何やらメディアによる代理戦争の様相を呈してきた。
夫のDV逮捕によって表面化した、タレントの熊田曜子(39)の離婚劇。その泥沼化が止まらないのである。
『ぶっ殺す』は言ってはいけないワード
構図としては、DV夫と離婚したい妻VS妻の不倫を疑う夫。お互いが、それぞれの言い分を主張しはじめたことで、泥沼化が加速している。
「今週発売の週刊誌がこぞって報道していますが、なかには立ち位置を鮮明にしている媒体があります。女性セブンが熊田派、週刊新潮と週刊文春が夫派。証拠の音源、LINEなどを当事者自らが暴露する形で、真っ向から対立しています」
そう解説するのは情報番組デスクだ。
「うちの番組で取り上げるのは、離婚が成立したときでしょうね。その過程は、あまりにも暴露合戦の内容がひどすぎて報じられません」
と苦笑気味に付け加える。
女性セブンが独占スクープとして伝えたのは「夫からの壮絶DV『ぶっ殺すぞ!』現場音声データ公開」というもので、「おまえ、ぶっ殺すぞ、ホントマジで」「ふざけんなよ」「ふざけんなって、なんだよ、おれに」といった夫の怒声に対し、熊田は「子どもが起きるから」「ひっぱたくとかぶん殴りたいって、言うのやめて」などと抗っているという。
「熊田は、自分が録音しているわけですから、相手から何かを引き出そうと誘導気味の点もゼロとは言い切れませんが、それを差し引いても、夫の暴言はひどい。『ぶっ殺す』という言葉は、妻はもちろん、誰に対しても言ってはならないワードです。口汚くののしり合っても、『殺す』と言わない人は言わない。その言葉を激高して妻にぶつけている段階で、ダメな夫、救いようのない夫という感じを抱きました」
と、スポーツ紙芸能記者は熊田寄りで、夫の振る舞いに否定的だ。
性的な暴露はリベンジポルノ
一方、夫の言い分を全面的に掲載したのは週刊新潮と週刊文春。
前出・スポーツ紙芸能記者は、
「将来、夫婦の子ども3人が大人になったときに、記事に目を通さない保証がないにもかかわらず、どぎつい内容になっている。お互いが加害と被害を訴えていますが、夫婦で一線を越えているお粗末さに気づいていない」
と、バッサリ切り捨てる。
タイトルにはエグい言葉が並んでいる。「熊田曜子 夫が明かす“不貞の証拠”ママバッグに大人のおもちゃが」(週刊文春)、「熊田曜子夫が激白 私が妻の不倫を問い質した『セックスと嘘と録音テープ』」(週刊新潮)。熊田の下半身事情を、夫が告発している。
「熊田の浮気を疑った夫は、熊田の手帳を見たこと、熊田の荷物をチェックしたことなどを、恥ずかしげもなく明かしている。さらに熊田の荷物に、女性用の大人のおもちゃを発見し、そのことを熊田に問いただした際の熊田の言い訳『自分で使っている』までさらしてしまった。夫は自分が医療関係の仕事に従事しているため、大人のおもちゃのDNA鑑定し、その結果、他人の体液がついていることを突き止め、熊田が自分だけで使っていないという疑いを深めたようです」
例え一般人同士であっても、夫婦や元夫婦の性的な秘密を暴露するのは、あまりにもゲス。まして熊田はタレントなのである。嫉妬からの行為として言い逃れはできない。性的な暴露はリベンジポルノに近い。
告白に至った気持ちについて夫は、子どもへの影響を考え沈黙していたが、妻によるDV夫というレッテル張りに耐えられなくなり告白に踏み切った、としているが、果たしてどれだけ共感を得ることができると判断したのだろうか。
2人にそれぞれの言い分があるのはわかる。沈黙を破り、夫婦のパンドラの箱を開け放ってしまったことで、熊田と夫は気づかぬうちに毒親と化し、子どもに対しては“共犯者”になってしまったのだ。
沈黙することができなかった2人は、そのことに気づかない。
〈取材・文/薮入うらら〉