星野源

 新垣結衣(32)との『逃げ恥』婚でますます注目されることになった星野源(40)。しかし、祝福でもロスでもない、ビミョーな反応を示した人たちがいる。aikoのファンだ。

頭をよぎる元カノの存在

 星野にとって、aikoは元カノ。2009年に熱愛が『フライデー』された。ただし、当時無名だった彼は一般人扱いされ、写真に目隠しが入れられるという屈辱(?)も味わった。

 その後、ブレイクを果たし、'11年に同誌が再びふたりの記事を掲載したときには有名人扱いに昇格。「いまやサブカル女子に絶大な人気を誇る御仁」と紹介された。

 その翌年、くも膜下出血で倒れたときも、aikoが看病したという。交際開始は'07年ごろとされる。

 ところが、'15年に二階堂ふみとの熱愛が報じられた。5歳上のaikoから14歳下の二階堂への「乗り換え愛」ではという憶測も浮上。'14年にaikoが発表した『透明ドロップ』が星野との破局をテーマにしているのではとも噂された。歌詞カードにはないラストの一節で、相手の浮気とうそがほのめかされるというエグい曲だ。

 ちなみに、aikoがその前に長く付き合ったのがTOKIOの国分太一。ただ、20代の数年間と30代のそれとでは重みが違う。二階堂ほどの年の差ではなくても、星野が伴侶として選んだのが8歳若い新垣ということにも複雑な思いを抱いた人がいるようだ。それゆえ「おめでたいけど、aikoが頭に浮かんでしまう」といった反応が見受けられた。

 とはいうものの世間全般として、星野がひどい男だというイメージは薄いだろう。基本的に彼は嫌われないというか、敵をつくりにくいタイプに思える。これはなぜなのか。

 周知のように、彼は音楽も芝居も、コントや著作もこなす才人だ。新垣と4年ぶりに共演した『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の新春スペシャルについて、

このふたりにしかできないリズムみたいなものがあるんだな、っていうのをそこで再確認しました」(『あさチャン!』)

 と、発言。あれだけのミュージシャンが「リズム」という言葉を使うと、説得力がある。そのリズムが私生活でも合うことが確認できたからこそ、結婚したのだろう。

星野源が憎まれないワケ

 一方、才人ゆえの気難しさもあり、一昨年には、自分の写真がSNSのアイコンなどに無断使用されていることについて、ラジオで苦言を呈した。が、その苦言によって使用をやめてくれた人がいることを知ると、

「本当にいい人だね、みんな。うれしいわ。若干泣きそうです」

 と、フォロー。こうした腰の低さが、憎まれない才人というキャラにつながっているわけだ。

 そんな星野は、植木等を尊敬している。こちらも歌に芝居にコントにと活躍し、その飄々とした人柄でも愛された才人だ。「植木さんも遅咲きだったんですね」「自分の活動の原点に植木さんの笑顔と歌声、まじめさがある」とリスペクトを口にしている。

 '16年の「紅白」では日本中が『恋』ダンスで盛り上がった。それは1990年の「紅白」で植木が『スーダラ節』などのメドレーを歌い、歌手別最高視聴率を記録したことにも通じるものだ。星野もこれから、国民的マルチタレントへの道を歩んでいくのだろうか。

 ただし、夫婦としての「リズム」が合うとは限らない。憎まれない才人であり続けるためには、新垣以外の女性とのプライベートなセッションは避けたほうがよさそうだ。

PROFILE●宝泉 薫(ほうせん・かおる)●作家・芸能評論家。テレビ、映画、ダイエットなどをテーマに執筆。近著に『平成の死』(ベストセラーズ)、『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)、『あのアイドルがなぜヌードに』(文藝春秋)などがある。