岡田将生

 あの岡田将生がついにフライデーされてしまった。

《岡田将生&フジ鈴木唯アナ コロナ禍で育む「巣ごもり愛」》

 岡田が高級外車で彼女を迎えに行ったところのツーショットや、車内での和気藹々とした様子もバッチリ。彼の家で巣ごもりデートというのがふたりの定番パターンらしい。 

 スカウトを受けて高校生のときにデビューし、もう芸歴15年にもなる岡田だが今回が初の熱愛スキャンダルとなる。

「一緒に住まねえ? 俺と」

 どうしょうもないほどの美形にすらっとした長身、天然っぽい言動に常にオファーの絶えることのない演技力。完璧にみえる彼にこれまで熱愛報道がひとつも出てこなかったことは、世間からも長らく不思議がられていた。巨大匿名掲示板『2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)』では長い年月をかけて、こんな噂が根強く広まっている。

「岡田将生はロリコン」

 そんな事実無根の“決めつけ”が『2ちゃん』を中心に出回りはじめたのは2012年。『王様のブランチ』で、映画の撮影現場で共演した子役・吉田里琴(当時12才・現在の芸名は吉川愛)にプロポーズめいた発言をしていたオフショットが放送されたことに端を発している。里琴ちゃんの撮影最終日、そろりと後ろから近づいた岡田はこう口を開いた。

愛おしくてしょうがない。一緒に住まねえ? 俺と。なんでもするよ

 当時の映像を確認すると、たしかにそこはかとなくガチトーンが漂っているような……。もちろんこれは映画の宣伝のためにオンエアされたもので、『岡田将生プロポーズ疑惑』と題されていることも含め、情報番組的な演出の一環であろう。本当にロリコンならテレビで流すわけがない。

 当然、『ブランチ』のスタジオではこのVTRを巡って、イジりの集中砲火を受けたのだが、対する彼の言い訳はというと、

本当に大好きで、お父さん的感覚なんですよ。本当に可愛くてなんでもしてあげたくなるような感じで。そうするには一緒に住むしかないなと思って

 そう語る様子はなぜか挙動不審に見えるし、言葉のチョイスもなんだか不思議。端的にいえば、バラエティー慣れしておらず、返しが下手なんである。『ブランチ』スタッフは当時23歳だった岡田将生の“対応力”を測り間違えてしまったのだ。

無味乾燥なWikipedia

 この一件が衝撃的すぎたのだろう。その後も2017年にテレビで親友・ハライチ澤部の娘に“メルちゃん(女の子向けの着せ替え人形)のキッチンのおもちゃを買ってあげた”というエピソードを披露すれば、ネットでは「嬉しそう、やっぱりロリコン」と言われ、女優とのキスシーンの画像を貼られては「顔が嫌そう」とイジられてきた。こんなエピソードが次々に切り取られて、アーカイブされていった結果、“岡田将生ロリコン説”が補完されてきたわけだ。

 10年以上もロリコン呼ばわりされてきたのには、「あんなにモテそうなのに熱愛が出てこなかった」こと以外にも、“キャラにアクがない”ことも影響していたと思う。

芸能人にありがちな『人物』の項目がない岡田将生のWikipediaページ

 ときたま番宣でテレビに出てくる彼をみていても、その言動はいたって無難で、雰囲気から察することができるのもどうやら“天然で純粋そう”といった人の良さそうなところばかり。ツイッターやインスタなどSNSもやらず、発信が少ない姿勢も人物像が定まらない原因だろうか。

 佐藤健(熱愛多数のモテ男)や松坂桃李(ガチオタク)など、同年代の俳優たちが個性あふれる人柄を世に轟かせるなか、天然で純粋なだけではどうも印象が弱かったのかもしれない。

 それを示しているのが岡田将生の『Wikipedia』。

 芸能界入りのきっかけや受賞歴などはズラズラと列挙されているのだが、あれだけ活動しているというのに性格や人柄をあらわす『人物』の項目が存在しない。ここまで全くエピソードのない無味乾燥なウィキ、人気俳優としてはきわめて珍しい。

岡田将生の結婚願望

 そんな岡田の素を出さない気質は、ネット民からすれば無地のキャンパスだったのだろう。あれだけ美形でキラキラしている芸能人なのに、それ相応の行動が伴わない“素材の良さ”が、ロリコン色に染められていった所以ではないか。

 そのようにして彼は “イジられキャラ”を獲得したのである。しかしながら、イジられるということは同時に、“愛されキャラ”であることも意味する。「天然で純粋そう」、そのこと自体が好かれるに足る理由なのかもしれない。『2ちゃん』のスレッドに書き込まれている内容からもその空気は伝わってこよう。

 彼の愛されるパーソナリティは、今回の熱愛報道にも色濃く反映されている。

 というのも、そもそも今回スクープされたのは、“彼女の家まで車で迎えにいっていた”からにほかならない。

 本来、自宅でのデートであれば彼女に「ウチに来て」で済みそうなものだが、こと岡田の場合は“わざわざ相手の家までお迎えにあがり自分の家まで車を走らせる”というコースを辿る。なんと、記事にはこの描写が3度も登場するのだ。

 本来もっと警戒すべきともいえるイケメン俳優にも関わらず、しかもこのご時世にこうも2ショットを撮られてしまうのはなんだか間が抜けているというか、愛らしいとしか言いようがない。そして証明されたのは、好きな女に簡単に「一緒に住まねえ?」などと言うような男でないこと──。

 2021年1月に放送された『ボクらの時代』に出演し、結婚願望について問われた岡田は「自分が地に足ついてないから……」としながらも、「子どもは好きだからねぇ〜。そういう機会があったら突然(結婚)しちゃうかもね」と照れながら答えていた。『FRIDAY』によれば“付き合って半年ほど”とあるので、ちょうど交際が始まった時期と重なる。

 ここにきてようやく「子どもが好き」が別の意味を持って立ちのぼってくるのである。

〈皿乃まる美・コラムニスト〉