今年デビュー15周年を迎え、約2年ぶりの有観客ツアーの開催や積極的な楽曲のリリースなど、順調そうに見えていた『いきものがかり』が、6月2日に驚きの発表をした。
「ギターの山下穂尊さんが、今年の夏をもってグループを脱退し、芸能活動を引退することを発表にしました。ホームページには、活動を続けるボーカルの吉岡聖恵さんとグループのリーダーでもあるギターの水野良樹さんの2人と、脱退することになった山下さんの間で、音楽やグループに向ける気持ちが違うものになってきたことが理由だという文章も公開しています」(スポーツ紙記者)
メンバーそれぞれのコメントも発表されており、一見“前向きな脱退”のよう。しかし、一部では“山下の自業自得では?”という声があがっていて……。
「昨年の1月に、山下さんが飲み会で出会った女性を強姦したという記事が、『FRIDAY』に掲載されたんです。所属事務所は合意のうえだったと説明していますが、証拠とされるLINEのスクリーンショットも掲載されています。ほかにも問題発言や女性トラブルなどが過去に報じられています」(同・スポーツ紙記者)
山下の両親は不仲説に「まったくない」
たしかにこれだけトラブルが頻発していれば、メンバー間にわだかまりが生まれても違和感はない。
そこで、関係者に話を聞こうと、神奈川県海老名市にある山下の実家を訪ねた。取材に応じてくれたのは、物腰の柔らかい山下の両親だ。
「本人が決めたことなので、それを応援していこうと思っています。脱退の話は数日前に聞きました」(父)
――メンバーは幼なじみだが、不仲が原因?
「まったくないです。本当に素直な3人です。これから別の道に進んでも、近所ですし仲よくやっていくと思います。トラブルになったことなんて1度もないですから……。ライブに行ったときはいつも“聖恵ちゃん!”ってハグするくらい、家族ぐるみでも仲よしなんです」(母)
――『FRIDAY』の報道が影響している?
「ないと思いますけどね。息子はもともと表に出るのが好きじゃないんです。裏方として活動していくほうが向いている……というよりも、また違った形で活動していくのもいいんじゃないかなと思っています」(父)
「小さいころから“芸能人になる”なんて思ってもみなかったような子なんです。だから、私も裏方の仕事に回る息子を応援していきたいと思っています」(母)
次第に生まれていったメンバーへの嫉妬心
山下の両親は、不仲や過去の報道が原因であることについては否定したが、それもそのはず。関係者によると、さらなる原因があるという。
「今回の山下さんの脱退は、彼の素行不良に2人のメンバーが目をつむれなくなったということももちろんあったのでしょうが、吉岡さんと水野さんの2人と、山下さんとの距離感があまりにも離れすぎたことが原因だったようですね」(レコード会社関係者)
いったいどういうことか。
「数年前ですが、都内で山下さんとマネージャーさんが打ち合わせをしているところに遭遇したんです。山下さんがすごく熱っぽく話していたので何を話しているのかと思ったら“3人グループのはずなのに、なぜいつも吉岡ばかりが目立つんだ”と怒っていて……。ボーカルがいちばん目立ってしまうのは仕方がないんじゃない? と思いましたけどね。彼にとっては、その状況が耐えられなかったのでしょう」(居合わせた女性)
“このバンドは吉岡の力だけで売れたわけじゃない”ということを訴えたかったのだろうけど……。
また、自分でも作詞・作曲をしていた山下にとって、水野の曲ばかりが注目されることにも不満を募らせていたそう。
「すべての曲はメンバーによって制作されていたんですが、シングルA面の曲はほとんど水野さんが作っており、山下さんが作っていたのはカップリング曲とアルバム収録曲ばかり。
水野さんのほうが万人ウケする曲を作る才能があったということなんでしょうが、このことも山下さんは許せなかった。“なんでシングル曲を書かせてもらえないんだ”と、ことあるごとにスタッフに愚痴っていたといいます」(前出・レコード会社関係者)
スポットライトのあたる吉岡や水野への嫉妬を強めていった山下。いつしか2人との関係は、修復不可能なほどに悪化してしまったのだった。
また、昨春には、これまでの所属事務所『CUBE(キューブ)』から独立した3人。このことも山下にとっては裏目に出てしまったという。
「CUBEにいれば、グループを脱退してもソロとしての活動もスタートしやすかったかもしれませんが、事務所を辞めたことで、ハードルが上がってしまいました。独立自体も決して円満ではなかったそうなので、CUBEも今後、山下さんに手を差し伸べることはないでしょう。
裏方として活動していくようですが、山下さんの自己顕示欲の強さを考えると、やっぱり表に出たいんじゃないかと思ってしまいますけどね」(芸能プロ関係者)
両親の話とは裏腹に、関係者の話からはスポットライトを浴びたかった山下の素顔が見えてくる。
実際のところ、山下の嫉妬心からくる関係の悪化が、脱退の引き金となったのだろうか。脱退発表の翌日、犬の散歩から帰宅してきた水野にも改めて話を聞いた。
――脱退する山下さんはご友人に戻られるということで?
「はい、そうです」
――不仲だった?
「そういう見方になっちゃいますよね…(苦笑)」
――自分が目立てないことに山下さんは不満を抱いていた?
「それはまったくないです。3人でフラットにやってきたグループなので、そういうことは何にもなくて……。発表の文にも載せたんですけど、40歳を前にいろいろ考えるところもあって。同じグループで、ずっとやってきたので、違うものを見たいという話が数年前から出ていて、話し合った結果、みなさんを驚かせてしまうことにはなってしまったんですが……」
――『FRIDAY』の報道も影響した?
「全然そういうことはなくて、発表したことがすべてです。せっかく来ていただいたのにすみません」
今夏以降、『いきものがかり』は吉岡と水野の2人で活動していくことになる。気になる彼らの関係性はというと――。
「吉岡さんと水野さんも決して仲がいいわけではありませんが、山下さんと比べると、ビジネスと割り切って関係を続けることができるように思います。ここからまたメンバーが欠けて“解散”という悲劇は、しばらく起こらないでしょう」(前出・レコード会社関係者)
“幼なじみ”から“ビジネスパートナー”となった2人のこれからの活動に、まずはYELLを送りたい。