての試みとして、昨年11月25日にはバースデイライブをオンライン配信で行った。しかし……、
「お客さまの反応がわからないじゃないですか。カメラに向かって語りかけても、リアクションがこちらに返ってくるわけではないので(笑)。どこか手応えがないというか……。
でも、コンサート会場に遠方から来られなかった方が配信ならご自宅で楽しめますし。何かいい方法がないかな、と考えているところです。私を応援してくださる方々は、ネット生活に慣れていないという人も多いから……難しいですね」
と話す真琴。
ちなみに、ネット検索で『真琴つばさ』と入力すると、予測候補で『真琴つばさ 結婚』というワードが2番目に表示される。確かに“お年ごろ”としてファンならずとも気になることなのかも……。
家族がいるといいな、と思うようになった
「2番目に出てくるのが結婚……、それを私に求められても(苦笑)。今、結婚という2文字がまったく頭の中にないですね。仕事のことばかり考えているし、私はすでに“子育て”には失敗していますし」
彼女の“子ども”とは、もうすぐ10歳になる猫、アビシニアンのアビィくん。
「兄弟がいないし、甘やかしてしまったので、じゃれたりするときに力加減ができない子になっちゃって。私はいつも傷だらけですよ。
でも彼を見ていたら、もしかして私も何気なく言った言葉で、人を傷つけてしまっているかもしれないなんて思ったりして。猫に人生を教えてもらっています(笑)」
猫との生活で満足しているような彼女だが、
「今回のコロナ禍でわかったことがあって。ひとり暮らしで外出しなくなると、猫としゃべるしかなくなるんですよ。これはマズイなと。結局は独り言じゃないですか。心の健康によくない、と。ですから、そんなときに話せる家族がいるといいな、と思うようになりました」
そして話は、理想の関係へ──。
「結婚というよりパートナーがほしい。プライベートで困ったときに、相談に乗ってくれるような、同志と呼べるような人がいたらいいですね。
そんな人と“夫婦ごっこ”をしてみたい(笑)。自宅からふたりで散歩に出るとき、鍵をかけている私を置いて歩き出した彼に、“ちょっと待ってよ~♪”なんて言ってみたいです。そんなキャラ、お芝居の役でもいただいたことないので(笑)」
そんな妄想を抱えつつ、今いちばん力を注いでいるのが6月5日(土)の配信ライブ『My Heartland Cafe』への準備。
「昨年のバースデイライブを経験して、もっと楽しんでいただける方法がないかな、と考えてきました。そこで今回は、歌とトークを分けて、歌は収録したものをお客さまと一緒に見て、トークの時間はチャットなどで言葉を交わせるようにしたり。収録の裏話も楽しんでいただければうれしいです」
最後に、コロナが収まってから、いちばんやりたいことは? の質問に、
「やっぱり生でのライブです。マスク越しではなく、みなさまの笑顔を見たいと思っています。これって、今までなら当たり前のことなんですよね。そんな当たり前の喜びを、みなさまと分かち合いたいです」
●プロフィール
元宝塚月組トップスター。1985年宝塚歌劇団入団。花組に配属。『愛あれば命は永遠に』で初舞台。1997年『EL DORADO』で月組主演男役に就任。また『風と共に去りぬ』のスカーレットや『ミー&マイガール』のジャッキーなど女役でも活躍。2001年退団後は舞台、テレビ、ラジオと多方面に活躍。
●公演情報
6月5日(土)に15時からと19時からの2回、 配信ライブ『My Heartland Cafe』が決定(アーカイブ視聴期限は6月15日の18時まで)。
詳細はオフィシャルサイトで。https://www.f-spirit.co.jp/f_ticket.html