広末涼子(40)が『徹子の部屋』(テレビ朝日系)に出演。長男が海外留学している話を披露した。現地まで見送りに行き、別れた直後に雨のなか、号泣してしまったという。
広末の発言で思い出す過去
「わーって泣きながら、これがもう、もし日本だったら、私が号泣しながら道を歩いてたら、また週刊誌に撮られて、変なこと書かれるから、雨でよかった、海外でよかったって(苦笑)」
この発言には、思わず納得(?)した人もいるだろう。最近もネットニュースで「テイストがちぐはぐでごちゃごちゃ」な私服姿をネタにされていたが、20年くらい前には数々の“奇行”が報じられた。CM撮影のドタキャン、ドラマ撮影中の携帯電話依存、さらには「150km、乗車賃4万円のタクシー無賃乗車」という具合だ。
とはいえ、14歳でCMデビューしたときのイメージは完全無欠の清純派アイドル。その後、歌手としても女優としても成功した。
そんな彼女にとって、転機となったのが1999年の早稲田大学入学。必ずしも祝福一色ではなかった。進学校にいたわけでも、特に仕事をセーブするでもなく、面接と論文だけの「自己推薦入試」で合格したことから、出来レース説もささやかれたものだ。
しかも、彼女はなかなか登校しなかった。初登校は入学式から3か月近くたった6月26日。所属事務所が各メディアに告知していたため、取材陣が殺到して、パフォーマンスではと批判もされた。
また、その直前には新恋人・伊勢谷友介との同棲も発覚。学生たちにもみくちゃにされた広末は「ふざけるなって思った」と語ったが、世間の彼女への反応も「ふざけるな」だったのだ。
ちなみに、合格したのは教育学部の国語国文学科。その国語力がどうだったかというと、この年の2月、彼女の文章が世に出ていた。林真理子の小説『東京デザート物語』の解説だ。
しかし「結末まで一気に読んでしまいました」とか「林真理子さんの小説を、もっと読んでみたいと思いました」といった素直すぎる文章が、解説というより読書感想文みたいだと揶揄されるハメに。実際、本人も解説のなかで自分の語彙の乏しさを「バカっぽい」と自虐していた。
同年生まれの竹内結子さんの文章
芸能人だからしかたないかといえば、そうでもない。同じ日に発行された桜井亜美の小説『サーフ・スプラッシュ』の解説では別の芸能人がこんな文章を書いていたのだ。
《そんな思いに耽っていると、ふと高校の教室にいた私が見えた。(略)まるでスーパーの棚に陳列されている缶詰みたいに、外の空気と別の世界を夢見ていた》
広末と同年生まれの故・竹内結子さんの文章だ。
ただ、これほど繊細な感性や表現力は女優にとって諸刃の剣だろう。このふたつの文章と両者のその後を考えたとき、あまり繊細すぎないほうがいろいろと乗り越えていけるのかもしれない。
広末は大学を5年で中退。その2か月後、モデルとできちゃった婚をした。以後、離婚とキャンドルアーティストとのできちゃった婚を経て、現在3児の母となっている。
大学を目指したのは「仕事以外の場所を持ちたかったから」だそうで、多忙な芸能活動からの避難という意味もあったわけだ。イメージダウンにもなったが、おかげで清純派からの脱却もできた。
前出の解説のなかでも「私自身、とてもプラス思考なので」と自己分析している。だからこそ、どんな「変なこと」もプラスにかえてしまえるのだろう。